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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

核兵器の先制不使用政策の賛否は核保有国の哲学の違いであり、アメリカの先制不使用の検討に同盟諸国が懸念を示すことは核廃絶に矛盾するとも限らない その3 

‖ 民主党政権時ではアメリカの核戦略見直しを評価していた

アメリカは実質的には既に先制不使用政策を採用していると考えられますが、前回紹介した核態勢見直し(NPR)報告書に際し、当時の政府(鳩山由紀夫総理)および岡田克也外相も歓迎する主旨のコメントを残しています。

鳩山総理、アメリカ核戦略見直しに「評価する」
2010/4/7 #annnews



外務省 岡田外務大臣談話 米国の「核態勢の見直し(NPR)」の公表について
2010/4/7 http://archive.is/Qmugu

一部抜粋

2.我が国は、米国が、米国及び同盟国等の安全保障を確保しつつ、核兵器の数と役割を低減させるとの方針を明確にした今回のNPRを歓迎します。・・

3.同時に、このNPRにおいて、米国は、我が国を含む同盟国等に対する核兵器によるものを含む抑止力のコミットメントを再確認し、これを保証するため同盟国との緊密な協議を実施していくことを明らかにしています。

4.・・安全保障を確保しつつ、積極的に核軍縮を推進するとの米国のアプローチは、我が国の考え方と軌を一にするものであり、我が国は同盟国である米国による今回のNPRを高く評価するものです。

5.また、米国のみならず、すべての核兵器国がNSAの強化に取り組むとともに、核兵器保有の目的を核兵器使用の抑止のみに限定するという「唯一の目的」の考え方についても議論が深まっていくことを期待します



‖ 日本が求めているのは即応性に優れた抑止力である

このように両氏はNPRを歓迎しつつ、同時に「核抑止力」という発言が出てくるわけですが、これは基本的には「抑止力」と解するのが妥当かと思います。

同盟国の日本としては、アメリカがどのように核戦略を見直したところで、結果的に日本の抑止力に影響が出ないのであれば問題は無いはずです。

そしてNPRにおいては、同盟国への安全保障として核兵器以外の場合は通常攻撃による熾烈な反撃を保証(核兵器の使用は極限的な状況に限定される)しているわけですから、これは岡田外相が仰るように、従来の日本の核軍縮に対する基本的な考え方と一致するものです。したがって、NPRへの賛同は政権の違いに左右される話ではないと言えるでしょう。

核兵器は国際社会ではある種の抑止力の象徴のような位置づけではありますが、当の核保有国側からすれば、その有り余る破壊力から使い勝手が悪く、それが実際に使用が可能なのかという政治的・道義的な問題が常に付きまとうことになり、即応性に問題がある兵器であると言えます。

そこで核兵器以外の対抗手段として、通常兵器による熾烈な反撃を保証するというアメリカの宣言は、核兵器よりもはるかに使い勝手が良く、かつハードルの低い戦力で同盟諸国に安全保障を提供するものであり、これは日本の安全保障にとってはプラスになったとも言えると思います。

そういう意味では、先のNPRは単なる核軍縮ではなくて、自国の軍事力(通常兵器)に対する絶対的な自信を示したものであるとも言えるでしょう。

このようなわけで、日本としては何らかの形で自国の安全保障が保たれるのであれば、核兵器保有の目的を核兵器使用の抑止のみに限定するという「唯一の目的」の考え方、すなわち先制不使用政策に反対する理由は無いのでしょうし、先に挙げたとおり、当時の岡田外相も議論が深まっていくことを期待すると前向きなコメントを残しています。

そしてこれは現政権においても同じであると考えられます。つまり、自民党・安倍政権がアメリカの核の先制不使用政策に真っ向から反対する理由は見当たらないと思われます。

その4につづく

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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