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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

続・北海道胆振東部地震と北海道のエネルギー安定供給について考えてみる その5 

‖ 中規模火力の分散化は、北電と反原発派が容認しない

前回のような中規模火力の分散化については、北電としてはやはり経営上の観点(大型化によるスケールメリットは捨てがたい)から容認できず、当然原発もやめない。同時に、反原発派はとにかくCO2が出る発電所の存在を許さない。今後、彼らは石狩湾LNGの2・3号機の建設中止を主張し始めてもおかしくありません。

どうなんでしょうね?そのうち原発推進派と反対派は、再エネを主力電源化して、同時に原発の出力調整を行うことでうまくやっていく。そんなシナリオもあるんじゃないでしょうか。

このような見立ては私がブログを開設する前から何度か考えたことがあります。同時に、「いくらなんでもそれはないw」と思いつつです。しかし、それがあながち荒唐無稽とも言えないのではないかと、先日の道新の社説を読んで実感した次第です。

社説 太陽光出力制御 原発優先ルール再考を
2018/10/19 https://archive.fo/VEiJb #北海道新聞

一部抜粋

 国のルールでは、原発より先に太陽光や風力の出力を制限すると定めている。
 だが原発優遇の出力制御が度重なると、再生可能エネルギーの使い勝手が悪くなり、普及に水を差さないか。再生エネを将来の主力電源とする国の方針に逆行する。

・・

 原発は出力を一度下げると、戻すのに時間がかかり、経済産業省は出力調整が難しいと説明する。しかし、ドイツやフランスでは需要に応じて原発の出力を調整しており、不可能ではない。



私は基本的に、表立って反原発などと仰る方(組織)は、たとえそれがどんなに社会的に立派な立場であっても、額面通りには受け止めない主義です。

‖ 現実的には北本連系の増設か

余談はさておき、発電所の分散化は現実的には難しい。そうであれば、他の手段で同等の結果を得られる方法があります。こちらの場合は、非常時でも瞬時に電力をやり取りできるという意味で、より優れていると言えるでしょう。

つまり、現在北電が青函トンネルを介して建設している、新しい北本連系のさらなる増設ということになります。

全道停電 10月中に検証結果 世耕経産相 北本連系線の増強も検討
2018/9/19 https://archive.fo/9ARA1 #北海道新聞

一部抜粋

 世耕弘成経済産業相は18日、北海道新聞のインタビューに答え、胆振東部地震の発生に伴うブラックアウト(大規模停電)の原因を調べる第三者委員会による検証結果を10月中にまとめる考えを明らかにした。北海道と本州をつなぎ電力を融通し合う北本連系線(送電容量60万キロワット)は来年3月に30万キロワット増強されるが、「90万キロワットでもまだ細い」と指摘し、さらなる増強も検討していく考えを示した。



検証 連鎖の構図ブラックアウト(3) 北本連系 電力融通 高まる増強論
2018/10/12 ※記事全文は後日UPします #北海道新聞

一部抜粋

 安倍晋三首相は9月10日に開かれた自民党総裁選の共同記者会見で、北本連系増強の可能性にふれた。首相が個別の連系線に言及するのは異例。世耕弘成経産相も「90万キロワットになってもまだ細い」と指摘する。



北本連系の増設については、ブラックアウトの直後から、世耕経産相・安倍首相らから前向きな発言が聞かれます。ただし、一義的には世耕経産相の仰るとおり(2番目の記事より)、ブラックアウトを検証する第三者委員会の意見が優先されるのだと思います。

しかし、同委員会は技術的な検証が主体で、電源の分散化など、直接的な北電の経営方針にかんする提言までは行われないと思います。とすれば、ボールはすでに政治の側に渡っていると考えてよいのだと思います。

予定ではその6に続くはずでしたが、今回の連載はこれで終了です。続きはタイトルを「北本連系ミニ研究(仮)」と題して、新たな連載企画を予定しています。この間、北本連系についての個人的な疑問について、電源開発・北電に問い合わせたメールとその回答を元にいろいろ考えていくという内容です。

- おわり -

2018/10/21 追記

 原発の出力調整は、たしかに道新の社説のとおり、不可能ではありません。事実EU諸国の一部ではそのような調整が行われています。日本では1987、88年に四国電力の伊方原発2号機で調整運転の試験(いわゆる12・3・6・3運転、伊方2号は2018年3月に廃炉を決定)が行なわれています。

ただし、出力調整は特に核燃料に負荷がかかりやすいようで、その分品質低下が起きやすい、場合によっては破損するリスクもあるようです。

出力調整といえば、原発大国フランスがよく話題に上ることがあります。フランスはこちらについてもいち早く導入を進め、そのノウハウも他国が追随できないもの(先のリスク対策も取られているようです)があるようです。

しかし、出力調整のリスクはもう一つあります。それは、本来定格出力でまとまった電力を供給できる原発のメリットを損なうということです。日本の事例に当てはめれば、フルで使う/調整を行うとしても、稼働年数は原則40年(+例外で20年)です。

実は現在のフランスの原発依存度が75%の秘密は、以前に経済成長を見越して作りすぎた(持て余している)ことにあります。意図して目指したというよりも、結果的にそうなったのです。一部で見られる出力調整もその流れで行われているのです。

そのような意味で、国際的には、今後も原発の出力調整が積極的に行われることはないと思います。近年建設費の高騰が問題視されている新型であればなおさらのことではないかと思います。

フランスの原発事情については、「NHKスペシャル シリーズ21世紀 いま、原子力を問う 原発・推進か、撤退か(1989)」により詳しく書かれています。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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