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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

オバマ大統領が広島平和公園で述べた所感について考えてみる その2 

先回の核兵器に関する話の補足になりますが、現実には既に核兵器があまり必要とされない時代に入っていることは確かと言えます。

事実として、核兵器の数は一時期に比べれば大幅に減っているわけです。

‖ 核兵器数の減少と戦争の質の変化

Bulletin of the Atomic Scientists Global nuclear weapons inventories, 1945-2013
http://goo.gl/f8zMdc(リンク先下部のREAD MOREからHTML、PDF版を閲覧可能)

Bulletin of the Atomic Scientists(核兵器科学者会報?)という組織についてはよくわかりませんが、同組織の資料は軍縮関連のテキストではよく引用されている(例:黒沢満 核軍縮入門)ので、信頼性は高いと言えるのではないかと思います。

Global nuclear weapons inventories, 1945-2013 世界の核兵器数(1986・2013年分のみ抜粋)
1986_2003_3.png

先ほどの資料によれば、核兵器数のピークは1986年の約6.5万で、2013年時点では1万発弱。現在はもう少し減ってるんじゃないかと思います。

この手の資料は何れも各シンクタンクによる推計値(新資料によっては過去の保有数も若干は変動するようです)ではありますが、確実に減少していることは間違いないですね。

核兵器が減少している理由はいろいろ考えられますが、やはり1番に挙げられるのは、戦争の質が変化してきたということでしょうか。冷戦の終結や、戦後の大まかな流れとしては、少なくとも大国同士の戦争が避けられる傾向にあり、大国同士の対立軸で言えば、核兵器を必要以上に蓄える根拠も薄れつつあります。

資料では冷戦終結から20年も経っているのに(削減が)遅いというような指摘もありますが、核兵器保有国がこれからも核兵器を削減する努力を続けるのは当然ですが、気を付けなければならないのは先ほどの戦争の質の変化ですね。

‖ 複雑化する核問題

たしかに大国同士の戦争の可能性は大幅に低下したとはいえ、近年はそれ以外の要素が国際社会に与える影響も大きくなりつつあります。

例えば軍事独裁的な中小国やテロ組織など、こういうところに核兵器、あるいは核技術が渡ることが常態化すると手が付けられなくなります。

この手の話は既に北朝鮮のような事例もありますし、IS(イスラム国)が核武装を企てている、あるいは汚い爆弾(ダーティーボム=核物質による汚染)を入手したとか、そういう話も情報の確度は不明ながら、度々見聞きします。

他に失う物が無い独裁国家や、そもそも国家という概念の無い組織が核へのフリーハンドを持つことは、ある意味では既存の核大国よりも厄介とも言えます。このような国家・非国家主体には一般的には核抑止が通用しないとも言われていますし、従来の安全保障環境ではなかなか対処が難しいというのもあると思います。

特にテロ組織で言えば、以前トランプ氏がテロリストへの核攻撃も辞さないなどと発言していましたが、今や先進国の若者が「自分探し」でテロリストになる時代です。今後アメリカの主要都市で核テロが発生して、実は犯人は地元の学生でしたというオチも当然考えられますが、まさか大統領命令でアメリカ本土に核攻撃するわけにもいきません。

核軍縮・核廃絶といえば、どちらかというと核兵器を保有する側の責任のみ(専らNPT上の核兵器国、特にアメリカ)が注目され、各種メディアを介して議論される傾向が強い印象ですが、現実には既にそのような議論の方向性だけでは説明がつかない、あるいは問題が解決しない時代に入っていると言えると思います。

オバマ大統領の広島訪問 所感の全文
2016/5/28 http://archive.is/SYc9f #nhk

一部抜粋

・・しかし、わが国アメリカのように、核兵器をみずから持つ国は、恐怖の論理から脱する勇気を持ち、核兵器のない世界を追求しなければなりません。

私が生きているうちに、この目標を達成することはできないかもしれませんが、破滅から世界を遠ざける努力を続けなければなりません。
そのために、核兵器を廃絶するための道筋をつけることができるし、核兵器が新たな国家や狂信者たちの手に渡るのを防ぐこともできるはずです。



そういう意味においても、オバマ大統領のスピーチは、大変意義深い内容であったと思います。


その3につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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