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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

原発の推進を義務付ける法律・契約等の一例 その1 

‖ 「未計画の事業を料金転嫁」にかんする記事の意味について

関電、未計画核燃事業を料金転嫁 消費者に説明なく負担増
2019/3/25 https://archive.fo/UyV0M #共同通信

一部抜粋

原発の使用済み核燃料を再利用する再処理費用を巡り、関西電力が、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の事業費に加え、具体的な計画がないプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を扱う別の再処理工場の費用も電気料金へ転嫁し始めたことが25日、分かった。九州電力も近く転嫁を始め、他の大手電力も追随する見込みだ。関電と九電は転嫁を決めた際、こうした事実や負担額を消費者に説明していない。



先月の下旬あたりだと思います。関電が未計画の第二再処理工場の費用を電気料金に転嫁した、けしからんという内容の記事が出回り始めたのは。

たしかに、当面行われる見込みが無い事業の料金を、今から徴収するというのはおかしな話に思えます。現状、第二再処理工場は影も形も存在しませんので。

しかし、これは別に、電力会社が消費者に無断で、さらなる負担増を求める性質ではないということです。

そもそも、以前より電力会社は、核燃料サイクルのための費用を積み立てています。会計上、六ケ所再処理工場(青森県)にかんする事業を「積立金」、六ケ所以外の未確定の事業を「引当金」として計上してきました。

しかし、2016年に成立した再処理等拠出金法(法改正)により、これらの勘定科目を統合して「拠出金」となりました。

そのため、くりかえしになりますが、特段、電力会社が第二再処理工場の事業費用を新たに徴収し始めたとか、そういう話ではないのです。そして、上記の記事のように関電のほか、他社も追随するのは当然です。というより、既に行われているかもしれません。

9月2日付 共同通信「MOX燃料の再処理断念 電力10社、費用計上中止 巨額負担理由に 核燃サイクル崩壊」について
2018年9月3日 https://archive.fo/2uYRf #電気事業連合会

2016年10月に施行された再処理等拠出金法では、全ての使用済燃料について、関連事業のための費用を含め、発電時に原子力事業者に拠出させることとするとされており、現時点までに具体的な再処理の計画を有さない使用済燃料の再処理等費用を含む、全ての使用済燃料が拠出金の対象となっています。

私ども原子力事業者としては、2016年度以降、同法令に基づき適切に拠出を行っており、‥



ちなみに、2016年の法改正によって、拠出金は使用済燃料再処理機構(実際の業務は日本原燃に委託)が引き受けることになりました。これは、従来の民間主体の積立方式ではなく、義務として国の機関に費用を拠出することで、核燃料サイクルを安定的に行うことが目的とされています。

原発事故や電力自由化の影響で、核燃料サイクル政策に不透明さが増してしまった。国としてはこれはよくないということで、より安定的な事業を行うための法改正が行われた。それに伴ない、会計上の変更が行われたという話です。

‖ 再処理等拠出金法に賛成して原発ゼロを訴える政党の矛盾

再処理等拠出金法の成立により、一部の有識者からは核燃料サイクルの永続化法だという批判も見られました。たしかに、将来が不安だから強化するのでは、話としてはおかしいと私も思います。政策的に多くの矛盾を抱え、それが実現困難であるとすれば、泥沼化を避ける上でも撤退を視野に入れることが必要だと思います。

しかし、このような不可解な法改正に協力したのが、現在原発ゼロなどと主張している立憲民主党・国民民主党の前身である、民進党であったという事実を忘れてはいけないと思います。原発ゼロを掲げるはずの政党が、そのためのハードルを一層高くしてしまったわけですから。どちらも信用できませんね。

かといって、世の中ただ反対すればいいというものでもありません。商売で「何でも反対」している政党の反対票も、やはり信用はできません。

‖ 再処理等拠出金法は使用済み核燃料の直接処分を想定していない

衆議院 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
2016 http://u0u0.net/SMXF

一部抜粋

一 核燃料サイクル政策は、今後の原子力発電所の稼働量、再処理施設の稼働時期、技術革新、国際情勢等と密接に関係しており、事業期間も長期にわたるため、将来の状況の変化に適切に対応できるよう柔軟性を確保すること。そのため、将来的に状況が変化し、政策の見直しが必要となるような場合には、政府は責任を持って、本法律案についても見直しを検討し、必要な措置を講じること。
また、本法附則第十六条の規定に基づく見直しに当たっては、政府答弁や附帯決議を踏まえて行うこと。

二 核燃料サイクル政策の将来における幅広い選択肢を確保する観点、さらに、すでに発生している研究炉の使用済燃料や福島第一原子力発電所の使用済燃料対策の観点から、使用済燃料の直接処分や暫定保管を可能とするための技術開発や必要な措置など、多様なオプションの検討を進めること。



再処理等拠出金法の附帯決議を見てみると、そこにはたしかに「直接処分」、あるいは「柔軟性」という文言があります。これらは、国会質疑での経緯から、民進党の意向が考慮された可能性があります。

しかし、決議の全体像を見渡せば、基本的に直接処分は想定されないことは明らかです。例えば三は再処理の推進を経産相が指示する意味合いで、七では青森県や原発立地自治体との一層の協力関係の構築、九では自由化・原発依存度低下に関わらず再処理を推進等。柔軟性を装う、硬直的な全量再処理・核燃料サイクル政策の推進です。

原発支援へ補助制度案 経産省、2020年度創設めざす
2019/3/23 https://archive.fo/Saoid #朝日新聞

一部抜粋

経済産業省が、原発で発電する電力会社に対する補助制度の創設を検討していることが分かった。温室効果ガス対策を名目に、原発でつくった電気を買う電力小売事業者に費用を負担させる仕組みを想定しており、実現すれば消費者や企業が払う電気料金に原発を支える費用が上乗せされることになる。2020年度末までの創設をめざすが、世論の反発を浴びそうだ。



第二再処理工場の記事より少し前になります。経産省が原発への新たな補助金制度の検討という内容ですが、おそらく、これも、再処理等拠出金法の影響によるものだと思います。原発の政策的な延命措置は、今後も継続的に進められることは確実です。

その2につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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