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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発のヒーロー 小出裕章先生は北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しているのか? その3 

‖ しかし、小出先生が北朝鮮シンパとは思えない

以前から、小出先生は実は北朝鮮シンパではないのかという批判が一部であったことは事実です。「小出は日本には厳しく(核武装の可能性を危惧)、北朝鮮には甘い」みたいな。今回のメールの内容も、たしかに読み手によってはそのような印象を受けても仕方がないようにも思います。

しかし、小出先生が北朝鮮シンパであるというのは、私としてはちょっと考えにくいのです。

小出裕章 京大原子炉実験所助教「科学者の「願望」だけで事実は決まらない」
2012.01.16 https://archive.today/nD6Ir #京都大学新聞社

一部抜粋

-政府のみならず、かつては「反体制」に括られるようなマルクス主義においても「科学の進歩」という観点から、平和利用を肯定していたそうですが…

その通りです。マルクス主義というのは生産力の発展によって共産主義が達成できるという考えに基づくものですから、・・そうなると、核でも何でもいい、と。・・日本共産党という党は、今でこそ原子力に反対すると言ってくれているのだと思いますが、元々は原子力発電推進の側でした。「今の原子力発電は、支配者のための発電になっているから反対」と言うだけで、原子力そのものについては推進派だったのです。・・そういう意味でいえば、私の考えは元から日本共産党のものと違うし、広島・長崎で核兵器反対運動をやっている人たちに対しても、ずっと異議を持ち続けて行動してきました。



当ブログでも以前に何度か述べてきましたが、日本の原子力の歴史上、一貫して原発に反対してきた政党など存在しません。したがって、一貫性を主張する政党及び党員は100%ウソツキです。そして、ウソに騙されて一貫してると思いこんでいる支持者の方々は被害者です。

福島原発事故を機に、「一貫して原発に反対」、「反原発の元祖」等とされている日本共産党もまた例外ではありません。実は一貫して反対どころか賛成でした。私などは、共産党は体制側(与党・自民党政権)とは全く異なる論理で原発を推進してきたので、「左の(赤い)原子力ムラ」などと分類しているわけですがw

共産党は過去を顧みず、とにかく一貫性・無謬性(=むびゅう・誤りがないこと)を強調する傾向が強いです。「我々は一貫して正しい・常に正しい」ことを言いたいが為に、例えば過去と現在の発言の矛盾・変化について説明することはありませんし、場合によっては過去を捏造することすら厭いません。

私がこんなことを述べたところで、「うんうん、そうだよね」と頷くことが出来る反対派の方は極めて少ないと思います。大半は「原発反対派を分断するのが目的!」、「反共主義者の妄想乙w」等と怒り狂い、ヘイト野郎などと声を荒げるだけでしょう。

あるいは、例えば原発推進の保守を自認して、「原発反対は左翼、共産党」みたいな言い回しを好まれる方にも不都合が生じます。今まで俺達は一体誰を相手に批判してたのだと、自己嫌悪に陥ります。

しかし、この件、どちらにしても私のほうが全面的に正しいので仕方がありませんw

ちょっと前置きが長くなりましたが、共産党と原発(原子力)についての歴史的な経緯、予備知識をおさえていれば、先の京都大学新聞の記事の内容にも違和感を感じることはないと思います。

要するに、小出先生は党派性・イデオロギーで物の善し悪しを決めるような原発(核兵器)反対ではなくて、真っ向から反対する立場です。かつての共産党は、そのような方々の存在が気に入らなかったので、小出先生を含め、「反原発」、「脱原発」といった動きに対して非常に敵対的な行動を取ったわけですが。

記事の内容について一つ。小出先生は共産党に対して、「今でこそ原子力に反対すると言ってくれているのだと思いますが、・・」と仰っていますが、これは怪しいと見るべきだと思います。何しろ共産党は、先の傾向のとおり、朝令暮改なところがあります。

「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」

こちらは小出先生が好んで用いるフレーズです。元ネタは元ドイツ大統領・ワイツゼッカー氏に由来しますが、ご存じの方も多いのではないかと思います。

その他、原発事故後の党の見解や所属の国会議員の言動等を注意深く見ていると、どうにも腑に落ちない点も多いです。過去の国会質問から「事故を予見していた」とされる吉井英勝氏にしてもそうであることは以前にも述べたとおりです。

ともかく、小出先生はイデオロギーにとらわれた反核(原発)論者ではない。となれば、「原子力の平和利用は社会主義でのみ行える」とか、「社会主義の核保有は防衛目的(いわゆる「キレイな核」)」というような考えではない。したがって、小出先生は北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しているわけではないのだろうと思います。

‖ とはいえ、やはりメールには不可解な点も多い

しかし、今回の小出先生のメールを読んでみると、どうにも不可解な点が多いことは確かです。黒鉛炉と軽水炉の熱出力を比較して、100倍の差があると説明する無理筋。あるいは北朝鮮は核兵器を作れない・作れたとしても少量であるみたいな話なので、やはり特別扱いしているのではないか。そんな疑念は払拭できないと思います。

米国は気に入らない国があれば、地球の裏側までも攻め込んで政権を転覆させる国であり、米国を相手に戦争中である国はハリネズミのようになるしかありません。俺は強いんだぞ、攻撃してくるならやっつけてやるぞと言うしかありません。



あるいはこのような部分がそうですね。とにかくアメリカは悪い国だから、北朝鮮は自衛のために核・ミサイルでハリネズミのようになるしかない。これでは以前に共産党やその支持者の方々が主張していた、社会主義国の核保有の正統性論と同じ轍を踏むことになると思います。このような話を嫌っていたのは、小出先生ご自身のはずです。

問題は、そんなことではなく、朝鮮半島の分断を終わらせ、平和を回復することです。お互いに敵を威嚇することなどやってはいけません。



北朝鮮が核・ミサイル開発を進める理由は、私は小出先生の立ち位置とは違い、中・露・北の接着剤の役割(常に中露を味方につけ、利用するための保険)という考え方です。その上で、アメリカと同盟諸国に揺さぶりをかけ、経済支援を得たい。言わば打ち出の小槌としての核。そのような意味もあると思います。もちろん核は手放しません。

しかし、物事をもっとシンプルに考えれば、当然、南北統一。すなわち侵略目的のための核という考え方。北朝鮮側にそのような意図がまったくないと考えるのは、これはかなり人が良すぎるというものでしょう。

現在の北朝鮮にはそのような国力は到底無い(核・ミサイル開発の一点豪華主義的な政策)としても、仮に今後、日米韓を中心に、各国が北の核を恐れて、恒久的な体制保証・手厚い経済支援を約束した場合。そして、それらの成果が実を結んだ暁にはこの限りではないでしょう。

メールの内容や以前の論文等から考えると、小出先生は、北朝鮮が核兵器を作れない(持っていない)ことを信じたい上に、侵略の意図など全くない善良な国家、むしろ被害者側であると信じたい。すなわち、二重の意味で「信じたいものを信じる」心境に陥っている。そのような印象なのですが。

それから、先程取り上げた「ハリネズミ」の箇所ですが、こちらは見方を変えればさらに危ない側面もあると思います。

その4につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: ニュース  ジャンル: ニュース

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