FC2ブログ
10// 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. //12
 

冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

日米原子力協定の自動延長と迷走する原発反対論の今後について考えてみる その1 

‖ 協定の自動延長は想定内

原子力平和利用に関する二国間の協定、日米原子力協定。こちらについては当ブログでも以前から自動延長になると説明してきましたが、終了の半年前までに日米双方で特に議論が交わされなかったということで、協定の規定に従い、そのような運びとなります。

原子力規制委員会 日米原子力協定(88年協定 PDF)
1988 https://bit.ly/2JXv66M

第十六条 一・二項より一部抜粋

1  この協定は、両当事国政府が、この協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の手続を完了した旨を相互に通告する外交上の公文を交換した日の後30日目の日に効力を生ずる。この協定は、30年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に従つて終了する時まで効力を存続する。

2  いずれの一方の当事国政府も、6箇月前に他方の当事国政府に対して文書による通告を与えることにより、最初の30年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。



日米原子力協定、自動延長へ=米側、終了求めず
2018/1/16 http://archive.is/K7QYR #時事通信

一部抜粋

使用済み核燃料の再利用を日本に認める日米原子力協定が7月の有効期限以降も自動延長されることが16日、確定する見通しとなった。

 協定の破棄や再交渉には6カ月前の通告が必要だが、現時点で米側からの打診などがないため、協定は当面維持される。



現行の88年度の協定の効力発生日は1988年の7月17日なので、その30年後(有効期限)の半年前にあたる日が、2018年の1月16日。そういう話ですね。

‖ 協定のせいでやめられないと仰っていた方はお疲れ様でした

さて、反原発界隈でまことしやかに語られる、原発ゼロの隠された真実。すなわち、日米原子力協定を破棄、あるいは全面改正しない限り日本は絶対に原発をやめられない。そのような論説を広め、この間、時間がない・手遅れになると煽った方々は、今回の自動延長の事実上の確定を機に、原発ゼロをサッパリと諦めるべきではないのでしょうか?

もちろん、日米原子力協定が原発ゼロの障害というような話は全てデタラメであるわけですが、それを信じて今まで散々騒いできたのですから、もう何をやっても一切のムダ、原発に反対する理由が無くなったわけです。

厳しい言い方(だからこその「放談」なのですがw)になりますが、毎度毎度、わけのわからないデタラメに飛びつき、それらを信じて意味もなく絶叫を繰り返す原発反対派などという人たちも、私から見れば要するにアホンダラというわけなのです。取るに足りません。

‖ 原子力の平和的利用と日独伊三国同盟

日米原子力協定の前文を見てみると、以下のような記述があります。

日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、1968年2月26日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協定のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(その改正を含む。)(以下「旧協定」という。)の下での原子力の平和的利用における両国間の緊密な協力を考慮し、平和的目的のための原子力の研究、開発及び利用の重要性を確認し、両国政府の関係国家計画を十分に尊重しつつこの分野における協力を継続させ、かつ、拡大させることを希望し、・・



どうにも、デタラメに飛びついて錯乱している方は、こちらの「平和的目的のための原子力」という文言から、「日本はアメリカの命令で原発・再処理を推進しなければならない決まりになっている」と曲解(妄想w)している傾向があるようです。

以前の連載でも説明させていただいたとおり、原子力の平和利用とは、その裾野は広く、何も原発に限った話ではないのです。世間一般では「原発=平和利用」と理解されていますが、原発はその一形態でしかないのです。しかも、平和利用分野の協力を継続・拡大させることを「希望する」わけですから、これは義務でも命令でもありません。

さらに言えば、この「平和的利用」という話は、何も日米原子力協定に限った話ではなく、例えば原子力利用でほかに日本が加盟している、IAEA(国際原子力機関)憲章、NPT(核不拡散条約)で、より強いニュアンスによる記述が見られます。

日本原子力研究開発機構 国際原子力機関憲章
1957(最終改正1990年) http://bit.ly/2rddlvL #jaea

第二条・第三条より抜粋

第2条 目的

機関は、全世界における平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、及び増大するように努力しなければならない。


第3条 任務

機関は、次のことを行う権限を有する。
1 全世界における平和的利用のための原子力の研究、開発及び実用化を奨励しかつ援助し、要請を受けたときは、機関のいずれかの加盟国による他の加盟国のための役務の実施又は物質、設備及び施設の供給を確保するため仲介者として行動し、並びに平和的目的のための原子力の研究、開発又は実用化に役だつ活動又は役務を行うこと。
2 平和的目的のための原子力の研究、開発及び実用化(電力の生産を含む。)の必要を満たすため、世界の低開発地域におけるその必要に妥当な考慮を払った上で、この憲章に従って、物質、役務、設備及び施設を提供すること。
3 原子力の平和的利用に関する科学上及び技術上の情報の交換を促進すること。
4 原子力の平和的利用の分野における科学者及び専門家の交換及び訓練を奨励すること。



日本原子力研究開発機構 核兵器の不拡散に関する条約(NPT)
1970 http://bit.ly/2mOgFc2 #jaea

前文・第四条より一部抜粋

核技術の平和的応用の利益(核兵器国が核爆発装置の開発から得ることができるすべての技術上の副産物を含む。)が、平和的目的のため、

すべての締約国(核兵器国であるか非核兵器国であるかを問わない。)に提供されるべきであるという原則を確認し、

この原則を適用するに当たり、すべての締約国が、平和的目的のための原子力の応用を一層発展させるため可能な最大限度まで科学的情報を交換することに参加し、・・


第四条 [原子力平和利用の権利]
1 この条約のいかなる規定も、無差別にかつ第一条及び第二条の規定に従って平和的目的のための原子力の研究、生産及び利用を発展させることについてのすべての締約国の奪い得ない権利に影響を及ぼすものと解してはならない。
2 すべての締約国は、原子力の平和的利用のため設備、資材並びに科学的及び技術的情報を可能な最大限度まで交換することを容易にすることを約束し、また、その交換に参加する権利を有する。



仮に日米原子力協定が日本の原発推進を義務付けるものとすれば、電力の生産を含む原子力の貢献を促進・増大を努力しなければならない、あるいは、平和的目的のための原子力の応用を最大限に・・という文言が見られる、IAEA、NPTもまた悪魔の協定ということになり、日本が原発をやめるにはこれら全てから離脱する必要があることになります。

晩年は脱原発活動にもご尽力された、俳優の菅原文太(故人)氏は、脱原発で先行するドイツ・イタリアの事例を引き合いに、「日独伊でいい意味での三国同盟をつくってほしい」と仰ったそうですが、仮に3国で各種の二国間協定やIAEA、NPTから離脱するみたいな話になれば、これは相当きな臭い話になってきますw

念のために確認しておきますが、原子力協定およびIAEA、NPTは原発ゼロの壁では全くありません(もちろん原発ゼロで規定違反にはならない)し、先のドイツやイタリアにしても、これら既存の核不拡散体制の基礎となる枠組みから離脱する予定はありません。やりたければ日本単独でやって、せいぜい国際的に孤立すればいいと思います。

その2につづく

関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

comment(0) | trackback -- | edit

page top

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top