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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

北朝鮮問題と「ニュークリア・シェアリング」という名の都市伝説について少し考えてみる(補足) 

‖ ニュークリアシェアリングに対するまともな反応

自民党・石破茂氏に端を発した、唐突ともいえる「ニュークリア・シェアリング」論。これに対して自民党内の一部の議員はともかくとして、政府の反応は総じて否定的です。

石破氏「核配備」発言が波紋=自民に賛否、公明・野党は反対
2017/9/6 http://archive.is/otPLM #時事通信

一部抜粋

北朝鮮の核・ミサイルへの抑止力強化の方策として、石破氏は日本政府が堅持してきた非核三原則の見直しを促した形だが、政府や公明党、主要野党は見直しに否定的だ。ただ、自民党内の一部には石破氏に同調する声も上がっている。

・・

 これに対し、菅義偉官房長官は7日の記者会見で「政府として非核三原則の見直しはこれまでも議論しておらず、今後も考えていない」と明言。公明党の山口那津男代表も会見で「国是は変えてはならない」と訴えた。

 自民党で「ハト派」を自認する岸田文雄政調会長は記者団に「米国の核抑止力に不備があるとは考えていない」と強調し、三原則を見直す必要はないとの認識を示した。



外相 非核三原則の見直し議論を行う予定ない
2017/9/8 http://archive.is/uBDQl #nhk

河野外務大臣は、自民党の石破元幹事長が非核三原則について、抑止力として機能するのか議論すべきだという考えを示したことに関連し、アメリカの抑止力は有効に機能しており、政府として、非核三原則を見直す議論を行う予定はないという認識を示しました。

・・

これに関連して、河野外務大臣は閣議のあと記者団に対し「トランプ大統領やティラーソン国務長官など、あらゆる段階で日米は100%ともにあると繰り返し言っているので、アメリカの抑止力は極めて有効に働いている」と述べ、核戦力などあらゆる軍事力で同盟国を守る『拡大抑止』を含む抑止力は、有効に機能しているという考えを示しました。



2番目。北朝鮮が核・ミサイル開発等で挑発行動に出る度に、日米間では「日米安保条約第5条が適用される」、「あらゆる手段で日本を防衛する」という主旨のコミットメント(約束)の再確認が行われるのが定番です。この辺りは日米双方で当然理解していることなので、頻繁に再確認する必要があるのかな?とは思いますが。

とはいえ、このような状況で、唐突にニュークリアシェアリングを議論するべきというのは、これはハッキリ言えば利敵行為、あるいは危機に便乗した売名行為としか言いようがないです。しかも日本に戦術核兵器を配備することで北朝鮮に対する抑止力が高まるなどと、全く見当外れな話です。

‖ それでももう少しニュークリアシェアリングについて考えてみる

話題の「ニュークリアシェアリング」は全く意味を成さず、実質的に日本は既に、上位互換の戦略核兵器のニュークリアシェアリングを導入している。この話はこれで終わりと言ってもいいと思います。しかし、話のついでということで、前回と少々被るところもありますが、もう少しこの辺について考えてみたいと思います。

どうも「ニュークリアシェアリング(=核の共同保有)」という響きやイメージだけで考えると、これは親切にもアメリカが、地球上どこにでもフリーハンドで撃てる戦略核をプレゼントしてくれるというような、そんな常識外れの「裏ワザ」であるかのような錯覚を覚えている方が案外多いのではないかと思います。

長島昭久‏@nagashima21
2017/9/6 http://archive.is/sCIls

うーん。日本が保有するミサイル防衛システムなど拒否的抑止力に加えて(報復戦力による)懲罰的抑止力の必要性を議論する時期が来たとは思うが、報復核攻撃の意思決定はあくまでワシントン次第だから、米軍の戦術核を日本に配備しても米本土に配備された戦略核でも抑止効果は変わらないと思うのだが。



このあたり、先日民進党を離党した長島昭久氏は、さすがに安全保障に詳しいということもあり、与太話には引っかかりませんね。

それにしても民進党は惜しい人を逃してしまいました。「不倫バレた、日本死ね」みたいな方が離党するのとは全く異なります。

ニュークリアシェアリングをオススメしている方は、NATOでの事例から「日本も導入するべき」と仰るわけです。しかし、これが戦術核で最終的な判断はアメリカにあるとか、そのような大事な話を全く考慮に入れてなかったりするのです。そして、これによってドイツやイタリアなどの安全保障が担保されているとか、そういう話でもないです。

