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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

日本の核武装のための技術的な問題点について考えてみる その2 

‖ 他の材料に活路を見出そうとしても結論は同じ

前回の核爆発の材料にかんする補足になりますが、原子炉級プルトニウム以外で言えば、例えば研究用の高純度のプルトニウムや、高速増殖炉もんじゅから少量取り出せるという高純度のプルトニウム(純度が96%以上のスーパー級などと言われますが)を使う手もあるでしょう。それから原発の燃料も、いつもより早く取り出すともう少しグレードの高いプルトニウムが取り出せるというような話を聞いたこともあります。これに関してはちょっと記憶が定かではありませんが。

もっとも、これらも結局は同じことだと思います。いずれにしても日本は核兵器の研究をしたことが無いので、たとえ原子炉級よりも核兵器に適した素材を扱い得るとしても、どの道一定の研究期間は必要でしょう。材料の品質次第によっては、その期間が何割か増減すると言ったところだと思います。

もちろん、実際には原子炉級を含めたこれら核兵器材料を手軽に扱えるわけもなく、核開発技術とは別に、どのようにして国際社会の監視の目を欺くかと言う、別の意味での高度な技術も必要になってきます。原子力技術に関しては、一般的な商品の感覚で買ってきた物は好きに使って良いとはならないのです。

‖ 核兵器を何に積むのか?

とりあえず核物質の問題は解決したとして、それではそれを何に搭載するのかという課題もあります。つまり運搬手段の問題です。

「そりゃもちろん、ミサイルに決まってるじゃないか!」
「日本のロケット技術を使えばICBMなんてすぐに作れる!」


たしかにそのような話はよく聞かれますし、前回の小沢一郎氏も、そのようなことを仰っていたようです。前回紹介した記事は日経と中国新聞の特集でしたが、これらと同じ内容で朝日新聞ではこのように書かれていたようです。

「あまりいい気になると,日本人はヒステリーを起こす。(日本が)核兵器を作るのは簡単だ。その気になったら原発のプルトニウムで何千発分の核弾頭ができる。大陸間弾道弾になるようなロケットを持っている」



日本はロケット(衛星打ち上げ)技術に優れているからミサイル開発なんて簡単、あるいはロケットの先端に核弾頭を搭載すれば即ミサイルになる。世間ではそのような話がまことしやかに語られているわけですが、ロケット技術がICBMと共通する要素があることは事実としても、いくらなんでもそんなに簡単な話なのでしょうか?

日本のロケット技術がICBMに転用可能というような話で言えば、比較的最近であれば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した小型ロケット「イプシロン」が挙げられます。こちらの試験機の打ち上げに成功した際も、「安倍政権による弾道ミサイル開発が・・」みたいな物騒な話がツイッターなどで盛り上がっていた記憶があります。

JAXA いつでもどこでも使えるロケット設備 イプシロンプロジェクトチーム主任開発員(自動・自律点検システム担当)広瀬 健一(特集 未来を拓くイプシロン より)
2014 http://archive.is/KXzG6

一部抜粋

──このシステムによって、どれくらい作業時間が短縮されたのでしょうか?

 このシステムの工夫だけではないですが、1段ロケットを射場に設置してから発射まで、42日間かかっていたのを7日に短縮することができ、また、打ち上げの3時間前まで衛星の作業を行うことが可能になりました。



私はロケットの事はわかりませんが、このように、打ち上げまでに7日もかかるような「ミサイル」に、果たしてどれほどの実用性があるのかというのが率直な感想です。こういうものは1時間とか30分とか、そのくらいで撃てないとまずいんじゃないでしょうか。アメリカなどはもっと早く撃てるんじゃないでしょうか。

そして核兵器研究をやったことがない日本ですから、弾頭をロケットの先端に搭載するとしても、そのままポンと搭載して飛ばすというわけにもいかない。

イプシロンの非実用性を無視したとしても、こういうのは一点物というわけで、すぐに量産化できるわけでもないと思いますが。ロケットに使われる特殊素材や燃料の調達も簡単ではなさそうです。

‖ ミサイルをどこにしまっておくのか?

何とかしてロケットの問題も解決したとして、それではそれをどこから撃つのかという課題もあります。ロケットの打ち上げ場(種子島とか?)をそのまま利用すれば良いとかはギャグとしては面白そうですが、これでは恰好の標的というわけで、撃つ前に跡形もなく破壊されてしまうでしょう。

ミサイルを格納する施設としては、例えば「ミサイルサイロ」がありますが、やはりこれも日本で作ったことはないですし、おそらく研究すらされていないのではないでしょうか。たとえ実用的なミサイルがあったとしても、それを格納する施設が無ければ意味がないわけで、外部からの攻撃に耐えられる強度計算や日本特有の自然災害対策等、今から研究してサイロを作るとしてもかなりの期間を要すると思われます。

サイロが難しいとすれば原子力潜水艦という手段もあるでしょうが、果たしてこれを売ってくれる国が存在するのかという問題があります。

もちろん自主開発という手段もあるでしょうが、日本にはそのノウハウがない。原子炉や弾道ミサイルの水中発射技術等、一から研究して何年かかるのかはわかりませんし、潜水艦を動かすにしても燃料の高濃縮ウラン(最近のタイプでは濃縮度90%以上だそうですが、よく爆発しないですね!?)の入手法も問題になってくるでしょう。

運搬手段や設置場所を考えても、現実は「一朝で数千発」とはほど遠いというわけです。

その3につづく

 福田州平 日本の政治家の中国に関する暴言についての試論(6ページ目より PDFファイル)
http://goo.gl/pN9kW3

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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