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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

余剰プルトニウム物語 -頼れる核兵器材料?プルト君- その3 

たとえ原子炉級プルトニウムが核兵器の材料になり得るとしても、日本のプルトニウムは関係なし!なぜなら、そこには日本独自の核不拡散性に優れた高度な技術が導入されているから安心安全、大丈夫!その秘伝の奥義を、業界筋からは「ウラン・プルトニウム混合脱硝(だっしょう)」と呼ばれています。

日本原燃株式会社 再処理事業について
https://archive.is/KQAH7

一部抜粋

我が国では、原子力基本法に基づき、「原子力の研究、開発及び利用を、厳に平和の目的に限る」(原子力委員会2005年策定「原子力政策大綱」)こととしており、当社再処理工場においても、核不拡散性に優れた技術(ウラン・プルトニウム混合脱硝)を採用しています。



脱硝・製品貯蔵
http://goo.gl/BqabnG

画像をクリックするとフルサイズになります

gennenmox.png

この技術は、再処理によって抽出されたプルトニウムに秘伝のスパイスとハーブ・・ではなくて同量のウランを混ぜることで、核兵器への転用が出来なくなるというものです。前々回の産経新聞の記事にあった「ウランとプルトニウムを必ず混合して回収している・・」という記述はこのことを指しています。

・・なんだ、やっぱり原発のプルトニウムで核兵器なんか出来ないじゃないか!日本の技術はすばらしい!!

と、安心するのはまだ早いのです。実のところ、この秘伝の奥義が「核不拡散性に優れた技術」だと言っているのは日本だけで、世界各国の有識者はそうだとは全く考えていないのです。

‖ 日本品質は国際社会では通用しない

核兵器廃絶日本NGO連絡会 [寄稿] プルトニウムと核拡散リスク (鈴木達治郎 前内閣府原子力委員会委員長代理)
2015/8/3 https://archive.is/xbz2z

一部抜粋

原子炉級プルトニウムは「核兵器利用に適さない(すぐには利用できない)」と主張する意見がある。さらに、このプルトニウムを混合酸化物(MOX)に加工した物質や燃料も同様に「核兵器利用に適さない」とか「核拡散抵抗性が高い」という主張をする意見もある。
これらの主張が正しければ、厳しい国際規制下に置かれる必要はないはずだが、実際にはそうなっていないし、上記の主張をする人たちも「規制を変えるべき」とする意見はほとんどない。

・・

国際原子力機関(IAEA)では、原子炉級プルトニウムを区別して規制をするわけではない。まず保障措置上の「有意量8kg」(核爆発装置に必要なプルトニウム重量)は、原子炉級プルトニウムを含むすべてのプルトニウム(ただし、Pu238が80%未満のもの)に当てはめて決められている。また、保障措置の重要な指標である「軍事転用への転換時間」による分類でも、原子炉級と兵器級の区別はない。むしろ、核兵器に利用するには酸化物から金属プルトニウムに転換する必要があるため、金属プルトニウムでは「日のオーダー(7~10日)」であるのに対し、酸化物は「週のオーダー(1~3週間)」と少し長い時間を想定している。

・・

原子炉級プルトニウムであっても、分離プルトニウムは国際規制上最も厳しい管理を必要とするのであり、万が一盗難や紛失が起これば、日本政府も厳重な対応を迫られる。



このように、たとえプルトニウムに少々の処置を施したところで、日本原燃が自画自賛するような「核不拡散性に優れた技術」というほどでもなく、実際には1~3週間もあれば悪用も可能であるということなのです。

この種の資料は他にもたくさんありますが、やはりここは原子力委員会の委員長代理を務めた経験のある鈴木達治郎氏のお名前を出した方が望ましいと考えました。以前にも書いた通り、鈴木氏は「原発推進派は原子力の軍事利用に与しない」という矜持のとおりの意見を述べられています。

以前から私は「プルトニウムは核拡散の抵抗性を高めて廃棄処分にする」と書いてきましたが、これは、例えばプルトニウムに強力な放射能を持つ廃液などを混ぜて固めると、その分悪用が難しくなり、仮に盗まれたとしても、数か月~年単位のオーダーになるでしょう。その間に何らかの対策を講じる時間を得る(=核拡散への抵抗性が高い)ことが出来ます。これが数日や2週間程度では頼りないです。

そういう意味では、例えば原発の使用済み燃料は最初から「核拡散の抵抗性が高い」と言えます。未使用の燃料は手で触っても全然大丈夫ですが、ひとたび使用済みになると、その場に居合わせるだけで直ちに健康に影響が出るからです。

‖ 他者から見ると・・

結局のところ、日本のプルトニウムは核兵器への転用が可能であることはみんな知っているのに、政府も関連する企業も「出来ない、不可能だ」という答弁を繰り返している。国内外の専門家が追求すると、「日本は唯一の被爆国だから・・」というような浪花節的な説明に転じ、盗難のリスクを指摘すれば「盗まれない(盗まれたら想定外?)」と説明する。

このような説明になっていない説明に加え、それで時折、「原発は潜在的な核武装になる(だからやめるべきではない)」というような物騒な話を一部の有力政治家やエネルギーや安全保障の専門家、大新聞等がしてしまう。

これでは他者から見れば、日本は何だか挙動不審な行動を取っているなと、そう疑われても仕方がないのです。

その4につづく


2015/11/28 追記

当初は記事の最後に「もんじゅ」の話を少し書いたのですが、この件はまた日を改めて、別の連載でということにします。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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