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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

原発問題:日常的な思考を奪ういくつかの悪習慣 

‖ 非日常的な思考は万病のもと

社会とは日常生活の集合体であるとすれば、そこから生じた問題の解決のためには、やはり日常的な思考・感覚で臨む必要がある・・。

このように考えれば、原発・エネルギー問題もまた、その解決のためには日常的な思考や感覚が求められるわけで、そこに非日常的なものが介在する余地を極力減らすこと。このような姿勢が必要なのではないかと思います。

そういうわけで今回は、原発・エネルギー問題を考える上で、「私ならこういうのはスルー・深く関わらない」といった話です。

‖ 原発反対デモ

「カネより命!」 原発再稼働、京都・滋賀から抗議
2017/5/18 http://archive.is/LFxXH #京都新聞

一部抜粋

停止していた原子炉が、わずか1年余りで息を吹き返した。17日に再稼働した高浜原発4号機(福井県高浜町)。施設周辺では反対派の市民らが激しい抗議活動を展開し、地元や隣接する京都や滋賀の住民からも不安の声が上がった。一方、経済関係者は歓迎や安堵を口にした。
 「原発いらない」「電気は足りてる」「カネより命」。高浜原発の周囲では、京滋など全国から集まった約100人(主催団体発表)が再稼働に対して反対のシュプレヒコールを繰り返した。



このようなデモに参加するようになると、どうしても「カネより命」、「命が大事」、「子供を守れ!」などと言ってしまいがちになるわけですが、やはりこのような「よくあるフレーズ」は、日常的な感覚・思考からはかけ離れたものであると言わざるを得ません。

この話は以前にも述べたとおりではありますが、実社会においては、命の価値はデモの参加者が絶叫するほど高いものではないのです。

もちろん、「命よりカネ」とは言いませんが、この辺のさじ加減を理解できない人向けであれば、あえてそのとおりだと断じても差し支えないでしょうか。

デモという非日常の空間、特殊な環境下で、奇抜な格好で辺り構わず大声で叫ぶ。そこで一般的な感覚からはかけ離れた思考を共有し合い、えも言われぬ一体感を得る。すなわち、内輪ネタが世間の常識であると錯覚してしまうリスク。これがあるので、私は原則、原発反対デモはオススメしません。

断食で再稼働反対訴え 関電本店前で中嶌哲演氏
2017年5月17日 http://archive.is/biSm3 #フクナワ

一部抜粋

原発反対福井県民会議の代表委員で、同県小浜市の明通寺住職の中嶌哲演さん(75)は、15日から大阪市北区の関西電力本店前で断食を行い、関電に高浜原発の再稼働断念を求めている。断食は17日まで3日間を予定している。

 中嶌さんは「福島原発事故の被災者に心を寄せ、抜本的で包括的な救済を願うとともに、若狭で第2の福島を繰り返させてはいけない」と願い、1日3食を抜く断食をしている。



ちょっと余談のような話になりますが、原発反対デモでは「ハンスト(=ハンガーストライキ・断食)」の手法を取るスタイルも流行っているようですが、そもそも、なぜ原発に反対でハンストを行わなければならないのか?ちょっとよくわかりませんね。

それから、ハンストの成功のためにカンパを募るとか、ますます理解に苦しみます。

デモに関連する話で言えば、YOUTUBEやニコニコ生放送、ツイキャスなど。このような動画配信・ライブ中継を介し、デモに間接的に参加する行動も注意が必要です。現場の一体感は、たとえ間接的であっても視聴者の意識に入り込んできます。

‖ 反原発のまとめ系サイト・ネット掲示板・ツイッターなど

まとめ系サイトの弊害については今更述べるまでもないでしょうが、これはジャンルに関わらず、たとえ「反原発」的なところでも問題だと思います。原発問題に便乗して、その実、わけもなく騒ぎ立ててアクセス稼ぎが目的、というところも少なくないです。このようなサイトから「原発の真実」を学んだところで、それを情報強者とは言いません。

そして、まとめ系サイトのネタ元の多くがネット掲示板やツイッターの情報を流用したものですから注意が必要です。個人的には、原発の情報を得るために、たとえば2ちゃんねる等に答えを求めるのは無謀であると思います。

