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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

北朝鮮のミサイルは原発より東京に 田中俊一規制委員長の発言は失言ではない その4 

今回は、実質的にはその2の続きになります。

話の確認になりますが、その2でも述べたとおり、北朝鮮が意図的に原発をミサイルで攻撃する場合は、これは一時停止や廃炉では到底対応できず、基本的には原子力規制委員会の議論の対象外になります。

そして、どうせやるからには原発より首都圏のほうがはるかに効率的ですが、かといって、どちらもやられては困るので、今回はその対処法についてですね。

‖ 個別に考えてもキリがない

この問題は、個別的に「○○にミサイルを撃たれたらどうしよう」というよりも、日本に向けてミサイルを撃たれない方法を考えるほうが早いでしょうね。あれこれ考えると、各種インフラ設備、国際会議の会場、東京オリンピック(2020年)、あるいは国会議事堂や皇居など、撃たれたら困る候補はそれこそいくらでも出てきますからね。

それでは日本をミサイルの脅威からどのように守るのかと言えば、これは結局、「撃たれないようにする」以外の有効な手段は無いと思います。

これではなんだか身も蓋もない話のように思われるかもわかりませんが、撃たれたら困るのであれば撃たれないようにする。そのような対策を取れさえすれば、少なくとも当面の間は原発であれ国会議事堂であれ、他国の意図的な攻撃から各施設を守ることは可能です。

すなわち、この問題は個別的な枠を超えた、国家安全保障(=National Security)の議論ということになります。

‖ 日本は既にミサイルの脅威から逃れるための有効な手段を備えている

他国による意図的な攻撃から日本を守るという意味においては、日本は既に必要十分な手段を備えていると、私は考えています。

この辺りは、端的に言えば抑止力ということになりますが、この最たる例が「日米同盟(日米安全保障条約)」ということになります。すなわち、この同盟関係が成立する間は、第三国による意図的な日本への攻撃はアメリカへの攻撃と同義とみなす(=反撃する)という話ですね。

少し余談になりますが、日米同盟に関しては、よく日本では「有事の際に本当にアメリカは攻撃するのか」というような意見も少なくないようです。

しかし、これは同盟の当事者が考えることではなくて、二国間の同盟関係を第三者がどのように受け止めるのかという話です。そういう意味では、「アメリカは信用できない」という意見自体が、かえって日本の安全保障環境を低下させるとも言えるでしょうか。

余談はさておき、日米同盟という抑止力を補完するといいますか、ある種の保険的な手段としての、自衛隊(自衛隊は憲法の規定上、抑止力を備えた組織とは言えませんので)のミサイル防衛(BMD)もあります。イージス艦のSM3、地上配備のPAC3で、弾道ミサイルが日本の国土に着弾する前に破壊する仕組みです。

‖ 安全保障とは「相手に考えさせる」ことにある

北朝鮮が日本に向けてミサイルを撃つときは、それは北朝鮮としての体制・国家の崩壊を意味します。その担保となるのが、一義的には日米同盟と自衛隊の防衛能力ということになります。

つまり、興味本位でミサイルを撃っても、それなりの確率でミサイルは破壊され、同時に安保条約が適用されて北朝鮮は一報的な反撃を受けるだけ。これではメリットがないので迂闊なことはできない。

一般的に(特に原発反対と仰る方は)は、安全保障や抑止力という言葉を聞くと、よく「戦争準備」や「人殺し」という物騒なイメージをされる方も少なくないのですが、これらは実際には、「相手に再考を促す能力」とでも解釈したほうが現実に即していると考えます。

誰一人として、「お前を殺すぞ!」とは言ってはいないものの、相手が下手なことをすれば、それによって得られるメリットはなく、一方的な手痛い反撃を受けるだけと考えさせること。これが安全保障の極意であり、すなわち、日本がミサイル攻撃を受けないための唯一の方法と言っても差し支えはないと思います。

