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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録6 -TPP(環太平洋パートナーシップ協定)- その1 

今日はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が合意になったとか。今は何やらそういう話題でテレビもネットも持ちきりの様子です。

・・で、一体それが当ブログに何の関係があるのやらと??

ええ、もちろん知ってますよ。こういうことですよね。

‖ TPPに反対しなければ原発反対派にあらず?

  • TPPで脱原発が不可能になる!
  • TPPに反対しない原発反対派はニセモノだ!!

などという話ですよね。流行りましたよね、このような説が。

私の記憶ではそういう話が2012年頃から広まって、原発反対派の間で強く支持されてきた印象です。反(脱)原発=反TPP。一部の政治家から有力なブロガー達が音頭を取り、それにつられる形でいろんな方面で盛り上がっています。

でも、やっぱり関係ないですwだって、そんな話は最初から何かの間違いだったのですから。要するに「デマ」ですよ。

‖ そもそもTPPと原発には関連性はない

形の上では決まったことなので、原発とTPPに関しての細かい話はしませんが、今回はこの件について参考資料的なものをいくつか紹介させていただきます。原発反対派でTPPが決まって悲観的になっている方は、本日をもって(原発反対を)投げ出されるか否かは、この記事を見た後で決めても遅くはないと思いますよ。

断っておきますが、私はTPPに関しては賛成でも反対でもなく、「興味がない派」です。なぜならこの論点は、そもそも原発・エネルギー問題とは関係がありません。TPPの是非について論じることは当ブログの方針である「原発・エネルギー問題を静かに考える」に反してしまうからです。

古賀茂明 「利権の復活」 PHP新書
2013年11月 http://goo.gl/eoSz8z

一部抜粋

 「古賀さんは原発に反対するのに、なぜTPP参加に賛成なんですか?」
 脱原発派の私が「TPP参加に賛成」と言うと、驚く人が多い。「ほんとうにガッカリした」とか「おまえの本性がわかった」などと罵られることさえある。
 脱原発とTPPの問題は、直接には結びつかない。TPPの賛否と原発の賛否は、それぞれ独立した立場があっていいはずなのだが、世の中、とくにネットの世界では、「原発反対の人間はTPPにも反対」とセットで考えるような空気がある。

・・

 「TPPに参加すると米国にいいようにされて損をする」。これが反対派の底流にある懸念だ。「米国陰謀論」とでも言ったほうがよいものも多い。
 その前提には「米国が参加している交渉では、日本はいつもアメリカの言いなりになって負ける」との思い込みがある。



3.11以降の原発反対論をウォッチしていると、どうにも原発そのものに反対というよりも、「反アメリカ」とか「反グローバリゼーション」みたいな、原発問題とは直接かかわり合いのない話を声高に叫ぶ方(広めたがる)をよく見かけます。先回も書きましたが、「党派的な何か」といった私が抱いていた違和感を、古賀茂明氏も感じ取っているようですね。

平智之 「なぜ少数派に政治が動かされるのか?」 ディスカヴァー携書
2013年7月 http://goo.gl/YYH8hQ

一部抜粋

 「原発ゼロ」を目指す人は決して少なくない。しかし、皆、さまざまな理念を持ち、いろいろな言葉を使う。「脱原発」、「反原発」、「卒原発」、……、原発反対が反米や反TPPにそのまま結びついている場合もある。こうした事態がさらに現実を難しいものにしている。
 原発反対を言う人々が、いくつもの陣営に分かれて、自らの正当性を主張している。いわば本家争いだ。それで本来は圧倒的な少数派である原発推進派に漁夫の利を与えてしまっている。・・
 実際、禁原発を主張する私自身が、脱原発を主張する方々から批判されることもあるのだ。脱原発を主張する方々の中には、反米の姿勢を貫く方もおられるが、私は反米ではない。
 TPPの交渉に参加したら、もう抜けられないとか、TPPに参加したら、日本は脱原発政策が取れなくなる、と心配する方もおられる。日本が脱原発政策に舵を切っても、TPPに含まれる投資家による国家に対する訴訟制度によって、・・しかも必ずその訴訟に負けて、脱原発の制度そのものが無効になると心配されるのだ。
 それはあり得ない。
 まず、抜けられない条約は無い。ウィーン条約では脱退条項のない条約ですら、その脱退方法が規定されている。また、投資家が一国の制度を訴訟の対象にすることもない。投資家ができるのは損害賠償であり、契約上の債務不履行を訴えることだ。たとえば日本で脱原発法が成立した結果、海外の原子炉メーカーが日本に売り込もうと思っていた最新式の原発が売り込めなくなったので、もし受注していたら得られたはずの利益を損害として訴える、などということは、債権がないからあり得ない。

