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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

核武装論よりエネルギーの話をしよう 

予定を変更してまた北朝鮮ネタということになりますが、どちらかと言うと今回は韓国がメインです。

先月8日の北朝鮮の「水爆実験と称する核実験」の話ですが、そこで私は「こういうことが起きると周辺諸国で核武装論が盛り上がる」というようなことを書きましたが、これは当然、韓国も該当します。

NHK解説委員室 ここに注目! 「えっ!韓国が核武装?」 出石 直 解説委員
2016/2/16 https://archive.is/GQF1v #nhk

一部抜粋

Q1、核武装というのは、韓国が核兵器を持つということですか?

A1、にわかには信じがたい話ですが、北朝鮮の核実験以降、有力な政治家、メディアの中にも社説で「核兵器を保有すべきだ」と主張するところが出てきました。先月行われた世論調査では実に54%過半数が核武装に「賛成」と答えています。(反対は38%)



日本核武装論ならぬ、韓国核武装論。「にわかには信じがたい話」とはいえ、このような俗論は水爆実験やミサイル騒動でにわかに出てきたわけではなくて、それ以前からあったことです。たとえば・・

[国際]「核武装論は間違っていない」李大統領…「だが時期尚早」
2013/2/15 http://archive.fo/os6kR #産経ニュース

一部抜粋

韓国の李明博大統領は15日、退任を前に東亜日報とのインタビューで韓国の核武装論について「愛国的な考えという点で高く評価し、そうした発言が北朝鮮や中国に対する警告にもなるので間違っているとは思わない。われわれの社会にそう考える者もいなければならない」と述べ支持を表明した。

 しかし一方で「国際協調を通じた核放棄が最終目的なので政府が核保有を語るのは時期尚早でよくない」と述べ、現時点での核武装論議には消極的な立場を明らかにした。



韓国の先代の大統領である李明博(イ・ミョンバク)氏。いくら退任直前とはいえ、大統領の立場でありながら「核武装論は間違いではない」と、なかなかきわどいことを仰っている。一応「時期尚早」とフォローも入れているようですが、本来ならこれですら重大な問題発言ではないかと思いました。

これらは比較的最近の話ですが、実のところ韓国核武装論というのはもっと以前、北朝鮮が実際に核兵器を持つ(2006)よりも大昔からあったようです。

‖ 韓国核武装論のルーツ

加藤哲郎・井川光雄 編 原子力と冷戦 日本とアジアの原発導入 第7章 南北朝鮮の原子力開発 - 分断と冷戦のあいだで - 小林聡明
2013/3 http://goo.gl/jp3T8W

一部抜粋

 海外から原子力の平和利用の意義が伝えられる一方、韓国国内‐とりわけ国会‐では原子力の軍事利用の必要性も盛んに言及されていた。
 1955年3月31日、与党自由党の金省三議員ら17名の国会議員は、原子物理学研究と、原子力に関する諸般の問題を検討する機関として原子力委員会の設置を求める緊急動議案を提出した。

・・

質疑に立った朴永出議員も、原子力研究を国家経済だけではなく、核兵器の保有へとつなげていく重要性を指摘した。これに対する反対意見はだされなかった。



資料によると、韓国核武装論の根本原因は朝鮮戦争(1950~1953、以後休戦状態)によって手痛い被害を受けたことによる北朝鮮への恐怖、警戒心によるようです。ちなみに、北朝鮮における原子力の軍事利用への強い関心は、原子力技術や経済的な支援国であったソ連・中国との関係の変化によるものが大きく、概ね60年代以降のようです。

現在の韓国核武装論を歴史的な経緯を踏まえて考えると、北朝鮮における1990年代からの核開発疑惑、そして2006年の核実験によって、驚異の対象が質的な変化を遂げたこと。これが韓国の世論にも影響を与えているのだと思います。

‖ 非現実的ではなく、より前向きな政策を

もちろん、実際には韓国も日本も核武装することは出来ません。これは技術的な問題というよりも、それ以外のすべての領域におけるハードルが高すぎるからです。万が一にもそんなことをしたら国際的な信用を失ってしまいます。

信用を失うということは、当然エネルギーの安定供給・安全保障を著しく損なう可能性が極めて高い。私が核兵器に批判的な理由はそこに(感情論による保有の是非には与しません)あります。そのため私は、本来このような話が出てくるだけでも日韓両国にとってはマイナスになっていると思っています。無駄な時間の浪費に加え、国際社会に不安を広める事に貢献するだけですから。

実現性も生産性もない話で国際社会に悪影響を与えるよりも、日韓両国はより建設的なエネルギーの議論をした方が有益というものです。核武装よりもエネルギー、例えば天然ガスの話でもした方が良いわけです。日韓という関係で言えば、この場合はLNG(液化天然ガス)になりますか。

日韓は世界最大のLNG消費国(合わせて5割・PDFファイル)でもあり、両国が協調(共同調達・海外案件の共同開発等)することでより安価にLNGを含めた化石資源を調達することも可能になりますし、既にそのような話は政府・民間レベルで進みつつあるのが実情です。

経済産業省・資源エネルギー庁 エネルギー基本計画 平成26年4月(PDFファイル)
2014/4 http://goo.gl/u8IoAl

一部抜粋

3.エネルギーコスト低減のための資源調達条件の改善等

 資源調達条件の改善については、個別の契約レベルでは、基本的に民間企業間で調達条件が決定されることになる。国としては、価格決定方式や仕向地条項など取引条件の多様化に向けた議論が行われる環境整備を進めていくとともに、新しい共同調達の戦略的な活用による交渉力の強化など、資源の安定的かつ安価な調達に向けた戦略的な取組を支援していくことが必要である。
 具体的には、LNG産消会議、日印エネルギー対話、日韓ガス対話など、国際的な対話の機会を数多く確保することで、産消国間の意思疎通の円滑化、消費国間の連携強化などを進めていく。



中部電、韓国ガス公社とLNG共同購入
2013/1/11 https://archive.is/qTSpE #日本経済新聞

一部抜粋

韓国ガス公社のLNG調達量は年約3000万トン超と世界最大で、中部電は約1400万トンと同4位。中部電は11年の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止で調達量が平年よりも約4割増えている。
 アジアのLNG調達は売り手と買い手が一対一の長期契約が主流で、欧米などに比べLNG価格が割高になる主因となっている。アジアの大手需要家が手を組み供給者と交渉することで、「単独で購入するよりも購入価格を引き下げ、配分を自由に決める柔軟な条件もついた」という。



東京ガス、韓国ガス公社とLNG調達で提携 価格交渉力強化
2014/9/25 https://archive.is/1gx0i
#日本経済新聞

東京ガスは25日、韓国ガス公社と液化天然ガス(LNG)の調達で提携すると発表した。世界最大のLNG需要家である韓国ガス公社と組むことで、LNGの購入やガス田の権益取得に際し価格交渉力を強める狙い。欧米より割高なアジアの天然ガス価格を引き下げ、長期的な経営課題となっている原燃料コストの削減につなげる。
 両社は24日に「戦略的相互協力に関する協定」を結んだ。具体的な提携内容はこれから詰めるが両社間のLNG融通や、共同購入、ガス田への共同出資などを検討する。



このような互恵関係を円滑に発展させていくためにも、日韓共通の懸念材料を着実かつ平和裏に解決の方向に導く努力が求められます。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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