冷やし狸庵
原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。
核のゴミ問題 まじめに考えると原発推進になる その2
2015/10/04 Sun. 20:54
先回の記事の続きになります。前回私は、「原発に賛成・反対に関わらずみたいなノリで核のゴミ問題をまじめに考えて答えを急ぐと、自然と原発推進になってしまう」と書いたのですが、丁度いいタイミングでこのテーマにピッタリの記事を見つけましたので、今回は今日の産経新聞の社説を紹介します。
‖ 中立を装う産経新聞の罠
原発のゴミ 処分地選び皆で考えよう(産経新聞 社説)
2015/10/4 (1)https://archive.is/7XLUA (2)https://archive.is/mRK8E #産経ニュース
一部抜粋
原子力発電を認めない立場の人にも、最終処分について偏見なく考える機会としてもらいたい。
日本の原子力発電は45年前から本格化し、高レベル放射性廃棄物を含む大量の使用済み燃料が発生している。
この廃棄物は、強い放射線を長期にわたって出し続けるため、ガラス固化体に加工し、地下300メートル以深の岩盤中に埋設して最終処分する計画だ。
社説では、「原子力発電を認めない立場の人にも偏見なく・・」と、一見中立のような話に思えるのですが、その直後に、「ガラス固化体に加工し・・」というように、従来からの国策である核燃料サイクルの継続を前提にしているわけです。
サイクルを進めるわけですから、当然ゴミを加工して燃料にして回していくわけで、これでは原発推進派の方が得をするという話にしかなりません。サイクルを進めるうえでの処分場が出来れば、これからも堂々とやれるわけです。
高レベル放射性廃棄物の最終処分は、原発再稼働とは次元の異なる問題である。国民全体で前向きに取り組みを進めたい。
社説はこんな結びになっていますけど、実際は「高レベル放射性廃棄物の最終処分は原発再稼働と同じ次元の問題」なのです。産経の記者の方は事情を知ったうえで社説を書いてますよね。
‖ 高レベル放射性廃棄物の定義の問題
もちろん、原発反対派も核のゴミについては考える必要はありますが、少なくとも国側に、高レベル放射性廃棄物の定義をキッチリさせることが大前提でしょうね。
高レベル放射性廃棄物とは通常の使用済み燃料のことを指し、再処理した後の出涸らしとはしないこと。先回も書きましたが、放射性廃棄物の総量規制も必要です。そして処分に関しては焦らずゆっくり、まあ22、3世紀の話にしておくのが妥当でしょう。
この手の話では必ずと言っていいほど「核のゴミ問題を将来世代の負の遺産にしてはいけない」なんて決まり文句が出てきますが、再処理路線を継続した方が厄介な問題や廃棄物が出来てしまうので、かえって負の遺産が増えてしまいます。
場合によってはまじめに考えない。これもまた大事なことだと思います。
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