‖ 非日常的な思考を増長させる、エコーチェンバー効果

エコーチェンバーとは、「反響板」というような意味です。こちらの話は今回の話の全てに通じる部分もあるとは言えるでしょうが、特にSNS・ツイッター関連でよく使われる用語ですね。

ツイッター、フェイスブックなどのSNSサービスが顕著ですが、これらはその仕様上、同じような思考を共有する人たちのみでコミュニティーが形成される傾向があります。考え方の異なる人はそもそもフォローやリツイートの対象とはならず、ブロックのような措置も可能ですが、そのような機能の影響もあるのでしょう。

このように、ある意味では「閉じた」空間における共通認識を、同じ思考を持つ仲間内で繰り返し意見を述べ合い、褒め合う。さながら、反響板を設置した部屋でワイワイ騒いでいるうちに、それが世間の常識であると錯覚してしまう。これをエコーチェンバー効果などと言ったりするのですが。

付け加えると、ツイッターの「反原発系」ユーザーは、原発反対に加えて何かと陰謀論やオカルトじみた話を好み、積極的に盛ってくる方が多い印象なので、私は安易に原発に反対だからといってフォローしたりはしないように心がけています。

今回の話をまとめると、原発・エネルギー問題を考える上では、とにかく群れないこと。そして安易にネットに情報を求めない。何事もひとりが一番。そんなところでしょうか。

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民進党は原発ゼロの目標時期にこだわらないほうが良い(補足) 

‖ 原発ゼロの工程表以前の問題

前回、私は民進党は原発ゼロの期間を議論するよりも工程表を作るのが先だという話をしましたが、実はこれすらまだ早いとも考えています。

この辺の話は、先の連載である「『原発反対に右も左もない』とはどういうことなのかについて考えてみる」でも述べたことではありますが、やはり最近の民進党の左傾化路線、社会党化は原発ゼロ社会の実現にとっては由々しき事態だと考えています。

こちらの話は今まで散々述べてきたところなので省略しますが、要するに、原発をやめたければ左翼路線ではダメである、ということですね。すなわち、河合弘之先生が仰るところの、今まで原発に反対してきたのは環境活動家や左翼がかった人たちばかりで、このようなノリの延長線上には、原発ゼロ社会の実現の見込みは無いということです。

もちろんこの話は、世間の少数派に過ぎない「右と左」が共闘することではなくて、本来の圧倒的多数派である中間(中道)的なスタンスの人たちに耐え得る議論の進め方でなければならないのでしょう。

もし民進党が、最近の野党共闘の煽りを受けて社会党的な政党に転身するとすれば、結局は原発ゼロといった主張の類は、一部の左翼的な人たちやその支持者の間で共有される「なかよしクラブ」の域を出ないでしょう。原発ネタで何か起きるたびに、例によって路上で歌って踊って大騒ぎ。もちろん、問題は一向に解決しない。一種のガス抜きですね。

‖ 政治家とデモ・日常と非日常

衆議院議員 長島昭久 「独立宣言」―真の保守をめざして
2017/4/10 http://archive.is/Ox0GG

 「党内ガバナンス」という魔法の言葉によって、一致結束して「アベ政治を許さない!」と叫ぶことを求められ、・・行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。そこには熟議も、建設的な提案もない。与野党の妥協も政策調整の余地もない。



私の最近のマイブームは、先の長島昭久氏の離党会見での一節です。長島氏の仰るように、いやしくも国会議員という立場でありながら、デモ隊に参加して騒いで盛り上がるというのは、これはちょっと常識から外れてるのではないかと思います。

平智之 なぜ少数派に政治が動かされるのか?
2013/7/6 http://bit.ly/2rbS6qh

一部抜粋

  大飯原発が再稼働されるというときに、「現場に来てほしい!」と言われたが、私はそれも行かなかった。では私がその間何をしていたか。「まだ止められるのではないか」と、現地の所長や経産省やエネルギー庁の官僚などに電話をしまくっていた。
 もちろん、再稼働を止められなかったのだから、そのことで偉そうなことを言う気はない。現地に行って、デモ隊に加わって、さらに拡声器でも持てば、それはそれでいいパフォーマンスにはなり、「俺たちの仲間だ」と思われるだろう。選挙だけを考えるのであれば、その方が賢い方法かもしれないが、それが国会議員本来の姿ではないと思う。



