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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

高浜原発3・4号機再稼働差し止め訴訟について少し考えてみる 

高浜原発の再稼働認める 福井地裁が仮処分覆す 大飯も差止め却下
2015/12/24 https://archive.is/UIIeS #reuters

一部抜粋

関西電力(9503.T)高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた今年4月の仮処分に対する関電からの異議申し立てについて、福井地裁(林潤裁判長)は24日、4月の判断を覆し、関電の主張を認める判断を示した。この結果、高浜原発は今冬にも再稼働することがほぼ確実になった。
福井地裁は、関西電力が「新規制基準の内容と原子力規制委員会の基準適合性判断に不合理な点はないと主張を尽くした」と認定。今年4月に、樋口英明裁判長(当時)は新規制基準について、「合理性を欠く」として、再稼働差し止めの仮処分の住民請求を認めていた。




福井県の高浜原発3・4号機の運転差し止めの仮処分が決定されたのが今年の4月になりますが、その後に関西電力が異議申し立てを申請し、12月24日に仮処分の決定が覆される結果になりました。これで事実上、高浜原発の再稼働は確定し、関西電力は来年の1月下旬を目途に準備を進めているようです。

私も一応は原発に反対なので、このような結果になってしまったことは残念ではありますが、原発をやめるということは国内政治の問題上、そう簡単なことではないこともありますし、目先の結果にとらわれてはいけないのだろうと思います。

‖ 目先の結果はさておき、現実に司法リスクを無視できなくなった電力会社

前向きに考えれば、そもそも4月の運転差し止め仮処分(裁判の判決の間に差し迫った危険や損害が起きることを防ぐための裁判所の措置)の決定が出たこと自体が快挙でした。

仮処分が認められると関西電力は原発を動かせないわけですが、状況的には電力側が相当劣勢に立たされたそうで、最後にはプライドを捨てて(?)、「忌避申し立て(=裁判官を裁判から外すこと、認められた事例はごく僅か)」を申請したほどです。元来、優秀なスタッフを従える強者の側が、日本の裁判史上でも例外的にしか認められない「一縷の望み」に賭けたのです。

結局、賭けに敗れた関西電力側の主張は退けられ、申請が裁判所に認められることになりました。これは日本の原発訴訟では初の事例です。

残念ながら、その画期的な決定も12月24日には覆されてしまったわけですが、裁判所も原発の安全性にお墨付きを与えたわけでもないようです。

注文受け止め万全の再稼働を(日本経済新聞 社説)
2015/12/26 https://archive.is/Ko8Wu #日本経済新聞

一部抜粋

 一方で、国や電力会社が重く受け止めるべき点も多い。地裁は「規制基準は安全神話に陥らないよう最新の知見を反映し、高い水準の安全性をめざす努力が求められる」と注文をつけた。



一度作られた政策というものは、これを止める方向に進ませるためには膨大なエネルギー(人的、経済的、政治的等々)が必要になります。場合によっては政策を通すために消費したエネルギーとは比較にならないほど困難になることもあるでしょうし、原発の場合は間違いなくそうです。そのようなわけですから、「脱原発は1日にして成らず」というわけです。

‖ 陰謀論に安住する原発反対派

問題なのは、こういう「1日にして成らず」の現実から逃れ、陰謀論的な論調に安住してしまうことです。これが原発を止める上では結果的には一番の障害になると私は考えています。

原発反対派の間では、相変わらずネットを中心とした「日米原子力協定があるから原発をやめられない(破棄するべき)」などといった都市伝説が幅を利かせています。原発の是非と原子力協定は関連性が無いわけですが、多くの方が「ネットの真実」にやられてしまい、ネットで得た知識が実社会ではデモや集会などを通じ、誤った「隠された真実」が拡散されています。

このような状況を重く受け止めた河合弘之弁護士(今回の高浜原発訴訟の弁護団共同代表でもありますが)も、そのようなことはないと講演会等で説明されているのですが、「でもネットではそう書いてある」となってしまい、原発に反対と仰る方が、河合弁護士の足を引っ張る形になっているのです。

ネット以外では、矢部なにがし氏の「なぜ基地と原発が・・」みたいな本もベストセラーになっているようですが、なぜあのような内容で「目からウロコが出た!」と絶賛される方が多いのか、私にはまったく理解できません。

ネット上に飛び交う様々な「真実」や、「なぜ」という割おかしなところだらけのベストセラー本。これらの「負の相乗効果」が発揮されてしまうと、実社会で本気で原発を止めようと汗を流している専門家の足を引っ張るだけでなく、原発反対論そのものに悪影響を与えてしまう可能性があります。原発に反対する側の姿勢というものも一度再確認する時期に来ているのだと思います。

もっとも、そのようなことは2.3年遅いというのが正直なところですが、それでも実際に再確認されることもないだろうとも考えています。つまり状況はますます悪化するだろうということです。


今年の更新は今回で「仕事納め」とさせていただきます。ニュース記事の紹介は少しあるかもしれません。年明け5日以降くらいにまたやっていきたいなと考えています。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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