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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録11 - 泉田裕彦元新潟県知事 - 

‖ 「反原発」の泉田氏が裏切った・・!?

先月の下旬の話になりますが、原発反対派とされている泉田裕彦元新潟県知事が、次期衆議院選挙に自民党から出馬という記事がありました。

原発慎重派・泉田裕彦氏「与党内から働きかける」“変節”を否定「再稼働議論より検証と総括」
2017/9/29 http://archive.is/yPfyk #産経新聞

一部抜粋

自民党県連が公認申請を見送り、党本部に判断を委ねる異例の事態の末、衆院新潟5区の同党候補に公認された新人で前知事の泉田裕彦氏(55)は29日、長岡市東坂之上町の長岡グランドホテルで記者会見した。知事時代に東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働に慎重だったにもかかわらず、再稼働を進める同党から出馬する理由について「政権与党の中から働きかけないと県民の生命や財産は守れない」と述べ、矛盾はないとの考えを示した。ただ、再稼働の是非については明言を避けた。



まあそのようなわけで、記事にも書かれているとおり、原発反対派からは泉田氏の行動を変節・裏切りと批判する声が聞かれています。

しかし、私から見れば、反対派による泉田氏批判というのは、ちょっとおかしいと思うのです。

‖ そもそも、泉田氏が反対派なんて誰が決めたのか?

私の知る限り、そもそも泉田氏が原発の是非についてどうこうというような話を述べたことは無かったと思います。

泉田氏に関しては以前の記事でも触れたことがありますが、とにかく「福島原発事故の検証」が第一で、これを抜きで再稼働の議論をすすめることに異論を唱えていたわけです。言わば「再稼働慎重派」でしょう。反対か慎重かはさておき、再稼働を進めたい東電や政府としては厄介な人物であることには変わりないでしょうが。

世間では、いつしか泉田氏が原発反対派というような位置づけがされてしまったわけですが、それはきっと、日刊ゲンダイの煽り記事か、ツイッターの見過ぎによる思い込み・刷り込みの類ではないかと思います。別に原発の安全性に辛口な意見を述べたからと言って、それが直ちに反対派であるというような分け方は乱暴に過ぎるでしょう。

‖ ありがちな原発反対=反自民という前提には疑問が

反対派による泉田氏批判の理由としては、他には「なぜ自民党から?」という話も多いですね。原発に反対なら当然反自民でなければならない、自民党から出馬するのはおかしいという理屈です。

まず、泉田氏は知事時代から自民党の支援を受けてきた経緯もありますから、もともと反自民というような立ち位置ではないです。

それに、新潟県知事選の4選出馬を撤回したあたりから、近い将来、自民党公認で国政転身?みたいな話はありました。そのため、今回の出馬に際しても、まあそうだろうねというような。

そして、原発反対=反自民というのは、これは原発問題を特定の政党の応援、党利党略のために利用するという、非常に恣意的かつスケールの小さな話ではないかと思うのです。別に原発問題は特定政党の縄張り・専売特許ではないのですから。

知事だった泉田氏「原発政策の欠陥、与党入って直す」
2017/10/10 http://archive.is/kyQfD #朝日新聞

一部抜粋

東京電力柏崎刈羽原発に近い新潟5区。東電や国の原発政策に対して「もの申す知事」として知られた自民新顔の泉田裕彦氏(55)が立候補した。長岡市内での出陣式で「野党から言ってもダメ。原発政策の欠陥は与党に入って直さないといけない」と述べた。



以前に自民党の河野太郎氏について書いた記事がありましたが、私としては、原発をやめるのであれば、とりあえず政党に関係なく、原発問題に一家言ある「使える人材」を、一人でも多く国政や地方の場に送り込むべきという考え方です。

そのような観点から考えると、泉田氏の決意表明は悪い印象ではないですね。一応筋は通ってる感じです。

とはいえ、自治体のトップ(新潟県知事)と、大政党の所属議員、いわゆる一兵卒ではまた勝手が違うこともあるでしょうが。与党に入って直すつもりが埋没する可能性も高いでしょう。まだ当選してませんけどねw

しかしながら、当初は「右も左もない」とされた原発反対論も、私の印象では2012年頃から次第に党派性を帯びた、手垢の付いたものになり、今ではすっかり「原発反対なら○○党に!」みたいなつまらない話になってしまいました。反対派による泉田氏批判の中身を見ていると、しみじみそう思うわけです。