長島氏の民進党批判のついでに、以前紹介したことのある平智之先生の著作の一節も思い出しました。

私は以前から、政治家がデモに参加することは好ましいことではないと考えていましたが、これは平先生の影響も大きいですね。引用したついでにまた今度読み直してみようかと思います。それから、こちらの著作はブログの読者の方にもオススメです。

私は当ブログで度々「デモ」を批判してきましたし、できればこのようなところには参加するべきではないと考えます。

デモというのは、良くも悪くも「非日常」の空間です。日常の風景、すなわち日常的なルーチンワークをこなす人たち。例えばスーツ姿のビジネスパーソンや学生さん、家事に勤しむ主婦の皆さんなどをよそに、路上でなにやらわけのわからない気勢を上げ、怒鳴り散らし、ライブパフォーマンスに精を出す。・・ついでにカンパもちょうだいなとw

デモの弊害の一つとしては、このような現実離れした環境に慣れ親しんでしまうことです。つまり、デモの環境こそが多数派であると錯覚してしまうおそれもあるでしょうね。本来は少数派に過ぎないデモの常識が世間の常識。これは以前の、ネットに入り浸ると世間が右翼と左翼しか存在しないと錯覚しがちになるとか、そういう話と似ているともいえます。

そういう意味では、政治家とデモの組み合わせは最悪かもしれませんね。

政治というのは、突き詰めれば日常を差配する仕事とも言えるでしょうし、それに携わる人が非日常の空間に入り浸っていると、リアルな日常に対する感覚が鈍ります。非日常の住人、ある意味、デモを生業とする活動家であればそれでもいいのでしょうが、政治家が活動家になってもらっては困ります。

というわけで、民進党は原発ゼロの工程表を作る前段階として、まずはとりあえずまともな中道政党を目指すこと。そしてその第一歩としてデモを卒業すること。こんなところでしょうか。

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民進党は原発ゼロの目標時期にこだわらないほうが良い 

‖ 原発ゼロは2030年代か、それとも2030年か

「脱原発」巡り…蓮舫代表、連合と関係修復
2017/4/21 http://archive.is/zhFEl #ytv

一部抜粋

 民進党の蓮舫代表は21日朝、「脱原発」を巡る意見対立から関係修復が課題となっていた最大の支援組織「連合」の神津会長と会談した。

 会談の中で蓮舫代表が「今後も協力してやっていきましょう」と呼びかけたのに対し、連合の神津会長も7月の東京都議会議員選挙や次の衆議院選挙での支援を改めて約束したという。



民進党と党の最大の支持組織である連合。両者で原発ゼロの期限を前倒しするか否かでいろいろ揉めているという話が、私の知る限りでは今年の2月頃からありました。

「政権担当力に逆行」=神津連合会長、民進の脱原発前倒し批判
2017/2/21 http://archive.is/ezWDk #時事通信

一部抜粋

連合の神津里季生会長は21日、時事通信のインタビューに応じ、民進党の蓮舫代表が脱原発の目標時期を現行の「2030年代」から「30年」に前倒しを検討していることに対し、「政権担当能力がある政党と見てもらえることが望ましいが、逆行するものだ。本当に政権を取るつもりがあるのか」と厳しく批判した。



そして、やはり連合は原発反対派からの評判が悪く、「民進党は原発推進の連合を切るべき(関係を解消)である」というような主張も少なくないようです。

しかし、連合はガチガチの原発推進の組織なのかといえば、私の印象では必ずしもそうではないと思いますし、例えば下記のような記事も一応参考になるのではないかと思います。

「連合」は誰の味方なのか 神津里季生会長に聞く
2016/12/26 http://archive.is/3DhXC #時事通信

一部抜粋

原発については、福島の原発事故のあと、2012年9月に連合として考え方を一本にまとめました。
まず将来的、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指していく。エネルギー政策では、生活者の視点を第一とする。その考え方の下に、すべての産別が連合としてまとまり、原発への依存度を下げていく。



