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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

憲法上、核兵器の保有・使用は禁止されていないとする横畠内閣法制局長官の答弁は特に問題ではない その5 

ホントのホントにその4で終わらせるはずだったのですが、今回の件で少々思い出したことがあって、ついでにそれも書いてからにしようと思いまして・・w

私は核兵器の「使用」について、その2で「憲法上、自衛のための武器を持つことが許されるのであれば、その使用も出来ると解釈することは自明の理である」と書きました。つまり、横畠氏の憲法上核兵器の使用は禁止されないという答弁も、実はたいした話ではないということでした。

確かにこれは正しい(自分で言いますかw)わけですが、今日になって、そういえば過去の国会答弁で、核兵器の『使用』についての見解が述べられていた議事録を読んだ記憶があったことを思い出しまして。

‖ 歴史は繰り返される

参議院会会議録情報 第142回国会 予算委員会 第21号
1998/6/17 http://goo.gl/Yt69zA

一部抜粋

○高野博師君 それでは、核兵器の使用について、日本国憲法からいうとどういう解釈になりますか。

・・

○政府委員(大森政輔君) お尋ねの件につきましては、委員も重々御承知だろうと思いますが、実は昭和五十三年三月十一日の参議院予算委員会におきまして、当時の法制局長官、真田秀夫でございますが、真田法制局長官から、「核兵器の保有に関する憲法第九条の解釈について」という文書に基づく説明をしております。・・「自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法第九条第二項によっても禁止されておらず、」ということから、論理的な帰結として、要するに、右の限度の範囲内にとどまるものである限りは核兵器であるからといって禁止されていないと。・・

・・

○高野博師君 僕は、保有じゃなくて使用について聞いているんです。
○政府委員(大森政輔君) 核の保有の問題についての憲法上の問題点と申しますのは、即使用についての問題点にも当たるわけでございます。・・

・・

○高野博師君 よくわかりません。
 核保有に関する政府の解釈は、使用についても妥当するということである、使用もできるということでよろしいでしょうか。念のため確認します。
○政府委員(大森政輔君) 先ほど引用いたしました昭和五十三年三月十一日の当時の真田法制局長官の見解をベースといたしますならば、核兵器の使用も我が国を防衛するために必要最小限度のものにとどまるならばそれも可能であるということに論理的にはなろうかと考えます。



これは今から20年ほど前になりますが、参院予算委員会における高野博師(公明党参議院議員)と大森政輔内閣法制局長官のやり取りです。そして、驚くべきことに話の内容が今とほとんど変わらないのですw

憲法と核兵器に関する見解は60年以上の歴史があるわけですから、さすがに「使用」について触れられなかったこともないだろうとは思っていました。とはいえ、これは自衛権の行使として武器を保有できるという解釈が成り立つ以上、やはり自明の理なのです。大森氏も「論理的な帰結」であると説明しているとおりですね。

‖ ここではひとまず人道上の問題は議論の対象にならない

今回の件で「核兵器や生物兵器は非人道的じゃないか!」みたいな批判をされてる方も少なくないようですが、もちろんこれはそういう話ではないのです。ツイッターで「国連安保理決議で日本に制裁措置を講じるべきだ!」なんて意見を見た時にはひっくり返りそうになりましたw

それから、これはまじめな話になりますが、横畠氏以下、歴代の閣僚及び法制局長官の答弁で用いられている「禁止されない」や「保有し得る」という言い回しを、前向きな意味での「合憲」、「権利」、「義務」、「保有宣言」などと理解するのもこれは間違いです。実際には両者の間には相当な距離があるわけですが、この辺のニュアンスは、今回の連載にお付き合いいただいた方であれば、きっとご理解いただけると思います。


‖ おまけ 今回の件で残念だと思った人たち

鈴木宗男オフィシャルブログ ムネオ日記 4月4日 
2016/4/4 http://archive.is/v1nfx

一部抜粋

東京スポーツマンデー激論、佐藤優さんの「日本が核武装できない決定的な理由」というコラムが興味深い。

読者の皆様にも全文ご紹介したい。



『東京スポーツ』2016年4月4日発売号

佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

マスコミでの扱いは小さいが、1日の閣議で安倍政権は、日本の安全保障政策に大きな影響を与える閣議決定を行った。・・

・・

従来より政府は核兵器の保有は合憲であるとの立場を取っていたが、核兵器の使用も合憲であるとの方針が閣議決定されたのは初めてのことだ。中東、朝鮮半島で核拡散の動きがあることを踏まえ、日本としても憲法上、核兵器使用の可能性を放棄したわけではないという立場を表明することで、抑止力を強めようとしているのであろう。しかし、現実には日本が核兵器を保有することも使用することもできない。なぜなら、日本には原子力発電所があるからだ。核拡散防止条約に日本は核兵器の非保有国として参加することを条件に原子力発電を認められている。日本の核兵器保有と使用の歯止めとして、原発が果たしている役割に気付いていない有識者が多いのは驚きだ。



佐藤氏は一連の横畠氏の答弁や閣議決定を、中東・朝鮮半島情勢を踏まえた日本の抑止力強化と分析しているわけですが、大変もうしわけないですが、これはまったくの見当違いであると言わざるを得ません。横畠氏の答弁・閣議決定、素直に読めばどちらも内容的には諸外国に向けた抑止効果を狙ったものであるとは到底考えられないからです。また、NPTと原発に関しても、別に歯止めの意味はありません。

佐藤優さんの認識に頷(うなず)くとともに横畠法制局長官の3月18日の参議院予算委員会の答弁に国民から選ばれた国会議員はもっと反応しても良いと思うのだが、基礎体力があるかないか心配である。読者の皆さんはいかがお考えだろうか。



ムネオ先生もこんな認識に頷かれてしまわれているようでは、先生の基礎体力があるかないか心配になってしまいますw

皆さんわりとどうでも良い話に踊らされ過ぎですw


2016/5/1 追記

【IWJブログ】安倍政権が、「核の保有・使用は合憲」に続いて、化学・生物兵器の使用を「憲法9条は禁止していない」と閣議決定の「異常」!!
2016/4/28 http://archive.is/DDhGF #iwj

一部抜粋

信じがたい話である。安倍政権は、26日、毒ガスを含む化学兵器や生物兵器の一切の使用について、憲法9条は「禁止していない」とする答弁書を閣議決定した。今月1日には、「憲法9条は核兵器の保有・使用を禁じていない」などという閣議決定もしており、それに続いて化学兵器・生物兵器も違憲ではないと、閣議決定したのであるから、尋常なことではない。人道的に問題のあるABC兵器、いわゆる大量破壊兵器を、保有も使用も可能であると、わざわざ国内外に宣言したのである。



横畠答弁及び閣議決定に際し、上記の記事のように「信じがたい」、「異常」、「驚愕」、「驚き」等の煽り文句で読者の興味を引こうする記事がネット上では多く見られます。

ネットはある種、「煽った者勝ち」の様相ですからね。困ったものです。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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