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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録7 -日米原子力協定- 応用編その2 

原発推進派は原則として原子力の平和利用の推進を考えており、原子力の軍事利用には与しない。この基本事項を押さえておくことで、自然と一連の話についての応用力が身についてくるのです。だからこその「応用編」なのです。

‖ 平和利用と軍事利用を同時に語る不良老人

例えば、最近の原子力産業新聞ではこのような記事がありました。

JAIF 一般社団法人 日本原子力産業協会 基本的考え方ヒア 森本氏「再処理施設とプルサーマル炉の稼働不可欠」
2015/11/6 https://archive.is/uQYdT

一部抜粋

原子力委員会は11月5日、元防衛相で安全保障スペシャリストの森本敏拓殖大学特任教授から原子力利用の「基本的考え方」についてヒアリングを行った。
 まず、日本が原子力を一定比率維持することは、エネルギー安全保障や化石燃料入手の取引上からも、コストや資源備蓄、国家の抑止機能維持などの観点からも政策手段として必須であると指摘した。

・・

2018年7月に期限を迎える日米原子力協定については、自然な形での自動更新が望ましいとし、そのためには原子力協定の趣旨が活きるよう再処理施設とプルサーマル炉を稼働させて、濃縮やプルトニウムバランスについてのネガティブキャンペーンに注意することが重要だとした。
 さらに原子力人材の育成と高度な技術の維持についても鋭意努力する必要があり、そのためにも日米協力を一層進展させることが不可欠だとした。
 阿部信泰委員は再処理工場などと抑止力を関連づけて語ることについて強い危惧を示したが、森本氏は「抑止力とは相手がどう考えるかの問題」であるとして、日本が一定のレベルを維持することは国益だと語った。



これは先日の11月5日に、原子力委員会で行われたヒアリングでの森本敏氏(拓殖大学特任教授)の発言を基にした記事になります。森本氏といえば安全保障の専門家として、特にワイドショーなどでもおなじみのあの方です。個人的には「ミヤネ屋」とかでよく見かけるような。

余談はさておき、先ほどの基本事項を理解した上でこの記事を読んでみると、森本氏の発言が原子力の推進側にとっては大変迷惑な要素を含んでいることがおわかりいただけると思います。それはもちろん、「国家の抑止機能維持」という意味で原発を推進しようと仰っている箇所です。つまり森本氏は、会合において原発の保持は「潜在的な核武装・核抑止」であるという、先回の話で言えば掟破りの「アウトロー」的な発言をしたわけですね。

原子力は平和利用に限るという原子力ムラの矜持からすると、同席した阿部信泰委員(この方も原発はお好きですが)が森本氏の発言に危惧したのは、これは当然の反応と言えます。阿部氏に限らず、ムラの総意として森本氏のような発言は勘弁してほしいというのが本音でしょう。何かと大事な時期に、フォーマルな場において「実はいつでも核武装できる体制が大事なのだ」みたいな発言をすることがどれほど原子力ムラにとってマイナスであり、ひいては日本国の国際的な信用を貶めることにも繋がりかねないか、ということです。

そして森本氏もこの発言によって、エネルギー安全保障や国際関係(特に中東、アメリカ等)に関する持論を全て台無しにしてしまっているわけで、結果的には自ら率先して「ネガティブキャンペーン」を実施してしまっているわけです。森本氏のような存在は、ムラにとっては味方がエールを送ってくれるというよりも、後ろから銃で撃たれるような心境でしょう。

‖ 不良老人は反対派の味方

ところで、この「後ろから銃で撃たれるような」というような話は、これは原発に反対している側から考えれば好材料ということにもなります。やはり核武装の下心があるんじゃないか、おかしいじゃないかと、原子力ムラにとっては触れられたくない点を突くことが出来るからです。森本氏のご厚意のおかげで堂々とネガティブキャンペーンが出来るわけです。

そして、この件で森本氏のような人物からヒアリングを行った原子力委員会の姿勢を批判することも出来ます。たとえ森本氏の発言は個人的見解であるとしても、森本氏の場合は以前から「原発=潜在的核武装」というようなお話をされてきたわけですから、やはり会合の場に出て来る人材としては不適切であり、委員会そのものが批判されてしかるべきだと思います。端的に言えば人選ミスです。原子力基本法を順守する組織としての資質を疑われかねない重大な問題が含まれていると思います。

その3につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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