その上で、先ほどの「裏ワザ」的な妄想に耽る。これこそが最新の安全保障論、リアリズムであると。

こんなバカげた話を著名な大学教授から政治家まで、案外信奉している方(2ちゃんねるなどで「真実」を知るパターンもw)が多いので、日本はまだまだ平和であるということですねw

長島氏も指摘されているとおり、アメリカの核戦力は、今やアメリカ本土やSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)などから、その気になればどこにでも即時かつ正確に攻撃が可能なので、わざわざ日本に配備する意味もありません。日本に配備しようとしまいと、アメリカの核抑止力が世界最強であることは誰もが理解していることです。

それでも、たとえ戦術核であっても手元にあるだけで国民的に安心ができる(?)というような意見もあると思いますが、どちらにしても最終的な判断はアメリカが握っているわけです。結局こちらも、日本に配備しようとしまいと全く同じということです。

あるいは、NATOとはまた違った形のシェアを模索するという考え方もあるでしょう。しかし、たとえそれがどんな形であってもフリーハンドはありえません。これを許してしまうと、提供国の意図と違う形で核兵器が使用される、あるいは脅迫(ニュークリア・ブラックメール)に利用されるおそれがあり、これはこれで大変危険ですから。

そして最初の話に戻りますが、日本は既に、日米同盟によって戦略核兵器をシェアしている状態です。それなのになぜ、それよりもはるかに劣る話が脚光を浴びるのか。全く理解に苦しみます。

‖ 非核三原則は既に死文化している

前回、このような話(ニュークリアシェアリング)が出てくると、日本国内では感情論的な批判に終始しがちになる(それが残念であるという意味)とも述べたわけですが、案の定、朝日新聞がそんな社説を発表しています。

社説 北朝鮮問題、どう向き合う 非核三原則の堅持こそ
2017年9月8日 http://archive.is/KjLiP #朝日新聞

一部抜粋

核実験をやめない北朝鮮の脅威にどう向き合うか。自民党の石破茂元防衛相が、非核三原則の見直しに言及した。
 「米国の核の傘で守ってもらうといいながら、日本国内にそれ(核兵器)は置きません、というのは本当に正しい議論か」
 問いに答えるなら「正しい議論だ」と言うほかない。

・・

脅威に便乗するような強腰の主張が、地域の安定に資することはない。求められるのは、非核三原則や専守防衛といった日本外交の基軸を守った冷静な議論である。



日本は既に戦略核兵器をシェアしている。このような事実に照らせば、実は国是とされている非核三原則(ただし、法的な根拠はない)も、実質的には意味を成していないことがわかります。

非核三原則。すなわち、核兵器を「持たず」、「作らず」、「もちこませず」。確かに冷戦時代は3番目があいまいであったことは事実としても、それを考える必要もありません。

なぜなら日本は、「持たず」、「作らず」、「持ち込ませず」して、実質的にはアメリカの核兵器を保有しているのと同じであるからです。すなわち「日本株式会社」は、一種のファブレス企業(工場や商品を持たない)として核兵器を製造し、保有している。そのようなイメージです。

誤解されては困るのですが、唯一の被爆国として非核三原則を堅持するという国是は国民的にも広く支持されているので、私としてはこれを無くせという意図は全くないのです。つまり論点整理、表向きと現実は異なるという話ですね。

‖ 原発・エネルギー問題を学べば学ぶほど・・

何といいますか、私が福島原発事故を契機に原発・エネルギー問題を勉強するようになって、そこから得られたものというのは、結構多いように感じます。

核の平和利用と軍事利用は表裏一体。平和目的であれ軍事目的であれ、その線引きは政治的なものにすぎない。すなわち、「原発=核兵器」と定義することも一応可能ではあります。

このあたりの論点を調べていくと、核兵器であれば、どうにも賛成・反対派双方がおかしなことを言っている事が多く、それがなぜか通用している場面が多いなと。例えば今回のニュークリアシェアリングと、それに対するリアクション。私から見れば、双方の主張がまともであるとは到底思えません。

まともでないのは原発もそうで、こちらも推進・反対で色々おかしなことを言い合っている。そんなところを当ブログでも度々述べてきたわけです。

別に私がまともであるということを主張したいのではなくて、勉強してみて率直な感想がそうであるということですwまともであると言い切る自信がない立場から見ても、核を巡る議論は軍事・平和利用、これらの推進・反対双方でまともじゃないです。

これらの問題について、より理解を深めていく上でも、この頃は涼しくなってきましたので、そろそろ勉強を再開したいと考えています。

- おわり -

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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