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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

原発反対論にはびこる反米主義は、百害あって一利なし その2 

‖ 日本共産党が日米原子力協定の破棄を主張する理由とは?

共産党が日米原子力協定の破棄を主張する理由とは何か?共産党は、世間的にはとにかくアメリカの悪口を言うのが仕事だと見做されており、今回もその延長線であるという見方も出来るでしょう。それはおそらく、一面的には正しいと思います。

しかし、共産党が特に原発問題で反米色を強める理由は、もうすこし根深いところにあると考えます。赤旗等に見られる、協定を破棄するべきという主張も、何もここ数年来の話ではないからです。

これは過去の記事でも説明しましたが、もともと共産党は熱心な原発推進政党で、福島原発事故後の「私達は一貫して原発に反対してきました!」なんてセールストークは嘘っぱちであるという話と繋がってきます。

‖ 共産党は原子力・科学技術の進歩をイデオロギーの視点で考えてきた

共産党は確かに原発推進政党であり、ただしそれには一つ条件がある。それは、原子力の平和利用(主に原発)は、社会主義・共産主義社会でなければ正しく扱えないというものです。そしてその模範国は、例えば1950、60年代であればソ連でした。

さらに言えば、共産党は資本主義では科学技術は発展しないという考え方で、したがって原子力の平和利用についても、アメリカはせいぜい核兵器しか作れない(=平和利用が出来ない)と主張していたのです。今の視点から考えると、当時の共産党の「科学技術・原子力観」は、極めて楽天的な冷戦思考に映ります。

共産党は日本の原発導入を批判してきたことは事実ですが、それはアメリカが関わっていることを一義的な問題としていたのです。共産党は一貫して原発に反対してきたのではなく、アメリカ(西側諸国)から技術導入する形での原発推進を批判する。そのような立場でした。そのため私は、共産党を「左の原子力ムラ」と評しているのです。

日本共産党中央委員会出版局 原発推進政策を転換せよ
1988/7/1 https://amzn.to/2BjvgF3

P91・対米従属強める新原子力協定より一部抜粋

 日米間の新たな原子力協定(有効期限三十年)が国会に提出されています。すでに昨年十一月、両政府が調印し、その承認を国会に求めているものです。・・これは、わが国の原子力政策を、名実ともにアメリカの核戦略にいっそう深く従属させ、その枠の中に取り込むことを意味します。われわれはこのような新協定の批准に強く反対します。



当然、共産党は以前より原子力協定に否定的であり、当時の協定の更新にも反対(先日自動延長になった88年度版)しています。同時期であれば、共産党系の日本科学者会議「暴走する原子力開発(1988/12)」においても、協定の破棄が強く主張されています。いずれもその理由は、対米追従の原子力開発には自由がないというものでした。

ちなみに、さすがに80年代はソ連が正しいなんて状況ではなくなっていたので、共産党は先のように、軍事優先・アメリカ言いなりの原発推進が悪いとする論調(今もそのようなことを言ってますがw)を強め、同時に、当時の反原発運動を強く批判しています。つまり、原発自体が悪いのではなく、アメリカ由来の原発を批判せよという論理です。

‖ 原子力協定破棄の主張には、共産党の過去から続くイデオロギー・DNAが影響している

共産党の主張は「過去問の焼き直し」的な側面があり、特に原子力平和利用に対する姿勢は、時代が進んでも、先の冷戦思考と本質的には変わらない印象です。一貫して原発に反対では過去の粉飾ですが、どうせ不勉強な反対派には見抜けない。しかし原子力を悪くしているのはアメリカであるという主張であれば、たしかに一貫しています。

そしておそらく、そのような姿勢は原発事故後の現在も変わっていません。いまさら「反原発は反科学主義」なんて大っぴらに言えない(でも事故直後はそのような主張も見られましたがw)でしょうが、確かにその批判の矛先はアメリカに向けている。

共産党は原発事故を利用する形で、党の過去を粉飾し、しかし同時に、原発反対の世論に反米主義的な思考を広める政治運動は怠らない。それには原子力の平和利用、科学技術の進歩を歪めているのはアメリカであるとする、従来からの党のイデオロギー・DNA的な要素に起因するのでしょう。

イデオロギーの話はさておき、その1で説明したとおり、日本がアメリカを含めた原子力協定を破棄する選択肢は、原発の後始末、すなわちバックエンドの問題等から考えてもありえない話です。原発の是非にかかわらず、今後も原子力の分野における多国間での協力が不可欠である以上、協定を破棄する意味がないからです。

その3につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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