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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録7 -日米原子力協定- その3 

今回の話では、民主党政権時(2009-2012)における「2030年に原発ゼロ政策」についても触れておく必要があるのだろうと思います。

‖ うやむやになった民主党の原発ゼロ政策とアメリカ陰謀論

民主党野田政権では、2011年の福島原発事故を受けて、2012年の「革新的エネルギー・環境戦略」において、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という原発ゼロ政策を掲げたのですが、それがいざ閣議決定というところでいろいろあって、結局うやむやになってしまったという話は、まだ皆さんの記憶に新しいところではないかと思います。

この件でも、日米原子力協定を破棄するべき(協定破棄論)という考えの方は、「民主党政権はアメリカの圧力で原発がやめられなかった、日米原子力協定のせいで」とか、「日本の原発はジャパン・ハンドラー(?)であるポネマンの命令で推進させられる」というような話がまことしやかに言われていたものです。

当然、まことしやかなのですから、そんなことは全然ないわけですがw

たしか前原誠司・長島昭久氏でしたかね。彼らが2012年の「原発ゼロ」閣議決定を前に、アメリカエネルギー省(DOE)のポネマン副長官と会談したというのは確かに事実です。その場でポネマン氏が、民主党の原発ゼロに懸念の姿勢を示したというのまた事実。

しかし、会合において「日米原子力協定に従って日本は原発をやれ!」なんて話は一切してませんし、これは何度も説明しましたが、そもそも同協定は、日本の原発政策を強制的に推進させるような効力を持つものではありません。

‖ アメリカの懸念は事実としても、一体何に懸念したのかが問題

それでは、当時ポネマン氏が懸念していたことは一体何だったのかということですが、例えばこのような記事があります。

日本政府の「原発ゼロ」方針に米・英・仏が懸念示す
2012/9/13 https://goo.gl/Tmv17N #fnn

一部抜粋

「2030年代に原発ゼロを目指す」とする日本政府の方針について、アメリカ、イギリス、フランスが懸念を示していることがわかった。
民主党の前原政調会長は「(米国側から)意図せざる影響もあり得る」、「柔軟性を残してほしい」、「原発ゼロを目指すということを日本政府が決めた場合の負の影響を、なるべく最小化してもらいたい(との話があった)」と述べた。
ワシントンを訪れている前原政調会長は、エネルギー省のポネマン副長官と会談し、この中で、ポネマン副長官が、原発ゼロを目指す日本政府の方針について、「重要かつ深い結果をアメリカにももたらすことになる」と、懸念を示したことを明らかにした。
ポネマン氏は「唯一の被爆国として、プルトニウムのストックを最小限に」するよう求めたほか、石油が値上がりしていることに触れ、「第3位の経済大国が石油を買いあされば価格に影響する」とも指摘した。



まあなにやらいろいろありますけど、要するにポネマン氏は「原発ゼロは日本の政策として、じゃあプルトニウム、核不拡散はどうしてくれるんですか?」と、そういうことを仰っていたのです。日本の原子力政策に対し、アメリカが第一に考えているのはこの点で、日本は間違ってもプルトニウムを変な使い方はしないでくれよということなのです。

そして、核不拡散をベースに、それに加えてビジネスの問題から、イギリス・フランス(ほかにもあったと思いますが)も日本の原発ゼロ政策に懸念していたわけで、別にアメリカのみがどうこうという話でもないのです。

‖ プルトニウム問題はアメリカだけが懸念しているわけではない

国連総会「核武装」で日中が応酬
2015/10/21 https://archive.is/8r8UF #nhk

一部抜粋

国連総会で軍縮問題を扱う委員会で、中国の軍縮大使が、「日本は原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを大量に保有しており、核開発に乗り出す可能性がある」と指摘したのに対し、日本の軍縮大使は核武装の意図はないと強く反論するなど、双方が応酬しました。



ポネマン氏と同様の発言・懸念に関しては、最近のNHKのニュースにもあります。国連総会で中国の傅聡(ふそう)軍縮大使が、日本の余剰プルトニウムについて懸念を表明したという話ですが、これも傅聡大使の仰ることはポネマン氏の事例と基本的には変わりありません。別に、中国が日本に向けて「原発を推進しろ!」とか、「プルサーマルをやれ!!」などと命令しているわけではありません。

まあなんと言いますか、アメリカを筆頭に、原子力の分野における世界の関心事は日本の余剰プルトニウムであって、例えばIAEA(国際原子力機関)も、つい最近までその予算の大半を日本の監視に向けていた(2004年くらいまで)というような、そういう状況なわけです。今は監視の目も少し緩くなっていますが、それでも依然として厳しい部類に入っているのです。

こういうわけですから、何らかのフォーマルな場において、不用意にも日本側が一方的に「日米原子力協定を破棄します!」なんて宣言してしまうと、曲がりなりにも核軍縮を進めている国際社会は、大変驚愕することだろうと思います。

その4につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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