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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

アメリカが核燃料サイクル政策に難色を示すことは別に異例ではない その1 

日本の核燃料サイクル政策、米高官が異例の懸念
2016/3/27 https://archive.is/vTNcU #読売新聞

一部抜粋

トーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)は17日、上院外交委員会の公聴会で、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す日本の核燃料サイクル政策や中国の同様の計画に対し、「核安全保障と不拡散にとって懸念をもたらす政策だ」と述べ、計画を停止することが望ましいとの考えを示した。
 カントリーマン氏はこの中で、日中と韓国が再処理の計画を進めていることに対し、「理性的ではない形で競争が激化している。経済的にも合理性がない」と懸念を示し、「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と語った。



10日ほど前だったと思いますが、アメリカの政府高官が日本(というより世界の)が核燃料サイクルを続けることは好ましくないという発言をしたことがきっかけで、国内でもちょっとした話題になっています。

いろんな新聞記事を見たところ、この件に関して概ね「異例の」というような言葉が見られますが、私は特に異例だとは思いませんでした。まあそうだよねというような感想です。

‖ そもそもアメリカは再処理に積極的ではない

これは以前からしつこく書いてきたことではありますが、そもそもアメリカは核燃料サイクルには否定的なスタンスなのです。新聞記事にある「現役の高官としては異例」かどうかはともかく、以前からアメリカの国策としてはサイクルに否定的で、実際に他国に対しても再処理を推奨してこなかったわけで、別にそれほど驚くべきことでもないでしょう。

日本では原発事故後に山本太郎参議員議員や、山本氏の主張を真にを受けたと思われる原発反対派の方々が、「アメリカの圧力で再処理を無理やりやらされる!」みたいなことを叫んでいましたが、もしそうであれば今回のように、「すべての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」なんて話は出てきません。

再処理をやりたい側はあくまで日本。例えば70年代後半からの88年にかけての日米間の再処理交渉。難色を示すアメリカに対して執拗に再処理の同意を要求した(日本がねじ伏せた)事実が示すとおりです。

しかし、実際にはもっと前から日本にとっての核燃料サイクルは既定路線だったのです。

‖ 一度決めたことはトコトンやる

上坂冬子 ほんとうは、どうなの?原子力問題のウソ・マコト 第1章 原子力開発に『待った』なし 経済産業省よ、目先の損得に囚われず、「国策」を推進せよ(中曽根康弘・上坂冬子氏による対談)
2004/12 http://goo.gl/7w0U0d

一部抜粋

 中曽根 いまから半世紀前の一九五四年、日本における原子力予算を最初に通したのは私と当時の改進党の同志たちです。将来を展望して、日本にいちばん大事なものは食糧とエネルギーだ。そのエネルギーを得るため、石油、石炭、水力などに頼っている時代から、原子力に頼る体制にもっていったほうがいいと考えたのです。そして二年後の一九五六年に第一回の長期計画が策定されました。
 その結果、原子力発電所が生まれてエネルギー供給が続けられてきたわけですが、それをよりいっそう効率的なものにするためには、一度燃やした燃料をリサイクルして何度も燃料を取り出して活用していく方法が望ましいと考えました。その体系が完成すれば、半永久的にエネルギー問題を心配しなくてもよくなるから、と。
 上坂 ホウ!核燃料サイクルの考え方は、日本の原子力のスタート段階から国策として決定済みだったんですか。



原子力委員会 原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画
1956 http://goo.gl/rLAl32

一部抜粋

5 計画の内容

(1)原子燃料の供給計画
(イ)基本的な考え方
 原子燃料については,極力国内における自給態勢を確立するものとする。このため,国内資源の探査および開発を積極的に行い,あわせて民間における探査および開発を奨励する。また,不足分については海外の資源を輸入し得るよう努力する。なお,将来わが国の実情に応じた燃料サイクルを確立するため,増殖炉,燃料要素再処理等の技術の向上を図る。



1956年といえば日本にはまだ原発が無かった時代ですから、これはずいぶんと気の早い話です。さらにこの長計が策定される以前から、「将来は国産の高速増殖炉を!」というような話が原子力の将来に期待を寄せる政治家や研究者、技術者等の間ではあったようです。

皆さんもご承知のとおり、現在の日本における核燃料サイクル政策は当初の予定通りにはまったく進んでいないわけですが、厄介なことにやりたい側の政策に対する意欲や執着心は当時のままというわけで、途中で事実上撤回したアメリカとは違いますね。歳は取っても心は原子力少年時代と言ったところでしょうか。

私としては、年相応にそろそろ終活でも考えたら?と言いたいところですが。

その2につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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