‖ 今は期限を切る段階ではない

原発反対派としては「2030年ではなく即時ゼロだ!」と騒ぎ立てるところだとは思いますが、私としては2030年であるとか即時であるとか、そのような話にはあまり興味が無いのです。

私も一応は原発に反対なのですが、やはり原発をやめるのであれば、それなりのロードマップ(工程表)のようなものが必要になってくると考えています。

原発というのは結局のところ、限りなく国内要因、端的に言えば惰性・しがらみで推進されているわけですから、これを即時ゼロにするのは相当困難です。おそらくそのことを世論も理解しているので、総意としては原発に反対でも、即時ゼロはどうにも評判が悪い。そうであれば、やはり次善の策を講じる以外にはないのでしょう。

原発の次善的なたたみ方として、どのような方法が望ましいのか。例えばドイツ型であれば一部の原発を先行的に廃炉にして、一定の原発は活用して段階的にフェードアウトしていく。これを日本に当てはめれば、東京電力と中部電力の原発だけを廃炉にして、他はやぶさかではないとか、いろいろ考え方はあるのでしょう。

そして民進党ですが、この政党は民主党政権時代から「2030年代原発ゼロ」を掲げてはいるものの、一体どのようにしてゼロにするのかという具体的な考え方がほとんど見えてこないというのがあります。もちろん全くないというわけではないのですが、せいぜい省エネや自然エネルギーを増やすとか、そんな程度のです。

民主党政権では、「原発の新増設は認めない」というような話がありましたが、例えば青森県の六ヶ所再処理工場や大間・東通(東電所有)原発、島根県の島根原発3号機。このあたりは既に建設が着手されたものであるとして新増設ではないとして容認したわけですが、民進党は2030年代、前倒しして30年にするとして、これらの施設をどのように片付けるのか。

あるいは核燃料サイクル。民主党・野田政権では、原発ゼロと核燃料サイクルの推進という、ある種の欠陥を抱えた「革新的エネルギー・環境戦略」を閣議決定したわけですが、先ほどの「惰性・しがらみ」の話で言えば、原発も核燃料サイクルもやめてしまうと青森県との約束に齟齬が生じてしまう。それでも2030年にこだわるのであれば、この辺の補償問題をどう考えているのか。

‖ うわべだけの期限を議論するより工程表を示すべき

このようなわけで、私としては2030年代や30年といったうわべだけの話には興味が無いですし、このようなものは結局は選挙向けの、中身のないスローガンみたいな話だと思います。先ほど私の疑問についても、民進党としてはおそらく「政権交代してから考えます」といったところでしょうし、仮にそうなったとしても破綻するのは目に見えています。

民進党は、民主党時代の「革新的エネルギー・環境戦略」を批判的に総括した上で、どのように原発ゼロ社会に近づけていくのか。閣議決定から5年近くも経つので、いい加減、もう少しまともな提案が欲しいところです。仮題を放置したままで、いまだに原発ゼロ=太陽光や省エネでは、有権者をバカにしているのと同じです。

問題の解決のためにスケジュールが多少遅れるというのであれば、それこそが現実に即した原発ゼロの工程表ということで、私としては逆に評価したいと思います。

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「原発反対に右も左もない」とはどういうことなのかについて考えてみる その4 

‖ 現状では原発推進の自民党が最も原発ゼロ社会の実現に近い

これまでの話を踏まえると、これは皮肉な話ではあるのですが、原発をこれからも続けると言っている自民党こそが、実は最も原発ゼロ社会の実現に近い位置にいる、と言っても良いのだろうと思います。

現実に政権を担っている自民党が原発を推進している以上、その気になればもちろんゼロも可能でしょう。小泉純一郎氏が常々、「自民党が変わるのが(原発をやめる)一番早い」と仰っていますが、それは確かにそのとおりだと思います。

もちろん、現状安倍総理が「今日(明日)から原発をやめます!」と宣言する見込みはほとんどない(というより、ゼロw)でしょうし、いくら政治的な意味で「近い」とはいえ、それは現実的な話ではないのでしょう。

