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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録7 -日米原子力協定- その5 

・・とまあこういう感じになりますが、2013年頃から出てきた「日米原子力協定を破棄しなければ脱原発が不可能である(協定破棄論)」という俗説には、当時の私の知見から考えても「あり得ない話」というわけで、全くスルーしていました。別に知見と言っても、新聞記事やニュース、TVドキュメンタリー、図書館であるとか、あるいは古本を買い求めるなど、そんな程度のことです。

‖ 隠された真実と「ニセモノ探し」

しかし、現実はその真逆を行くというのが世の不条理と言いますかwこの「協定破棄論」がネット上に登場するようになってからというもの、瞬く間に「原発の隠された真実」として、原発反対派の常識として浸透していったのです。

反原発を謳う大手ブロガーや多数のフォロワーを抱えるツイッターユーザー、山本太郎氏のような社会的影響力の強い人が音頭を取り、繰り返し「拡散」されていきました。

その結果、ネットやデモ、各種集会などでも「日米原子力協定を破棄しよう!」なんて皆さん息巻いていらっしゃるというのが、当時から今まで続く風潮ではないかと思います。

当時の私は「こんなわけのわからない話で盛り上がると後々大変なことになるぞ」と懸念していましたが、日に日に「協定破棄論を言わない反原発はニセモノだ!」というような、そういう殺伐とした空気が作られるようにもなりました。

私も自分のできる範囲内で「協定と原発なんて関係ないし、変なことを広めるのは良くない」なんて言ったこともあるんですが、やっぱり「このニセモノ野郎!」とか「分断工作員」、「CIA・アメリカの犬!」みたいにこっ酷くやられてしまい、半ば呆れてしまったのです。

‖ 先生方に聞いてみよう

そして今年に入って、ある日晩酌とネットのプロ野球中継を楽しんでいた時に、ふと「協定破棄論」のことを思い出しまして、気になって今の流れをツイッターなんかで調べてみましたが、やはり相も変わらず「日米原子力協定を破棄しなければ原発をやめられない!」なんて話が拡散され続けていたのでした。まだこんな話で盛り上がってるんだと。

まあしかし、それでも私の理解に間違いがあるのかもしれないということであれこれ考えて、「だったら専門家に話を聞くのが一番」ということで、前回のTPPの時と同様に、平智之先生と、原子力資料情報室にお伺いするしかないと。

そこで私は、平智之先生と原子力資料情報室宛てに、巷で定説とされる「日米原子力協定と脱原発の不可分性」と、それらに対する私なりの見解(ブログで言えばその1から3までの範囲)を添えた上で見解を伺うという形式でメールを出しました。

というわけで、私の質問に対するお答えを、平先生から順に下記に掲載いたします。例によって、お互いのプライバシー等に関わる部分はぼかしを入れています。ご了承ください。

Re: Re: 脱原発とTPP(ISD条項)の関連性についての質問です(平智之)

tairakyoutei.png

クリックで画像を拡大できますが、↓にテキストにしたものを掲載いたします。

×× 様(名前は仮名なので伏せなくてもよかったのですがw)

「原子力協定が脱原発の障害になっている」という説は私も聞いたことがあります。不思議な説でした。私が聞いたのは「アメリカからウランを購入することが義務付けられている」という説でした。お聞きしたその場で私から「それを核分裂させることまで協定は義務付けているのですか?」「万一購入が義務だとしても燃やさなければよいだけではないですか?」とお聞きしましたが回答はありませんでした。

ISDSにしても原子力協定にしても、いまでもそれらが脱原発の障害であると信じている方が多いのでしょうか。そして、そのような言説がいまでも脱原発運動の拡大に貢献しているのでしょうか。その他、お気づきの点があれば教えて下さい。有難うございます。

平 智之



これはなぜタイトルが「脱原発とTPP」なのかと言いますと、実はこれはニセモノ狩りシリーズの「6 -TPP(環太平洋パートナーシップ協定)-」でお出ししたメールの続きでして、平先生との話の流れからこの件も聞いておこうと、そういう経緯があったためです。

やはり平先生も協定破棄論には「不思議な説である」と仰っています。そりゃそうですよ、こんな話は真顔で語るようなことじゃないんですからw

加えて平先生のご懸念にお答えする形になりますが、現実に原子力協定が脱原発の最大の障害であると信じている方は大勢いらっしゃいますし、そのような言説が原発反対運動をかえって混乱に陥れているということなのです。


お尋ねの件について(西尾漠 原子力資料情報室共同代表)

nishiobakukyoutei.png

×× さま

お問い合わせをいただき、ありがとうございます。
まったく同じ考えです。
協定破棄はありえないと思います。
原子力利用の放棄により終了させるものと思います。

原子力資料情報室 西尾漠



原子力資料情報室の共同代表を務めておられる西尾漠氏。反原発のカリスマと言われた高木仁三郎先生の盟友であり、原発に関する著作も多数執筆。そのような経歴をお持ちの方です。原発反対の大先輩、そして老舗団体の見解からしても、協定破棄論は「ありえない」ということなのです。

‖ 隠された真実を信じ込む危険

今まで「日米原子力協定」についていろいろ書いてきましたが、実際私の考えを第2第3の有識者の視点から見ていただきましたし、上記のように基本的に相違はないという判断を頂いています。ですので、私もこの件でそう外したことは言っていないだろうと、そのように考えています。

日米原子力協定の破棄。そもそも脱原発とは関連する話ではないですし、事実上の「日本の核武装の壁」である同協定を破棄することは、これは常識的な通念、国際関係等から考えると、別の意味で非常に危険な説と言えましょう。

原発と統治行為論。ただの湯沸かし器である原発に、我が国の国防に関連する高度な政治性などあるわけがなく、したがって司法はその判断を回避するという論理はありえません。

その6につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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