そのような意味でも、脱原発、原発を安全に廃炉にする上でも、日本の安全保障環境がそれなりに整っていることは必要不可欠な条件と言えるでしょう。

‖ 心配でも騒ぎ過ぎは逆効果に

そして、日本は既にその手段を備えているので、マスコミの報道姿勢、政府関係のCM等も含めて、過度に北朝鮮の危機を煽ったり、あるいは避難訓練みたいなことをするのは、ちょっと行き過ぎのような気もします。これではかえって北朝鮮に自信を付けさせることにもなりかねないからです。

北朝鮮問題は、本来は冷静に対処するべきところまで慌てているような印象で、これでは一般市民が必要以上に不安に駆られても仕方がない面もあると思います。

・・私も一般市民なのに何を偉そうにw

その5につづく

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北朝鮮のミサイルは原発より東京に 田中俊一規制委員長の発言は失言ではない その3 

その1、2では、ややもすると原発反対と仰る方の多くが、原発はたとえ一時でも止めさえすれば、あるいは廃炉にすれば完全に安全であるというような、ある種の安全神話に陥っている。どうもそんな印象が以前から見受けられるので、田中委員長の一件が良い機会と考えて、必ずしもそうでもないぞという意味で、私なりの意見を述べてきたところです。

今回は、前回までの話を踏まえた、少々余談に近いような話が先になります。

‖ 原発以前にそもそも放射性物質が危険

前回の「原発の問題は、突き詰めれば放射性物質の飛散(汚染)」にあるというくだりです。

原発の是非について考えると、どうしても話の中心が原発になるのは仕方がないことなのですが、本来、この問題の核心は放射性物質そのものにあるはずです。

そのような意味では、原発ではなくて、放射性物質は、その用途が何であれ、閉じこめ機能・気密性が問題になってきます。それは当然、社会にとって受け入れがたい、度が過ぎた量が外部に漏れた場合は、非常に危険だからです。もちろん、少量であれば良いとも言えないでしょうが。

そしてこれは、「言うは易く行うは難し」で、たとえ個人、組織では気をつけているつもり(気をつけていない場合もw)でいても、内的・外的な、何らかの複合的な要因によって、案外簡単に破られてしまうこともある。

実際に、私たちは、そのような現場を数多く見聞きしてきたはずですし、これからもきっと、今までの知見では思いもつかなかった、あるいは確率としては非常に低い(だから考えなくても良い、想定不適当)とされてきた「事象」が起きることでしょう。

‖ 私の原発にかんする基本的な考え方

そのため、個人的には、原子力を軍事利用と平和利用に分けた上で、前者を悪と規定して、後者を当然のこととして推進する。あるいは、以前話題にした、「軍事優先の狭い枠組みを廃し、安全最優先(社会主義でこその平和利用と読み替えて差し支えありません)で」というような主張には、どうにも歪んだ科学技術信仰、ある種のいかがわしさを感じます。

そのようなわけで、たしかに私は原発に反対なのですが、そういう話とはまた少し違う意味で、原子力の軍事利用を批判して、平和利用を当然(上記の2つの主張は、視点は多少異なりますが結論は同じです)視する、原子力開発の黎明期から現代まで続く風潮そのものに、大いに疑問を感じています。

平たく言えば、私の考えは、福島原発事故を契機として、原発に反対する以前の問題として、原子力の平和利用そのものを問い直す。そんな感じでしょうか。

‖ 余談が過ぎたので今回はこの辺で・・w

少々余談が長くなってしまいました。たしか今回は、「原発や首都圏がミサイルを撃たれない方法」について考える予定だったはずw

しかし、これ以上続きを書くのは連載1回分の量としてはバランス的に問題が・・というよりも、今日もやはり暑いですので、続きはまた次回、「その4」とさせていただきます。

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北朝鮮のミサイルは原発より東京に 田中俊一規制委員長の発言は失言ではない その2 

今回は前回の補足のような内容になります。

‖ 原発そのものの破壊に対し、停止や廃炉では対応できない

北朝鮮の意思で原発そのものを破壊する。このような事態に際し、「原発を止める(一時停止)」とか「廃炉にする」という対策は、基本的には意味がありません。

原発の問題は、突き詰めれば放射性物質の飛散(汚染)なのですから、仮に北朝鮮がミサイルを原発に撃つとしても、それが止まっていようが廃炉を決定しようが、より多くの人々が被曝するに足りる、それなりの量の放射性物質ごと攻撃すれば良いのです。

