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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

日本に氾濫する「ドイツは再エネが最大の電力源である」という誤解 

少し前なりますか、いろいろな新聞等で「ドイツの再生可能エネルギーは石炭を超えて最大の電力源になった!」というような話があって、その影響でツイッターなどでもちょっとした話題になっていました。

私もいちいち細かくニュースをチェックしているわけでもないので、タイトルを見るだけで「読んだことにしておく」みたいによくサボりをやらかすんですけども、こういう話題に関しては「そんなわけないじゃんw」というのが率直な感想でした。

‖ たしかドイツは石炭の国だった記憶が

なぜなら私の記憶では、ドイツの最大の電力源は石炭で、およそ45%。全体を通してみれば60%が化石燃料というわけで、いくらなんでもそんな短期間で劇的に電力構成が変われるわけがないということで。

日本に氾濫する「ドイツは脱原発に失敗した」という誤解
2015/10/11 (1)https://archive.is/dVuRe (2)https://archive.is/N75B5 #ハーバービジネスオンライン

一部抜粋

福島第一原発の事故のあと、自国の原発を縮小し、再生可能エネルギーなどにシフトする国が相次いでいる。その代表とも言えるドイツでは、2014年に再エネで総電力消費の約27%をまかなった。これはガスや石炭など他の燃料を上回って、再エネが初めて最大の電力源になったことも示している。ところが当の原発事故を起こした日本では「ドイツの脱原発政策は失敗した」かのような情報が氾濫している。



german001.png

このグラフは先にお出ししたリンク先(2)によるものですが、ご覧のとおり、やっぱりドイツの最大の電力源は石炭なんです。もしかすると、「石炭は17.8%じゃないか!」というお叱りの声もありそうですが、その下にある褐炭(かったん)もまた石炭ですからね。足して合わせれば、だいたい45%になります。

‖ 石炭の品質と勇み足

この辺の話を少し付け加えますと、通常、発電用途に使われる石炭は「瀝青炭(れきせいたん)」のことを指し、これはまあ上等な石炭です。褐炭は水分があって質の劣る石炭で、現状、こちらを積極的に使う国は少数派で、ドイツはその珍しい例の1つ。しかし近年は、褐炭を世界的に積極利用するための研究も進み、実用化も進んでいるようです。

分類上は瀝青炭と褐炭は違うんでしょうけど、どちらにしても石炭に変わりはないということで。巷で騒がれている「ドイツでは再エネが石炭を超えた!」みたいな話は、やや再エネに肩を持ちすぎた、勇み足の感があるように思うのですが。

それから化石燃料が60%というのもグラフのとおりですね。石炭・天然ガス・石油系(ここではオイルなど)。これらを合わせると6割です。やはり私の記憶は間違っていなかった!・・もちろん、景品なんか出ませんがw

‖ 日本よりドイツの原発依存度のほうが脱原発に前向きに映る

さて、それよりも私が気になるのは「原子力15.8%」なんですが、この数字に関しては人によっては「ドイツですら原発を動かしているのだから日本もそうするべき」という意見もあれば、「日本は現状ゼロ(川内は再稼働しましたが)なのだから、ドイツ以上の国だ」という意見も見られます。

この点に関しては、私はとくに数字にはこだわりません。それよりも国民の間で「原発を無くす」ということが合意形成されていることが何より重要なのだと思います。たしかに、ドイツでは今でも一部の原発が稼働していますが、どちらにしても一定のスケジュール感をもってゼロにしていくわけですから。こういう状況でいまさら「原子力ルネッサンス」なんてのはないでしょうし。

日本の場合は、先日再稼働になった川内原発(1号機・鹿児島県)がありますが、そういう例を加えたとしたら、現状は4%程度でしょうか。確かにドイツよりは低いとは言っても、誰も無くすなんて言ってないわけですからね。そしてこの数字はだんだん増える方向(当面はひとまず22%程度)に進むことがわかっています。

日本は原発をどのように減らしていくかという国民的な合意形成もなく、路上では原発反対デモの集団がただひたすら奇声を上げるだけ。ドイツとは違って原発に対する方向性が固まっていない、というよりバラバラなんですよね。

ドイツの再エネ事情はともかくとして、とりあえず原発を無くしていくという合意形成は作られている。ウクライナ情勢やギリシャ危機、VWのスキャンダル。ドイツの脱原発政策を遅らせる可能性のある要素もいろいろ出てきていますが、少なくとも逆戻りすることはないでしょう。

日本が原発をやめていくうえでは、ドイツの再エネ政策を真似るより先にやるべきことがあるということでしょうね。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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