・・

反TPP、反消費税増税とセットでなければ脱原発を語る資格がないのだとすれば、原発推進の少数派の思う壺だろう。



平智之先生。元民主党衆議院議員で、野田政権での大飯原発再稼働(福井県)を機に離党された本格派(!?)ですが、今回紹介した範囲内でも私としては頷ける点が多いなと思いました。

一例に挙げた資料に頼るまでも(平先生の著作は今年になって手に取りましたが)なく、私は当初からTPPと原発なんて関係ないとスルーしてたんですが、どうにも日に日に「TPPに反対しない反原発はニセモノだ!」という風潮が高まりまして、そのうち私もTPP推進派とかアメリカの手先などと変なレッテルを貼られてニセモノの汚名を着せられ、半ば呆れてしまいました。

‖ 騒ぎが収まらないので、実際に平智之先生に見解を伺ってみた

そして今年に入って、ある日、晩酌のおつまみを作っているときに、ふとTPPのことを思い出しまして、気になって今の流れをツイッターなんかで調べてみましたが、やはり相も変わらず「TPPで脱原発が不可能になる、取り返しがつかない!」なんて話が拡散され続けていたのでした。まだこんな話で盛り上がってるんだと。

まあしかし、私の理解に間違いがあるのかもしれないということであれこれ考えて、たまたま一瞬のひらめきで、「そうだ、平先生だ!」と思いついたわけです。

平先生は政治家の経験もあり、原発にもTPPにもお詳しい。かつて(民主党離党後)は「みんなの党」に所属してTPPには容認(推進という程でもない)の立場でしたが、無党派となった現在は、交渉が長引き過ぎた等の理由で反対の立場でいらっしゃる。まさに、こういう話にはうってつけの人物に違いないと。

そこで私は先生に、「私はTPPの是非に興味はありません(実際にありません!)」と但し書きをした上で、巷で真実とされる「原発とTPPの不可分性」と、それらに対する私なりの見解を平先生に伺うという形式でメールを出しました。質問の内容は長くなるので割愛しますが、平たく言えば先述のとおり、「TPPで脱原発が不可能になるのか?」というものです。

というわけで、私の質問に対する平先生のお答えを、下記に掲載いたします。お互いのプライバシー等に関わる部分はぼかしを入れています。ご了承ください。

Re: 脱原発とTPP(ISD条項)の関連性についての質問です
2015/04/24

tomoyukitaira01.jpg

↑の画像はクリックしていただければご覧になれますが、↓にテキストにしたものを掲載します。

×× 様(名前は仮名なので伏せなくてもよかったのですがw)

ご質問有難うございます。ご指摘の内容に異論ありません。

ISDSを使って他国の脱原発政策を訴えるという懸念は、ISDSという制度あるいは損害賠償という制度のかなり特殊な理解からくるのでしょうか。このことについては以下の拙著でも述べております。

「なせ少数派に政治が動かされるのか?」(ディスカヴァー携書)

またご指摘のような「TPP判定でなければ脱原発を言わせない」という風潮があるならば、それは「言論の弾圧」ですから、おそらく脱原発派が特定秘密保護法などで最も批判している行為だと思うのですが。

今後のブログ等の参考とさせていただきます。もしブログで回答する場合、いただいたメール文をお名前もアドレスも伏せて公開し、それに応えるかたちにしてもよろしいでしょうか?ご検討ください。

平 智之



‖ 「原発推進派の少数派の思う壺」という状況を原発反対派が作っている

繰り返しますが、私はTPPに賛成でも反対でもなく、<原発・エネルギー問題と関係がないから>興味がないという立場です。

そして肝心なことは、TPPの賛否に関わらず、誰でも原発に反対と言う資格はもちろんあります(私は歓迎します)し、ニセモノ扱いされる言われはないのです。

ところがここ数年あまり、原発反対派の一部が声高に「反TPPでなければ原発反対に非ず!」というように、各方面にケンカを売るような真似をしてきたわけです。そしてそういう風潮がかなり広まってしまっている。

このような行動は原発反対論に特定の方向性・思想信条を強要するものであって、平先生の仰るとおり、「原発推進の少数派の思う壺」という状況を、原発反対派の側が作り出してしまっているのです。

誰かが勝手に決めたいかがわしい「終末論」に影響されて、実際に落胆されている原発反対派の方も少なくないと思いますが、同じ反対派の私としては早まるべきではないと、そのように願っています。

その2につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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