福井県の高速増殖炉もんじゅ。確かには廃炉が決まりましたが、核燃料や減速材のナトリウムの取り出しはこれからです。ちゃんと取り出せるかどうかは今後の研究開発のペース次第ですが、当然、ここを爆撃すればかなりの被害が予想されます。

茨城県の東海再処理工場。現在は廃炉措置の一環として、再処理の過程で生じた高濃度の放射性廃液をガラス固化する作業を行っているようです。こちらも破壊すればかなりの被害が出るでしょう。

あるいは、福島第一原発。いまだに原子炉の中には核燃料がたくさん詰まってますし、使用済み燃料プール(移動させたものを含む)も狙い目です。原発反対派が好んで用いる「第二のフクシマ」は、北朝鮮にとっては対日戦略上のキャッチコピーとしては利用価値があるかもしれません。

これらの事例に限らず、それなりの量の放射性物質を扱っている施設であれば、そこが破壊される事態になればどこであっても危険です。最近話題になった原子力機構(茨城県)、あるいは現在フランスから輸送中のMOX燃料もそうでしょうね。

このように、原発そのものが破壊されると仮定した場合、北朝鮮のミサイルの精度や弾頭の種類(通常・核)等の条件をシミュレーションするまでもなく、「一時停止」、「廃炉」といった手段では安全を確保することはできそうにもないということです。

それはつまり、北朝鮮のミサイル問題は、基本的には原子力規制委員会の管轄外の議論ということになります。

‖ 今日は暑いのでこの辺で・・

本来は今回(その2)で終了の予定でしたが、今日は暑いので、これ以上書くのはしんどいですwそのため少し間を置いて、「その3」につづきます。

もちろん私は、どうせミサイルを撃つなら原発より首都圏のほうが良いと考えています。

この種の議論では、「10発打てば1発は当たるだろ!」なんて意見もあるようですが、虎の子のミサイルを「当たるかもしれない」といった不確実な判断で撃つよりは、やはり首都圏のほうが合理的であると考えます。いくらひいき目に原発にミサイルを打ち込まれる状況を考えてみても、なら首都圏のほうが良いだろうと。

しかし、実際にそうなってもらっても困るので、次回は原発・首都圏を問わずに、日本がミサイルを撃たれないための方法について考えてみたいと思います。

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北朝鮮のミサイルは原発より東京に 田中俊一規制委員長の発言は失言ではない その1 

‖ 北朝鮮が日本の原発を核攻撃する?

北朝鮮が日本の原発に核ミサイルを撃ったら大変なことになる、だから安全のために直ちに原発は止めなければならない。そのような論説は私もよく見聞きしますし、実際そんなことが起きたら大変だろうなとは思います。

そのような論説に関連する話になりますが、つい先日、田中俊一原子力規制委員長が福井県の住民との意見交換会で意見を述べたことがきっかけで、ちょっとした騒動になっているようです。

「ミサイル、私なら原発より東京」 規制委員長が発言
2017年7月6日 http://archive.is/r5cLE #朝日新聞

一部抜粋

原子力規制委員会の田中俊一委員長が6日、関西電力高浜原発がある福井県高浜町を訪れて地元住民らと意見交換し、北朝鮮のミサイルの脅威について、「(原発を狙うより)東京都のど真ん中に落としたほうがよっぽどいいんじゃないか」と述べた。「不適切だった」と後に釈明した。



田中委員長は北朝鮮のミサイルについての質問を受けて、記事のとおり、原発より東京都のど真ん中が良いと発言したようで、記者の質問を受けて、田中氏は直後に撤回されたようです。