断っておきますが、前々回の辺りから、私は、自民党は「政治の基礎体力がある」とか「バランスが取れている」とか、あるいは今回のように「原発ゼロに近い」等と述べてきたわけですが、これらは別に、私が自民党を応援しているとか、そういう意図ではまったくありません。

これまでの連載にお付き合いいただけた方であれば、「お前は安倍信者だろう!」みたいに変な誤解はされていないとは思いますが、一応念のため。

‖ 第二の道は「政権交代」だが・・

安倍総理・自民党は原発をやめる気はサラサラないし、他に手段があるとすれば、例えば「政権交代」ということになるでしょうね。

河合弘之 原発訴訟が社会を変える 集英社新書
2015/9 http://goo.gl/Nud7QB

一部抜粋

 「脱原発」のためにできることは、他にもあります。国政選挙で自民党以外の脱原発候補に投票して、民意を無視して原発の再稼働に突き進もうとしている自民党を痛撃することです。



しかし、世の中「原発ゼロ」だけ、いわゆるシングルイシューで政権交代が起きるのかと言えば、それはそんなに甘い話ではないですね。現実は原発即時ゼロでは即時落選。だいたいそんな結果にしかなっていません。

やはりここで大事になってくるのが、以前から再三述べてきた「政治の基礎体力・バランス感覚」なのだと思います。

エネルギー安全保障を考える上でも、特に外交・国家安全保障の論点は避けては通れない話なのですが、いわゆる「反原発活動家」は、この辺に致命的な欠陥を抱えているというのは、これも以前から指摘してきたとおりです。

これは私の記憶違いかもわかりませんが、2011年の原発事故直後、連合の古賀伸明会長(当時)が、「世論がそんなに原発に反対していたのなら、社民党や共産党が政権を取っていたはず」というような話をしていました。

社民党共産党が原発に反対してきたという話は一般論としては正しいが、歴史的には全くの誤り(反原発活動家の多くが左翼がかっているのでそう見えるだけ)であるという話はさておき、体力の無い政党の主張は、現実の政策に反映される可能性は低いです。仮に両党が「反原発の元祖」であったとしても、有権者の支持は得られなかったと思います。

ならば民進党はどうか、ということになりますが、この政党も最近の「市民連合」の影響か、野党共闘のスローガンのもと、自らの政治の基礎体力を急速に低下させていっている印象です。

私は政局ウォッチャーではないので詳細はよくわからないのですが、1年くらい前でしょうか。気がついたら「野党は共闘」という理念を掲げる市民連合という組織が出てきて、知らないうちに民進党がその影響下に置かれてしまっているのです。

しかしこの市民連合は、私には共闘というよりも「民進党の解体(社会党化)」が目的のようにも映ります。

原発反対派では市民連合の支持者も大勢いるわけですが、例えば彼らのツイートを見てみますと、「民進党から右翼・極右の議員を叩き出せ!」みたいな話で盛り上がっているわけです。

つい先日の長島昭久氏の離党についても、市民連合の指南役を務める山口二郎(法政大学教授)氏は、「歓迎すべきだ」とご満悦。執行部との考え方の違いから代表代行を辞任した細野豪志氏にも攻撃的なツイートをしています。

実は長島氏も「叩き出せ!」としてリストに上がっていた議員の1人で、他にも先ほどの細野氏もそうですし、前原誠司、岡田克也、松原仁、渡辺周、馬淵澄夫・・。このような方々も市民の皆さんの標的になってます。

それから、こちらもつい先日の話になりますが、「ネットがつらい」として市民連合に相談を持ちかけた野田佳彦氏。なんだか相談する相手を間違えているような。実は野田氏も・・w

そして、彼らの言動や行動がかなり過激といいますか、これは長島昭久氏が仰るところの「不寛容なリベラル」そのものだと思います。先ほどの右翼の基準にしても、自分たちが気に入らないからというような感じで、「左から見たらみんな右翼」というようなノリに近いですね。

民進党の社会党化。この件は私の個人的な印象・・で収まる話というよりも、実際問題として、既にいろいろな方面からそのような指摘があるわけです。55年体制に逆戻りとか、与野党のプロレスとか(プロレス団体に失礼ですが)。

