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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

冷やし狸庵的選挙の考え方 - エネルギー問題を中心に - その3 

‖ 日本にとって最も必要なエネルギーとは何か?

最後(3つ目)はこちらになります。

エネルギー安全保障とは化石燃料の安定供給であるという大原則を理解していること

福島原発事故が起きて以来、ある意味では必然的に、いろいろな場面でエネルギー問題が語られるようになりましたが、私も原発事故を機にエネルギー問題に触れるようになった立場ではありますが、比較的早い時期からその議論のあり方がどうにもおかしいなとも感じていました。

これからのエネルギーは何に頼ったら良いのか?原子力か、それとも再生可能エネルギーか・・?

このような二極対立は事故直後から今日に至るまで続いていますが、これはどう考えてもおかしいのです。

と言いますのも、皆さん電気の話ばかりしているのです。たしかに電気もエネルギーには違いないですが、それは日本が必要とするエネルギー全体からすれば一部の話に過ぎません。

エネルギーを全体(一次エネルギー)から見てみると、現在日本が最も必要としているのは化石燃料(石油・石炭・液化天然ガス等)であり、シェアで言えば原発のある無しに関わらず8~9割といったところで、これはもう圧倒的なのです。仮に原発の数が現在の2倍、3倍(100~150基)といった非現実的な政策(現実には今の原発50基体制を維持するだけでも相当困難です)を取ったり、あるいは既存の原発をすべて再生可能エネルギーで賄うなどしても(立地条件や環境負荷の問題で無理だと思いますが)、化石燃料の最重要性は変わりません。

そのようなわけで、エネルギー安全保障とは化石燃料の安定供給であり、この種の議論でよく語られるエネルギーの自給自足というような話は基本的には意味を成さないのです。自給自足がダメだということでもないですが、優先順位の差から考えればということですね。国産エネルギーとしてにわかに注目を集めているメタンハイドレートや藻類バイオマス(オーランチオキトリウム)等は、とても短期間で実用化できるとも思えませんし。

それから、よく原子力は自前のエネルギー(国産・純国産)と言われますが、実際はこれも輸入品ですし、そして万一核武装に着手すれば、原子力平和利用に関する国際条約や二国間協定等の規約違反によって、ただちに原発は機能停止に追い込まれ、それだけにとどまらず、その他のあらゆる資源の供給が止められる可能性も高いでしょう。

原子力は平和利用でも過酷事故等のリスクを伴いますが、軍事利用によって自らエネルギー安全保障を損ねるリスクもあるのです。

いわゆる日本核武装論には、原子力が自前のエネルギーであるという誤解・錯覚のもと、自前だから好き勝手にしても良いのだというような考えも少なからずあるような気もします。エネルギー安全保障における自傷行為の防止のためにも、霞が関・原子力ムラ用語の原子力の国産・純国産表記はやめるべきだと思います。

‖ 原産地の多様化・分散調達が安定供給のカギ

化石燃料の安定供給を考える上では、多様化・分散調達が最重要課題です。

イギリスの首相ウィンストン・チャーチルは、エネルギー安全保障について「一に多様性、二に多様性、三に多様性」という言葉を残していますが、エネルギーとは自前にこだわるのではなく、より多くの輸入先(原産地)の多角化が安定供給をもたらすということになるのです。

エネルギーの多様化・分散調達という観点から考えると、日本はこれまで以上にエネルギー産出国との関係強化に努力する必要がありますし、とりわけ注力するべきなのはロシアでしょうね。こちらの天然ガスを液化せずにそのままパイプラインで運ぶことが出来れば、対外向けにロシア産の安いエネルギーを購入できるという意味での価格交渉力(バーゲニングパワー)も獲得できます。

ちなみにパイプラインの話は、以前は国内的な気運の高まり、あるいは計画が上がってくる度に電力会社(主に東京電力)が裏で手をまわして妨害していたというような話(12)をよく見聞きします。そして、事故が起きてからは態度が変わったというような話もwまあ交渉事はこちらが乗り気でも相手先の思惑もありますから何とも言えませんが、国策としての原子力推進がエネルギーの多様化の阻害要素として一定の影響を与えていた面は否めないのではないかと思います。

産出国との関係強化という意味においては、前回話題にした相互依存関係の構築も重要ですし、産出国に見合った日本の技術力、すなわち調査・掘削・環境保全、プラント建設の技術(一般的に産出国にはこの手の産業や技術がありません)等を磨き続けていく必要があります。

昨今の再生可能エネルギーのブームというのは私も全否定はしませんが、「脱原発・再生可能エネルギーの普及推進」というスローガンは選挙戦術的には有り得るとしても、そのうえ「脱化石燃料」まで言い出すような政党や候補者というのは、ちょっとどうなのかなあとも思います。

その4(まとめ)につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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