10// 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. //12
 

冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録6 -TPP(環太平洋パートナーシップ協定)- その3 

その2の続きで、今回がTPP関連の最終回です。

‖ 「反TPPの原発推進」というパターン

原発とTPPといえば、世の中にはいろんな考えの方がいらっしゃる。当然、何もTPPに反対だからといって原発に反対とは限らない。つまり、TPPに反対で原発には大賛成という人(組織)も数多く見られます。

TPPに反対で原発には賛成。こういう方は例えば、TPP反対の急先鋒として活躍している(らしい)、経済評論家の三橋貴明氏、経産官僚・評論家の中野剛志氏などが挙げられます。

彼らはTPP反対の第一人者として、TPP反対派の間で高く評価されているようですが、一方では原発政策に関しては、「反(脱)原発は左翼だ!」などと仰る。日常的にかなり原発に飢えている印象でもあります。

ちなみに、世間でよく言われる「反(脱)原発は左翼だ」という言い回しですが、これは私としては正しい表現ではないと思います。
私の理解では、歴史的には「左翼も原発推進だ」と言った方が正しいと思いますので。これに関しては今回は余計な話ですので、また機会があれば。

次はこちらの方です。

tatsuokondo.png

いきなりこんなのを出されると、「・・誰や、この釣りバカ日誌のスーさんみたいな人は!?」って皆さんそう思われるんじゃないかとw実はこのお方こそが、北海道経済連合会(道経連)の名誉会長である、近藤龍夫(こんどうたつお ←のリンク先はPDFファイル)氏なのです。

ここでちょっと解説を。先に例に出した道経連ですが、○○経連と名称が付く団体は各都道府県にありまして、組織の役割としてはいわば地方経済の顔役、経団連の地方版のようなものです。実は私は北海道にちょっとしたコネがありまして、知人の方から北海道のニュースを定期的に送ってもらっていて、それで今回はこの方を例に挙げたわけです。

で、こちらの北海道経済の顔役である近藤氏は、常々TPPに批判的(慎重、場合によっては反対)な立場でした。事実、2011年以降の記事を追っていくと、大体そのような傾向です。

北海道を東アジアの“食の拠点”にする!総合特区で食クラスター活動を加速
近藤龍夫 道経連会長(当時は会長職)

財界さっぽろ2011年1月号 https://archive.is/DpVnC

一部抜粋

――環太平洋経済連携(TPP)で、中央の経団連は積極推進論ですが、近藤会長は慎重姿勢ですね。
近藤 貿易自由化については、日本の経済発展のために重要であることは異論のないところですが、これに先立ち、関税撤廃の影響の大きい農業など食産業への対策を講じるべきです。
これは他国の例を見ても至極当然の貿易自由化の事前対策であるにもかかわらず、こういった対策を経ずに一気に自由化は困りますと申しているわけです。
仮に現状の農業政策・制度のまま、何ら対策を講じることなくTPP参加・貿易自由化となれば、わが国の農業、北海道農業が壊滅的な影響を受けることは必至であり、北海道経済が混乱に陥る心配もあります。



その他、同年のJAなどとの会合でも懸念するコメントを残していますし、2013年の春に行われたという緊急会見では「時期尚早」、経団連との会合でも、自由貿易は否定しないと前置きしつつも、やはり懸念を表明しています。2014年もやっぱり懸念、そして「日本の将来に禍根を残さぬよう責任ある判断を求めます」と、なかなか厳しい声明(PDFファイル)も共同で発表しています。

ところでこのスーさんですけど、TPPにはこんな感じなんですが、こと原発に関しては、そりゃもうゴリゴリの推進派なんですよね。原発にかける熱意や執念は、先ほどの三橋・中野氏らとはまったく比較にならないほどの強さです。実際そうでなければならないのです。

先ほどの記事に答えが載ってるんですけど、実はスーさんこと近藤龍夫氏は、北海道電力の会長(当時)なのでした。近藤氏は原子力畑出身と言いますか、実際、泊原子力発電所の所長も務めたこともあって、言ってみれば北の原子力発電の王道を歩んでこられた方なのです。

それから先ほどの解説に付け加えますと、この種の会長ポストはほとんどの場合、電力会社の幹部が務めることが多いです。そのため、地方財界のトップ=電力会社出身と言っても過言ではありません。

まあそんなお方ですから、当然道経連会長として、「北海道には原発が必要だ」、「一刻も早い原発再稼働を!」と各方面にいろいろ提言などもされてきたわけですね。

道経連会長・近藤龍夫が語った「憂国・憂郷」論
財界さっぽろ2013年1月号 https://archive.is/zLq4g

一部抜粋

――今度の選挙で原発問題が大きな争点となっていますが。
近藤 原子力ゼロを目指すといいますが、日本の今後のエネルギー確保という点では、原子力なしではどう逆立ちしてもやっていけないと私は思っています。
日本はエネルギー資源に乏しい国で、ほとんどが海外からの輸入に頼っている。

・・

――しかし福島の事故はあまりにも深刻です。
近藤 私も原発の当事者として、福島の事故ではあきらかに反省すべきことはあります。
しかし、日本は科学技術という文明の力を上手に使いながら、科学立国として成り立ってきた。
他の国が日本の3・11を反面教師にしながら原子力を積極的に進めていく中で、日本だけが文明に対する敗北者になっていいのかという思いがあります。



TPPはその性質上、一次産業従事者間での懸念の声が大きいわけで、そういう産業を抱える他の地域の○○経連もまた、北海道と似たようなパターンであると思われます。TPPは慎重ないし反対、だけど原発はもちろん推進。

これまで挙げた例のように、たとえTPPには慎重・あるいは反対であっても、世の中には原発推進の方は大勢いらっしゃるのです。「TPP反対派に悪い人はいない」ことはないのです。

‖ 原子力ムラは哲学の違いで内ゲバをしない

繰り返しますけど、「原発に反対ならTPPに反対でなければならない」みたいなそういう話は、いい加減にやめた方が良いと思いますよ。実際そんな決まりはないですし、関係ないです。そしてこういう勝手なルールをしつこく他の方に押し付け、「ニセモノ!」と排除するほどに、原子力ムラとしてはそりゃ助かると、そういうオチになるわけです。

それにしても原子力ムラの方面では、「TPPに反対しない推進派はニセモノだ!」みたいな話が出ないですよね。今回挙げた事例では反TPPの原発推進でしたが、世の中当然、TPPも原発も推進という人もいるのでしょうが。

政治思想・哲学の違いはあっても、とにかく原発を維持発展させていこうという意見では一致している。原子力ムラは割れないんですよね。こういう点は見習わなきゃいけないような気もします。

関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

page top

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://hiyashitanukian.blog.fc2.com/tb.php/132-61b65b24
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top