もしそうなれば、自民党が政治を進め、野党はガス抜き役としてとにかく騒ぐだけ。当然そこには建設的な議論や政策提案は無い。長島氏の言葉を借りれば、行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。そんな時代が今後常態化するということでしょうか。

‖ 世論動向に適した原発反対政党は今のところ存在しない

先にも述べたとおり、私の見立てでは、世論は右でも左でもない中道政党を支持し、当然そこには政治の基礎体力・バランス感覚が前提となっている。要は何をするにも最低限、一定程度の常識が必要だという話です。

そしてこの枠内であれば、世論も「原発ゼロ」にも乗って来ると思います。場合によっては「即時」もあり得るかもしれません。

ところが現実の野党はどうなのかと言えば、全体的には自民党を「極右政党」と規定して、とにかく左に舵を切っている印象ですね。「右翼対左翼の最終決戦」みたいなw

もしも、自民党と同様な「右でも左でもない」野党が力をつければ、そこでは原発ゼロ政策も生かされる(差別化)でしょうし、仮に政権交代が現実味を帯びてきた場合は、自民党は自らの生き残り策として原発を放棄するというシナリオも起こり得るかもしれません。この場合、自民党が生き延びて原発ゼロになる「第三の道」ということになるでしょうか。

たしかに、世論の7割8割は原発に反対とはいえ、かと言って政治や思想信条は右でも左でもない。

そのため、世論は反原発の活動家に見られがちな「底抜けな平和主義」には与しない。もちろんそれは極右とか軍国主義といった話ではまったくなくて、その真意は「平和主義ではない平和主義」である。

そして、現状ではそのような意見の受け皿となり得る政党が存在せず、それは当面成立する見込みもなさそうである。

すなわち、野党の政治の基礎体力が整わない間は、とりあえず原発は安泰。そういうことなのだろうと思います。

- おわり -

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「原発反対に右も左もない」とはどういうことなのかについて考えてみる その3 

‖ 分類上、自民党は保守政党だが・・

前回、私は「自民党は中道政党」と述べたわけですが、例えば政治学の入門書などを見てみますと、自民党は「保守政党」と記述されてる場合が多いですね。そして、当の自民党の議員も、「我々は保守の政党である」と仰っている。そういう意味では私の見立ては定義上は誤りと言えるでしょう。

しかし、これは厳密に言えば誤りとしても、一般論としては妥当な見立てだと思っています。

実際に、戦後の自民党は、保守政治を掲げながらも、医療・福祉や分配政策など、左派・革新系が主張する政策を常に先取りして実行してきた(日本は世界で最も成功した社会主義国という話も)わけですから。このような話は、先の「政治学入門」的なテキストや、あるいは各種教養講座などを通して、一般的に共有されていると言えるでしょう。

それを踏まえて、あえて自民党を保守とするならば、中道保守(穏健保守・右派)といったところでしょうか。なので、自民党を「中道政党」と言い切っても差し支えはないのだろうと思います。

‖ 右から左までを「目盛り」で考えてみる

右と左、保守と革新。これらの考え方の違いを簡単な目盛りで表すとすれば、それは、私であれば「0から10」までの図でイメージします。これは0に近いほど左、10に近いと右です。

これを踏まえて、前回と同様に、外交・安全保障の領域であれば、私としては下記のような見立てになります。

例えば自民党であれば、私は中道(右派)と定義しますが、これはもちろん、日米同盟を基軸とした専守防衛。国際的な環境の変化に対応し、安全保障体制の見直しを考える。かと言って軍事大国・核武装までは踏み込まない(と言うより出来ない)ので、「6」ないし「6.5」です。

次に、いわゆる左派と呼ばれる政党であれば、日米同盟は見直しと言うか破棄の方針。よく「話し合い」や「○○は人殺し~」というように、そもそも安全保障に理解があるのかどうか疑わしい発言も目立つ。一言で言えば非武装中立。よって「3」です。

