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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

続・北海道胆振東部地震と北海道のエネルギー安定供給について考えてみる その4 

文化放送で「おはよう寺ちゃん」というニュース番組(ラジオ)があります。先月、地震の後のある放送回を聴いたところ、偶然にも今冬に向けた電力需給にかんする話題が取り上げられていました。

そこで、あるコメンテーター(水曜日担当と記憶しています)が、非常措置として泊原発の緊急稼働をオプションとして考えておかなければいけないのではないか、というコメントを述べています。

世間的には、原発は必要な時に手軽に使える乾電池か、アウトドア向けのポータブル電源的な位置づけであるとすれば、私としては非常に残念に思います。

‖ 今後、北海道が重視するべき電源は

ブラックアウトを受けて、今後の北海道にとってベースとなるべき電源を考えると、やはり従来どおり火力発電であると私は考えています。今までが火力であれば、これからも火力です。

今回、泊原発の早期再稼働論と同時に、もっと早く再稼働していればという意見も聞かれました。しかし、必要とされる電源が本番では稼働していないという時点で、これに依存する構造は問題であると思います。早期再稼働論に見られる、ユーザーの都合で安全の基準を緩めてもよいという考え方も危険だと思います。

太陽光や風力等に代表される再生可能エネルギー(再エネ)。これらの利用は日常的な電力(周波数)の調整が前提であり、これがうまくいかない場合(供給過剰・不足両方で)はブラックアウトのリスクが生じます。そのような問題を抱える以上、なおさらに有事の際の復旧作業が疑問です。

実は今回、一番最初に動いたのは水力発電で、これを種火として火力発電所を動かしています。その意味では確かに再エネは否定できません。水力発電は仕様上、有事の際でも非常用の電源により、すぐに使えるメリットがあります。しかし、水力のみで北海道の電力需要をまかなえるわけでもなく、そしてその利用にも様々な制約があります。

ちなみに、水力も再エネの一種とはいえ、こちらは電力の調整が容易であるなどの理由があるためか、太陽光・風力等とは別物(統計・グラフ等でも再エネとして一括りにしない傾向)として扱われています。

‖ 電源の分散化は、中規模火力が望ましい

今回のブラックアウトについては、電源の一極集中が問題であるとして、その対策としては分散化を求める声が多く聞かれます。こちらについては私も同感です。

一口に分散化と言っても、その定義は人によって微妙に異なるかと思います。私の場合は、とにかく一つのサイトで大型の電源を設置しないことです。泊原発や苫東厚真のように、例えば冬季最大で520万kW程度の需要に対して、供給力が207・165という数字は、やはり巨大に過ぎると考えます。

そして、私が考える分散化は火力発電をベースとしたものです。理想としては、中型のLNG火力(出力30万kW程度)を採用し、有事の際に特定地域で100万kW単位で電源が落ちることがないような配分です。

‖ 石狩湾新港LNG火力は、分散化に貢献すると言えるのか?

分散化で火力(LNG)という意味では、現在試運転中の石狩湾新港LNG火力1号機(1機あたり57万kW、2030年までに合計3機・総出力170万kWの予定)が挙げられます。

社説 北海道地震 電力安定供給へ課題は多い
2018/10/7 https://archive.fo/izwQV #読売新聞

一部抜粋

北海道電は供給力強化のため、来年2月に新たな液化天然ガス(LNG)火力の稼働を計画していた。



新聞の社説等でも、北電は電源の分散化に消極的だったわけではなく、結果として石狩湾LNGは間に合わなかったというような説明が目に付きます。つまり、電源の分散化の一環としての石狩湾LNG火力という説明のされ方です。

私もLNG火力の建設という意味では歓迎なのですが、これが電源の分散化に貢献するのかといえば、正直、かなり疑問に思うところがあります。

北海道電力 石狩湾新港発電所の必要性
https://bit.ly/2QZfh2Y

一部抜粋

既設火力発電設備の経年化への対応
石狩湾新港発電所1号機が運転を開始する予定の2019年までに、運転年数が40年を超える当社(グループ会社を含む)の火力発電設備(10万kW以上)は13機中6機と、約半数程度になります。

今後、経年化が進んで設備トラブルの増加が懸念されることから、中長期的には代替電源の確保などの対応が必要です。



北電のサイトによれば、石狩湾LNG発電所の必要性については、一番目に挙げられているのは自社の老朽火力発電所への対応です。

たしかに火力発電所の老朽化問題は重要だと思います。しかし、これは当然なのでしょうが、新規の火力発電所が建設されるということは、古いものから順に廃止になるはずです。

石狩湾LNG火力は、先のとおり1機あたり57万kWと、北海道の需要規模から考えると大型と言えます。最終的には170万kWまで増設されるわけですが、これは結局のところ、北電が所有する火力発電所の「選択と集中」ということになるのではないかと。だとすれば、これは電源の分散化とは逆行することになります。

それから石狩湾LNGの所在地・立地に関しても問題があると思います。

石狩湾LNGと聞いても、それがどこにあるのかは、特に道外の方はよくわからないと思いますし、道内の方も微妙かも(?)しれません。実は私も‥w

Googleマップ 北海道電力㈱ 石狩湾新港火力発電所
https://bit.ly/2yxEB9J

実際に地図を見てみると、立地的には電力の最大消費地である札幌に近い。これは電力供給という意味では理にかなっていると言えます。

しかし、ちょっと目線を左の方に向けてみますと、例の泊原発があるのです。

泊原発と石狩湾LNGは、距離的には60キロ弱でしょうか。将来、仮にこのあたりで大規模な地震が発生した場合はどうなるのでしょうか。

前回と同様に、泊原発で過酷事故が起きるなどとつまらなことは言いません。しかし、それでも今後北海道は、最大で一度に400万kW近い電源(207+170)を失うリスクを抱えることになる。現状の泊+石狩湾LNG1号でも260になります。

そのようなことは起きないで済むに越したことはないのですが、どうなんでしょうか。

その5につづく

2018/10/20 追記

 三番目には電源の分散化にかんする説明がありますが‥。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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