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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

安倍晋三内閣官房副長官(当時)の早稲田大学での講演は本当にものすごい中身だったのか? その2 

ものすごい中身(?)のつづきです。

 「ええっ」と、驚いたような声を上げる田原氏。そして、安倍氏は、
「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」
 とも断言した。

・・

「それは私の意見ではなくてですね、・・日本は非核3原則がありますからやりませんけども、戦術核を使うということは昭和35年(1960年)の岸(信介=故人)総理答弁で、『違憲ではない』という答弁がされています。それは違憲ではないのですが、日本人はちょっとそこを誤解しているんです。ただそれ(戦術核の使用)はやりませんけどもね。ただ、これは法律論と政策論で別ですから。できることを全部やるわけではないですから」



注釈になりますが、冒頭部分の田原氏の「ええっ」と驚きの声を上げた理由は、先回の安倍氏による大陸間弾道弾の話を受けてのリアクションによるものです。

そして、例の「核兵器の使用は違憲ではない」という話ですが、こちらの件に関しては以前に何度も書いてきたとおり、特段問題のある発言とは私は思いません。もし初見の方で「なぜ問題じゃないんだ!」と疑問に思われた方は、ぜひこちらの連載をお読みください。

‖ 憲法解釈上ただちに違憲とは言えない核兵器は、せいぜい戦術核に限られる

安倍氏は核兵器は小型(=戦術核)であれば問題ないと仰っていますが、これは核兵器の大きさや威力と言うよりも、距離が重要なのだと思います。戦術核は種類や威力等で明確な定義・規定があるわけでもないようですが、基本的には射程距離500km以下の核兵器の総称になります。

戦術核の配備例を挙げれば、例えばNATO(北大西洋条約機構 1949-)における「ニュークリア・シェアリング(=戦術核兵器の共有、有事の際にアメリカが使用を認める)」がありますが、これは旧ソ連(一応ロシアも対象になります)の侵攻の阻止、実質的には地上戦、敵戦車部隊の一掃などを想定したものであって、実際の射程距離はもっと短いものであると考えられます。

‖ 核兵器使用の違法性

この発言を受けてサンデー毎日の取材班(=著者)は、岸首相の答弁の存在を認めつつも、

 たとえば核兵器使用については羽田孜政権当時の94年6月、外務省が国際司法裁判所あての意見陳述書で「国際法違反ではない」とし、野党だった自民党等の抗議を受けて削除した、いわばいわくつきの問題なのだ。安倍発言は、展開次第では問題化する可能性がある。



と批判しています。たしかに当時国際司法裁判所においてそのような議論(審議)があったことは事実ですが、あくまでこの問題は日本国内における「純法理論的」な解釈ですので、そのような批判は当たらないのではないかと考えます。

ちなみにこちらの裁判所の話ですが、当時は国際的に核兵器使用の違法性を問う議論が盛んになり、国連総会からの要請を請けた国際司法裁判所が、核兵器の使用は一般的には国際法違反に当たる(ただし、自衛の極端な状況では結論できない)という見解を示して(拘束力の伴わない勧告)います。

ここでの意見陳述において、当初日本側は、核兵器の使用は違法とまでは言えないというような見解を示していたのですが、国内的にはさすがにちょっとまずいのではないかという話になって、最終的には「核兵器の使用は人道主義の精神に反する」と言い換えています。

こういうのを玉虫色とか霞が関文学(結局違法とは述べていないw)と批判する声もあるでしょうが、一応当時の顛末としてはこのような感じです。

先ほどの国際司法裁判所の見解にしても、違法性があるのかないのか今一つハッキリしないわけで、やはり核なき世界は一日にして成らずということなのでしょう。


その3につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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