ちなみに、右で「8」を超えるくらいになると、これは「極右」の領域ですね。予算や国際関係等を一切無視して、軍事大国・核武装に邁進する。あるいは軟弱とみなした政権を青年将校がクーデターを仕掛けるとか、私が想像する「保守」のイメージはこのあたりです。

それから、左で「2」より小さくなると、これは「極左」です。いわゆる暴力革命路線。政財界の要人暗殺や一般市民を巻き込んだテロ等。政権党としては、アメリカ(資本主義・帝国主義)に対抗するためには重武装・核武装も辞さない。

私の認識では右も左も度が過ぎれば暴力的で手に負えなくなるわけですが、実際問題として、今時こんなことを真面目に考えてる政党というのはおそらく存在しないでしょうし、そもそも有権者はほとんど相手にしないと思います。

それでは民進党はどうなのかと言えば、こちらはネットでの評判は何かと酷い感じ(w)なのですが、私としては中道?なのですね。

民進党と言えば、旧民主党政権下の最初期(鳩山政権)の頃は、「日米中正三角形(等距離外交)」という主張がありましたが、おそらくこの時がど真ん中で、「5」であったと思います。

しかしこれでは日米関係がうまく機能せず、世論の反発も起きたということで、そのスタンスをやや右寄りに修正し、菅・野田政権を通して「5.5~6」くらいになったのかなあと。

‖ しかし、今の民進党はわからない

先ほど、民進党は中道?と述べたわけですが、最近の「野党共闘」という話になってきてから、そのスタンスを急進的に左に向けているのではないのかと、どうもそんな気もします。

例えばアメリカ・トランプ大統領と安倍総理の日米首脳会談。いわゆる「ゴルフ外交」です。ここで蓮舫代表がゴルフはけしからん(ニュアンスとしてはおそらく属国・朝貢外交)みたいなことを言って安倍総理を批判したという話です。

一応、蓮舫代表は同盟の継続が確認されることは評価するとも述べていたのですが、どうにも揚げ足取りみたいなところはみっともないと言いますか。

なにしろトランプ大統領は、選挙期間中、日本(韓国)の核武装を容認するなどの常識外の発言を繰り返していたわけです。そこで日本の総理としては、当然その真意をただし、問題箇所の軌道修正を図る。そのような意味で親睦を深めるという外交手法は妥当であると言えるでしょう。共通の趣味から会話が生まれるというのは実社会でもよくある話です。

民進党の左傾化、あるいは社会党化の兆候は他にもいろいろあります。「ジャイアンとスネ夫」なんて話もありました。その他、報道等の情報を見聞きすると、やはり外交・安全保障面では以前より軟化の傾向なのかなと。そのうち某政党みたいに「アメリカ言いなりの政治をきっぱりと断ち切るべきです!」なんてことになったりしてw

つい先日の話であれば、長島昭久氏が離党を表明(本日離党届を提出)したという話もありました。これは既に、私のような外野の側による「気がする」程度の話ではないということなのでしょうか。

先ほどの目盛りの話で言えば、今の民進党は既に「5」に近く(あるいは若干割り込んだ)、今後も党内の保守系と言われる議員の離党が続くようになると、限りなく「3」に近づいていく。そんな印象です。

‖ 有権者が丁度良いと感じる数値(=政党)は?

前回の話の通り、私としては世論は中道政党を好むと思っていますし、すなわち目盛りで言えば5.5~6弱の幅くらいが丁度良い。そんな印象なのです。

自民党が支持されるというのは、やはり政治の基礎体力・バランスがそれなりに備わっているからなんでしょうね。

さて、現状、自民党以外で政治の体力とバランスを兼ね備えた政党が存在するのかと言えば、それはおそらく無いんじゃないでしょうか。

どうもにこの辺が、連日ワイドショーを賑わす閣僚や議員の失言や暴言、スキャンダル(?)が続いても、その割に内閣・政党支持率が落ちない(逆に上がったりw)理由なのかなと。私もツイッターで「これで内閣が吹っ飛ぶ!」なんてツイートをよく見ますけど、「そんなバカなw」って思いますもの。

・・いや、もちろん私は困りますよ。だって、自民党は原発をやめないじゃないですかw

その4につづく

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