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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

トランプ氏の「日韓核武装容認発言」の問題点について少し考えてみる(補足) 

保障措置(核査察)の例として、先回私はNPTの第3条1項を紹介しました。

第3条1項より一部抜粋

締約国である各非核兵器国は、原子力が平和的利用から核兵器その他の核爆発装置に転用されることを防止するため、この条約に基づいて負う義務の履行を確認することのみを目的として国際原子力機関憲章及び国際原子力機関の保障措置制度に従い国際原子力機関との間で交渉しかつ締結する協定に定められる保障措置を受諾することを約束する。・・



これは「転用防止のための保障措置」となっていますが、その対象は「非核兵器国」であり、つまりNPT上で定義される核兵器国(米・ロ・英・仏・中)は対象外ということになります。非核兵器国の原子力平和利用に関するすべての核物質・施設が査察の対象になるため、これを「フルスコープ保障措置」などと言います。

じゃあ核兵器国はどうなんだということになりますが、一応これらも自発的という形で、自国の指定した施設等を査察の対象にする(ボランタリー・サブミッション=自発的な服従?)協定をIAEAを結ぶ形で査察を受け入れています。

保障措置に関しては、原子力平和利用に関する二国間協定でもそのような記述が見られます。例えば日米原子力協定であれば、9条1項(b)で、日本側からアメリカに提供された核物質等の保障措置が挙げられます。

その他、近年は従来の保障措置制度の不備を補う(イラク・北朝鮮の核開発疑惑等が契機)べく、追加議定書の作成による保障措置に関する権限の強化(統合保障措置)が図られています。

‖ 核の傘が破れたあとはどうするか?

それからトランプ発言のついでということになりますが、日本国内で主に北朝鮮情勢の影響から周期的なブームになる「日本核武装論」において、いわゆる核の傘(日米安保体制)に支障が生じた時は核武装を検討するべきだというような主張も見られます。例えば、「基本的に核武装には反対だけど、いざというときは・・」というような。

これについて私が調べた感じでは、たとえ核の傘が破れ傘になったとしても、日本の独自の核武装は現実的ではないという説が説得力があるように思います。現状のNPT等の核不拡散体制や国内的には予算や時間的な問題、諸外国との関係等も踏まえると、傘の有無に関係なくハードルが高すぎるということですね。

よく政治家や評論家の方が、「日本は核アレルギーだから核武装に関する議論が全くない!」みたいなことを仰るのですが、別にそんなことは全然なくて、この手の議論は昔からありました。そのような議論の主役としては例えば佐藤栄作、中曽根康弘氏らが有名ですが、結論としてはどれも核保有を検討する側から見れば芳しくないものでした。


2016年4月7日追記

主にIAEA関連の記述について少々追加(参考資料1を含む)・訂正をしました。


参考資料1(IAEA保障措置関連)

外務省 IAEA保障措置(1)
2010/4 http://archive.is/zKC30

日本原子力研究開発機構 核不拡散科学技術センター 保障措置
http://archive.is/YUVT2

石田 裕貴夫 核拡散とプルトニウム
1992/12 http://goo.gl/Cq79kY

原子力規制委員会 日米原子力協力協定 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(PDFファイル)
1988/7 https://goo.gl/jQA78z


参考資料2(日本核武装論関連)

防衛省 防衛研究所 ―再燃している日本の核武装をめぐる論議について― 第1研究部主任研究官 小川伸一(PDFファイル)
2003年9月改版 http://goo.gl/auw6uO

【核70年の黙示録】(5)「核武装論の幻影」  歴史のくびき、非核を選択   NPT延長で最後の見極め  95年、政府内の秘密研究
2015/5/30 http://archive.is/1dpMw #47news

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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