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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

憲法上、核兵器の保有・使用は禁止されていないとする横畠内閣法制局長官の答弁は特に問題ではない その2 

先回は核兵器の「保有」の話でしたが、今回は「使用」です。こちらについても結論から先に言ってしまうと大した話ではないのですがw

この件に関しては、前回の冒頭での話と少し被る形になりますが、3月18日の予算委員会で横畠氏が「核兵器の使用」についても憲法上否定されないという答弁をしたことが契機となり、一部メディアやネット上では特にこの部分に注目する形で「安倍政権は核武装に一歩踏み込んだ!」というように受け取られているようです。

それでは横畠氏の答弁が本当に一歩踏み込む内容であったのかを確認するために、ここで実際の3月18日のやり取りを動画と議事録で見てみたいと思います。

‖ 従来通りの見解であることを確認する

「核兵器の使用」横畠裕介・内閣法制局長官の答弁記録3/18参院・予算委員会


参議院会会議録情報 第190回国会 予算委員会 第17号
2016/3/18 http://goo.gl/XCemtk

一部抜粋

○白眞勲君 ・・去年八月五日の安保特で、私は、核兵器の保有は憲法上許されているのかと御質問いたしましたが、・・核の保有は憲法上否定されない、否定されていないということですよね。これは過去の答弁にもいろいろそれはある。
 ここでちょっと確認なんですが、これ保有は分かりました。私は反対ですよ、憲法上でも反対ですよ。ただ、とすると、確認なんですけど、保有は憲法違反でないということは、使用についても憲法違反ではないということでよろしゅうございますね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) もとより、核兵器は武器の一種でございます。核兵器に限らず、あらゆる武器の使用につきましては、国内法上及び国際法上の制約がございます。
 国内法上の制約で申し上げれば、憲法上の制約は、やはり我が国を防衛するための必要最小限度のものにとどめるべきという、いわゆる第三要件が掛かっております。また、国際法上の制約といたしましては、いわゆる国際人道法、分かりやすく言えばいわゆる戦時国際法でございますけれども、それを遵守する。・・
 いずれにせよ、あらゆる武器の使用につきましては、国内法及び国際法の許す範囲内において使用すべきものというふうに解しております。

・・

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 核兵器というものにも様々な規模、種類のものがあるというふうに承知しております。
 お尋ねの憲法上の制約について申し上げれば、先ほどお答え申し上げたとおりで、我が国を防衛するための必要最小限度のものにもちろん限られるということでございますが、憲法上全てのあらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているというふうには考えておりません。



たしかに、横畠氏は核兵器の使用についても憲法上禁止されないと答弁しているわけですが、やはりこれも一般論であり、いつも通りのことを言っているとしか私には思えません。

‖自衛のための必要最小限度の実力

防衛省 憲法と自衛権
http://archive.is/EykLk

一部抜粋

1.憲法と自衛権

わが国は、第二次世界大戦後、再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう決意し、平和国家の建設を目指して努力を重ねてきました。恒久の平和は、日本国民の念願です。この平和主義の理想を掲げる日本国憲法は、第9条に戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認に関する規定を置いています。もとより、わが国が独立国である以上、この規定は、主権国家としての固有の自衛権を否定するものではありません。政府は、このようにわが国の自衛権が否定されない以上、その行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは、憲法上認められると解しています。



これは憲法第9条の話になりますが、2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 」に関しては、これは自衛権の否定とは解釈されるべきではないということで、自衛措置を担保(行使)するための必要最小限度の実力、すなわち武器の保有と使用は憲法上認められるという理屈です。

ここで先回の「保有」についての補足になりますが、横畠氏は白議員に対して「もとより、核兵器は武器の一種でございます」と述べているわけですが、憲法上、自衛のための最小限度の武器を持つことは認められるという話から類推すれば、その種類は問わないと解するのが自然です。

今回は核兵器の話ですが、仮に白議員が生物・化学兵器について質問すれば、横畠氏は同様の答弁をしたことでしょう。もちろん、それらも含めて、実際には保有することも使用することも、国内・国際関係上全くあり得ないわけですが。

‖ ひとまず武器の種類は問題とならない

憲法上、自衛のための武器を持つことが許されるのであれば、その使用も出来ると解釈することは自明の理であると言えます。よって、そこで武器の種類と言いますか、今回であればたとえ核兵器であるからと言って取り立てて大騒ぎするような話ではないのです。

実際のところ横畠氏は、個別の武器(核兵器)というよりも、憲法第9条に基づいた武器全般の説明(純法理論)をしており、そのためあのような答弁の仕方になるのです。

今回の件では鈴木貴子(無所属)・逢坂誠二(民進党、当時は民主党)議員が質問趣意書を提出していますが、内容的には杞憂の感があります。

このようなわけで、今回の「使用」に関しても、横畠氏は決して核武装に踏み込んだ答弁をしていませんし、仰っていることも過去の解釈を踏襲した内容になっています。特に真新しい話は無いものと考えます。

その3につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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