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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

電力・エネルギーニュース ショートコラム(8) 

‖ 日本のエネルギー外交史から垣間見る、「日本はアメリカの言いなり」論のウソ

前回のコラム(2本目)の補足です。前回予告していた詳細な続編は、別の機会を予定しています。

反原発団体・活動家の多くは、原発反対と同時に「平和の敵はアメリカと日本」という考え方を広める運動を行っている。そのような話で思い出したのが、彼らは「日本はアメリカの言いなり(対米従属)」という話をしたがる傾向が強いことです。平たく言えば、悪いアメリカに何でも付き従うパシリの日本人は最低だという話です。

アメリカが悪い国かはさておき、私は「日本はアメリカの言いなり」という論説は、これまでの日本の外交姿勢・実績を、極めて一面的に捉えた理解に基づいたフィクションであると考えています。それは例えば、日本のエネルギー外交史を少し紐解くだけでも明らかです。

賛成の日本、米の要請断る エルサレム非難決議
2017/12/22 https://archive.fo/gVfr3 #日本経済新聞

一部抜粋

エルサレムをイスラエルの首都と認定した米国の決定撤回を求める決議を採択した21日の国連総会。日本は決議案の賛成に回った。「賛成国への経済援助を打ち切る」と表明したトランプ米政権の圧力の影響で反対は9カ国、棄権は35カ国に上った。日本は首都認定を巡る米国内の意見対立も背景に、米側に「原則論」を説き、理解を求めた。



2017年の12月、アメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として正式に認めると発表し、国際的にも大きな話題になりました。

しかし、先の記事のように、「言いなり」であるはずの日本は、アメリカの方針に反対しています。

その理由は、今から遡ること46年ほど前の第4次中東戦争・オイルショック(1973/9)に起因します。

現在もエネルギーの主役は石油である日本は、当然、反アラブ諸国(中東の産油国)という外交方針などとりようがありませんでした。しかし、日本はアメリカとの同盟国という理由でアラブ諸国から「非友好国」扱いを受け、西側諸国に課された石油禁輸措置(価格引き上げ・減産・禁輸等)の対象国に指定されたのです。

この窮地の打開策として決定打になったのが、二階堂進官房長官による声明(二階堂声明・談話)です。これによってアラブ寄りの姿勢を示したことで、めでたく友好国になったのです。

この後も日本は、中東和平については二国間協議での話し合いによる解決を堅持しています。そのため、現時点でアメリカに同調する理由は無いということになります。

中東の話とは異なりますが、核燃料サイクル。これも日本はアメリカの意向に反して推進してきたという記事を以前に投稿しています。

なぜアメリカ言いなりのはずの日本が、中東問題や核燃料サイクルで言うことを聞かないのか?それは、日本はアメリカの言いなりという前提条件が間違っているからでしょうね。

‖ 核なき世界の実現を阻む最大の抵抗勢力は、「原子力の平和利用」である

米軍、中東に1500人増派へ イランの脅威に対応
2019/5/25 https://archive.fo/K1ob5 #日本経済新聞

一部抜粋

トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで記者団に対し、イランの脅威に対応するため約1500人の米兵を中東に追加派遣すると発表した。現地での情報収集や迎撃ミサイルシステムの運用にあたる。トランプ氏は「おおむね防御的な措置だ」と説明したが、イランが反発するのは確実で偶発的な軍事衝突のリスクが高まる可能性がある。



最近話題のアメリカ・イランの対立。そのきっかけとなったのがイランの核開発疑惑(トランプ大統領は2015年のイラン核合意を信用せず、破棄)です。

しかし、そもそもイランが核開発に着手できる能力を得るきっかけとなったのが、アメリカの支援でした。

世界的にはアクセスできる手段が限られる原子力平和利用(原発等)。これらを保有する限られた先進国が、各々の友好国に優先的に技術供与する。これを原子力外交と定義すれば、イランの核開発問題はアメリカの外交的な失敗の証明とも言えるでしょう。

その他、核開発を進めながら未遂に終わったイラクはソ連(ロシア)・フランス。核開発に成功した中国・北朝鮮は、こちらもロシア。原子力先進国による外交上の失敗が、世界に核兵器の拡散のリスクをもたらしているという現実があります。

これらの事例に加え、核開発に着手して国際社会からの制裁を受けながらも、その後の情勢の変化で事実上許される場合もあります。インドやパキスタンがそうですし、北朝鮮もどうなるかはわかりません。今は技術導入の前段階ですが、かねてより核開発に意欲的とされるサウジアラビア(アメリカ・ロシアが支援)も危ないと思います。

そして、世界に核兵器が拡散される根源をたどれば、やはり国際社会において、「原子力の平和利用」という考え方が圧倒的に支持されていることに尽きるでしょう。いわゆる反核運動においても、原子力の平和利用は当然とされています。彼らが胸を張る核兵器禁止条約も、平和利用は譲れない権利と規定されています。

私は原子力の平和利用という考え方を一度再考するべきという立場です。そのため、反核運動には賛同しませんし、核兵器禁止条約にも反対です。国際社会が平和利用を前提と捉える限り、核開発予備群に相当する国家がドンドン増えていくことになるからです。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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