‖ 私も田中委員長の意見には同感ですが・・w

しかし、私はその必要はないと考えています。実は私も田中委員長の発言に同感で、どうせなら首都圏に撃ったほうが合理的であるという考え方です。

北朝鮮(金正恩)が諸外国、今回の話であれば日本に向けて核ミサイルの発射を命令する時というのは、それは支配体制の崩壊が避けられない状況と考えるのが妥当かと思います。すなわち、軍事的・政治的・経済的、その他あらゆる事情によって金正恩体制が行き詰まり、もはや破滅が避けられないと判断した時、「もうどうにでもなれ!」と。

もうどうにでもなれ、言わば地獄の道連れとしての核攻撃。そうであるならば、やはり原発を狙うというのは確実性に欠けると言わざるを得ません。田中委員長も仰っていますが、北朝鮮のミサイル技術はそこまで精度が高いのかという疑問ですね。

私もこの辺の話は、ミリタリー関連の書籍を数冊かじった程度の知識しかありませんが、そもそも弾道ミサイルはその仕様上、それほどピンポイント的な命中精度が期待できる兵器ではなかったように思います。一般論として、ミサイルはその航続距離の範囲内であればどこにでも着弾可能というようなイメージがあるように思いますが、世の中そんなにうまい話もないのだろうと。

そして、語弊を恐れずに言えば、原発の立地地域は基本的には過疎地です。そのためたとえ原発に命中したとしても、そこから得られる成果(?)は限られます。地獄の道連れなんですから、やるからには盛大でなければ意味がないでしょう。

そのため、多少アバウトでも、やはり首都圏を狙ったほうが効率が良い。北朝鮮は常々、「ソウル(韓国の首都)を火の海にするぞ!」と公言していますが、これが南東部の「コリ原発を攻撃する!」ではイマイチ迫力に欠けるのではないかと思います。

‖ 核攻撃のリスクは原発を止める理由にはならない

冒頭の話に戻りますが、いわゆる「反原発」的な言説としての「核攻撃のリスクに備える意味での原発停止」ですが、こちらの場合は、たとえ原発を動かしていようといまいと、そのリスクは基本的には変わらないと思います。

こちらの場合は、意図的に原子炉を破壊するわけですから、実際には備えようがない。たとえ原発を止めていても、一緒に原発数十基(数百基?)分に相当する使用済み核燃料のプールも粉々になります。使用済み核燃料は放射能の強度や熱量等の問題で簡単には運び出せませんし、それが出来たとしても、運び出した先を核攻撃すれば良いだけのことです。

そのような意味では、こちらも最近の出来事になりますが、北朝鮮のミサイル攻撃に備えて原発停止の仮処分を申し立てたという事例がありますが、これはちょっと筋としては悪いように思います。

原発停止求める仮処分申し立て 北朝鮮ミサイルで被害のおそれ
2017/7/6 http://archive.is/2YnDz #nhk

一部抜粋

北朝鮮の弾道ミサイルによって日本の原発に被害が出るおそれがあるとして、脱原発を訴えている大阪の女性が、福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機の運転の停止を求める仮処分を裁判所に申し立てました。



ここで誤解してもらっては困るのですが、例えば原発の再稼働の是非にかんする議論では、「原発は動いていても止まっていてもリスクは同じ(だから再稼働を)」という意見もありますが、こちらとは全く異なるということです。原発が何らかの事情で冷却手段を失った際、稼働中と既に止まっていて燃料が十分に冷えている事例を比較すれば、後者のほうがはるかに安全です。

その2につづく

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アメリカ・トランプ大統領のパリ協定脱退表明は石油メジャーの陰謀ではない 

‖ かねてよりの公約どおりに

トランプ大統領 パリ協定脱退の方針を発表
2017/6/2 http://archive.is/DjsiJ #nhk

一部抜粋

アメリカのトランプ大統領は地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から脱退する方針を決定したと発表しました。脱退の手続きには時間がかかるものの、世界第2位の温室効果ガスの排出国であるアメリカの温暖化対策が後退し、世界全体の機運にも大きな影響が出ることが予想されます。



地球温暖化対策のためのパリ協定。協定の脱退はトランプ大統領の選挙公約の一つではありましたが、やはりそうなったかというのが率直なところです。トランプ大統領のパリ協定の可否については、2日ほど前から脱退の見通しみたいな報道もあったので、そういう流れになるんだろうなと。

