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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

アメリカが核燃料サイクル政策に難色を示すことは別に異例ではない その3 

INFCE(国際核燃料サイクル評価)、IAEA、NPT等の国際的な機関及び条約によって保障された原子力平和利用の権利に加え、原子力の平和利用に関する二国間協定。例えば日米間であれば日米原子力協定に再処理に関する条文があります。端的に言えば、アメリカは日本の再処理を認めているという話ですね。

‖ 再処理のための包括合意と実施取極

原子力規制委員会 日米原子力協力協定 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(PDFファイル)
1988/7 https://goo.gl/jQA78z

第5条1項より抜粋

1 この協定に基づいて移転された核物質及びこの協定に基づいて移転された資材、核物質若しくは設備において使用され又はその使用を通じて生産された特殊核分裂性物質は、両当事国政府が合意する場合には、再処理することができる。



このように、「両当事国政府(日米)が合意する場合には」再処理が出来るとあります。実際にはこの第5条を含め、核物質の取り扱いや関連施設等の管理をよりスムーズにするため(包括同意=一定の枠を設けて事前に同意すること)に、第11条では実施取極(じっしとりきめ)の締結を行うとあります。

第11条より抜粋

第3条、第4条又は第5条の規定の適用を受ける活動を容易にするため、両当事国政府は、これらの条に定める合意の要件を、長期性、予見可能性及び信頼性のある基礎の上に、かつ、それぞれの国における原子力の平和的利用を一層容易にする態様で満たす別個の取極を、核拡散の防止の目的及びそれぞれの国家安全保障の利益に合致するよう締結し、かつ、誠実に履行する。



そして同条文に基づき、日米間で「協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極」が作成されています。これには包括同意に関連する核物質の保存や移転、輸送方法等の規定が書かれています。同取極は上記のリンク先からも閲覧可能です。

このように、日本としては再処理を行う権利があるわけですが、ここで誤解してはいけないのは、これは別に「再処理をやらなければならない(義務)」という意味ではありません。基本は第5条1項の「両当事国政府が合意する場合は」なのですから、「やる・やらない」は自由です。

‖ アメリカは口出しできず、日本としては続けたい

日本が核燃料サイクル(再処理)を続けるか撤退するかは、当然日本側が決めることであって、アメリカとしては出来ればやめてほしいとは思っている。何しろ経済性もないし、核不拡散上のリスクもある。そして日本の真似をしたがる国も少なくない。「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」というのはカントリーマン国務次官補のみならず、アメリカ側の本音と言えるでしょう。

しかし、日本が平和利用を続ける限りはアメリカにはそれを否定する権利はない。国内外にある47トンのプルトニウムの処分法も、MOXとして使う以外にもいろいろある。それでも日本は核燃料サイクルを続けたい。

「そこに山(プルトニウムの)があるから」じゃないですが、結局は国内的にいろいろやめたくない理由があるということでしょう。


その4につづく


 正式名称は「原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定第11条に基づく両国政府の間の実施取極」ですが、大変長いので簡略化してます。単に「実施取極」でもよかったかもしれませんが。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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