‖ ついでに衆議院選挙について考えてみる

話のついでということで、10月22日投開票の衆議院選挙について少し考えてみたいと思います。

選挙については、以前の「冷やし狸庵的選挙の考え方~」、あるいは「『原発反対に右も左もない』とはどういうことなのか~」の連載記事で述べてきたところです。ここでの話も、以前の連載記事の内容をベースに考えていきます。

原発・エネルギー問題。このような観点から選挙を考える上では、政党および候補者が、特に外交・安全保障面でそれなりの考え方を持っているかということに尽きます。言い換えれば、これらをリアリズムの視点から考えることが出来るのか、ということです。

なぜエネルギーを考える上で外交・安全保障のリアリズムが重要なのかと言えば、それはもちろん、私達の生活の源はエネルギーであり、これらの安定供給が必要不可欠だからです。

確認事項として、日本人が今現在、あるいは将来にわたって本当に必要としているエネルギーは、原子力や再生可能エネルギーなどではなく、化石燃料(=石油・石炭・天然ガス等)です。それも圧倒的にです。とにかく、化石燃料の安定供給が第一なのです。

日本は絶えず外国にエネルギーを依存しなければ、日々の生活は成り立たない。エネルギーの安定供給、裏を返せば供給途絶を回避するため、日本は国際社会においてどのように立ち振る舞うべきなのか。これは常にリアルタイムで求められる課題であり、おそらく終わりはないのでしょう。

そのため、特に国政を担う人材には、国際的かつ現実的な視野で外交・安全保障を考えられる方が望ましいのです。

そしてこれは以前から何度も述べている話ですが、原発反対派の指導者・有識者はこのあたりが非常に弱いです。外交・安全保障という話を振ると、極端な話、「戦争か平和か」みたいな考え方しか出来ないのです。その間にあるさじ加減が全く出来ないタイプです。

そのため彼らは、選挙の際は総花的・純粋無垢で正しいことばかり主張する候補や政党ばかりを推してしまうのです。エネルギー問題以前に、このような政党は必然的に少数派にしかならず、結果はお察しということなのです。

‖ 話題の「原発ゼロ政党」の気になる点は

ここで、最近話題の「原発ゼロ」政党、立憲民主党(枝野幸男代表)と希望の党(小池百合子代表)についての感想を少々述べてみたいと思います。

立憲民主党。民主党・民進党時代は「2030年代原発ゼロ」でしたが、今度は「1日も早く」となってます。2030年代と1日も早くのどちらが早いのか、ちょっと気になりますw

民進党が野党共闘路線に転じてからは、どうにも左傾化・社会党路線のような印象でしたが、立憲民主では従来の保守系とされる議員が一斉に離党した経緯もあり、政策の立ち位置はさらに左に寄ってしまうのではないか?となれば、やはり多数派を形成することは困難でしょうね。

希望の党。外交・安全保障面ではある種リアリズムの視点を持つ人材も多い印象です。明らかに原発反対派が好むような「左がかった」毛並みではないですw

しかし、希望の党の政策(公約)には、憲法に原発ゼロを明記するとか、ちょっとセンスを疑うようなところもあります。憲法はそんな細かい話をどうこうするものではないのだろうと。

それから小池氏は、原発ゼロと言いながら、核燃料サイクルについては継続に含みを持たせるような発言も。サイクルとはすなわち、循環・輪という意味です。廃棄物を再利用して、新たに燃料を作り出す。そうであれば、当然原発を活用する可能性も?

その他、原発技術を確保しながらゼロというのも気がかりです。技術を維持するという観点から考えると、逆算して国内にこれくらいの原発が必要ですみたいな話にもなりかねません。実際に、2012年の民主党政権時での「2030年の原発依存度」の議論では、推進側から、技術確保のために原発は25~35%はあったほうがいいなんて話もありました。

ただし、反対派の方が特に気にしている、原発ゼロと再稼働は矛盾しないと考えます。矛盾するのなら、反対派が手本としているドイツは原発推進国です。

外交・安全保障面でリアリズムの視点を持った脱原発政党(候補)というのは、なかなか出てこないのですね。私は、原発に批判的な世論が求めてる市場はそこだろうと以前から考えてるのですが。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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