‖ トランプ大統領と石油メジャーの思惑は一致しない

トランプ大統領と言えば、彼が候補者の時から大手メディアから、「石油企業(メジャー)と関係が強いトランプ氏」というような紹介をされていた印象です。実際の組閣では、国務長官にエクソンモービルの前会長のティラーソン氏を据えたこともあって、トランプ政権と石油メジャーの強いつながりを指摘するような論調も少なくないです。

石油メジャーと関係が強いトランプ政権、そして、エクソンモービルのティラーソン。このような材料から今回のパリ協定離脱を考えると、「脱退は石油業界の圧力によるもの」というような想像もできなくもないですが、それは全く違うでしょうね。実際問題として、石油メジャーはパリ協定には残留するべきだというのが総意でした。

エクソンモービル、トランプ政権にパリ協定残留求める書簡
2017.03.30 http://archive.is/7b14r #cnn

一部抜粋

ニューヨーク(CNNMoney) 米石油大手エクソンモービルがトランプ米大統領に対し、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ合意」から離脱しないよう求める書簡を送っていたことが30日までに明らかになった



エクソンやコノコ、パリ協定支持-トランプ大統領は離脱検討
2017/6/1 http://archive.is/sutai #bloomberg

一部抜粋

地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を唱えるトランプ米大統領の考えに対し、世界有数の石油会社、エクソン・モービルとコノコフィリップスは意外にもこれに反対している。



記事のタイトルのとおり、エクソンモービルはパリ協定の残留を求めていたわけです。そして、そもそも先ほどのティラーソン氏にしても、パリ協定は残留支持派のようですね。

一般論としてありがちな、温暖化対策で石油業界が困るという単純な図式でトランプ政権を見ると、今回のパリ協定離脱は業界筋の仕掛けた陰謀と捉えることも出来るのでしょうが、事実関係は全く違うということですね。

‖ 石油メジャーの収益源とその思惑

この辺りの話は藤和彦氏の「石油を読む(第2版、リンク先は最新の第3版、こちらも同様の話題が触れられています)」などが詳しいですが、近年のメジャーの主力商品(稼ぎ頭)は、その伸び率や将来性という観点から考えると、実は天然ガスなのです。

石油は生活必需品とはいえ、温暖化対策という観点から今後は従来のような旺盛な伸びは期待できないとしても、代替エネルギーとしての天然ガスシフト。これが大きいですね。これからのエネルギーの主役は再生可能エネルギーでも原発でもなくて、天然ガスであるという流れから考えると、温暖化対策はメジャーにとっても悪い話ではないのでしょう。

もちろん、メジャーは再生可能エネルギーへの投資も熱心で、特に風力発電事業に力を入れている印象です。

「天然ガスは勝ち組」、35年に石炭を抜くと予想/BP統計
2016/7/18 http://archive.is/8cjJN #ガスエネルギー新聞

一部抜粋

BPは11日、先月公表した「世界エネルギー統計2016」について東京で発表会を開いた。2015年のエネルギー市場を振り返り、天然ガスや再生可能エネルギーを需要が増加した「勝ち組」、石炭を需要が減少した「負け組」に分類した。天然ガスと石炭の需要増減のトレンドは今後も変わらない見通しで、35年頃には1次エネルギーに占める天然ガスのシェアが石炭を上回ると予測する。



このように、メジャーとしては冷徹な市場分析・将来予測を踏まえ、企業価値・利益の増大に日々努力している。そういうことなのでしょう。つまり、石油メジャーがパリ協定を支持することは何ら不思議な事ではないといえるでしょう。

‖ ありがちな石油メジャーとOPECの過大評価

ついでに述べておきますと、特に日本では、「メジャー」が石油の価格決定力に絶大な影響力を保持しているというイメージが未だに根強い印象がありますが、それは全く違います。メジャーが強かったのは50年も前の話で、例えば、「原油価格高騰にメジャーやロックフェラー財閥の影・・」みたいな話は基本的にデマですのでご注意を。

そして、その後に台頭したOPECにしても、現在は力を失っているのが現状です。

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