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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

【動画】 Hinkley Point nuclear project UK/China Relations +感想を少々 

Hinkley Point nuclear project UK/China Relations
2016/8/14(公開日) #bbc




こちらはイギリスのBBCニュースになりますが、中国の国営企業も投資を予定している、イギリス南部・ヒンクリーポイントC原発(160万kW×2)のプロジェクトが中止になった場合、両国の関係が悪化すると中国側が懸念を示しているという内容です。

動画の公開日が2016年の8月14日になっていますが、このようなニュースが流れてきたのがだいたい7月下旬過ぎ辺りだったと思いますし、おそらくそのくらいの期間に放送されたものだろうと思われます。

‖ セキュリティー問題や財政面で不満を表明したメイ首相

英国の原発建設計画、中国が推進求める
2016/8/1 http://archive.is/kmX6d #reuters

一部抜粋

中国企業が出資予定の原発新設計画を英国のメイ政権が再検討すると発表したことについて、中国政府は1日、キャメロン前政権の支持を得ていたとして計画を進めるよう訴えた。



イギリスのヒンクリーポイントCにおける原発建設プロジェクトは、予定としてはフランスのEDF(フランス電力公社)と中国の中国広核集団有限公司(CGN)の投資によって行われるということになっていましたが、イギリスのEU離脱後、新たに就任したメイ首相がこれに待ったをかける形になっています。

先に紹介した動画では、メイ首相はこの件では特にセキュリティー、安全保障面で懸念しているということですが、この問題は建設費用(コスト)も大きいのだろうと思います。といいますのも、ヒンクリーポイントCで建設が予定されている原発は、あの欧州加圧水型炉(EPR:European Pressurized Water Reactor)なのです。

EPRについてはご存じの方も多いと思いますが、既に同型の原発がフランス(フラマンビル)、フィンランド(オルキルオト)で建設中で、その技術的な仕様、材料の品質問題や度重なる工期の延長等の理由によって建設コストが当初の数倍に膨らんでいるといという、いわく付きの原発なのです。

ヒンクリーポイントCの場合、先に挙げた動画では建設費用が230億ドル(約2.5兆円)と表記されていましたが、実際は4兆円以上かかるのではないかとも言われていますし、事実として4兆円規模を前提とした記事もよく見られます。

九州大学の吉岡斉先生は、EPRを評して「サグラダ・ファミリア大聖堂(スペイン・バルセロナ)のようであるという皮肉も聞こえてくる」と、批判的な見方をしていますが、そう考えると4兆円規模ですらひかえめな見積もりなのかもしれません。

余談になりますが、ヨーロッパにおけるEPRは先に述べたとおり工期の大幅な遅れやコスト増に見舞われているわけですが、一方で中国で建設中のEPR(フランスによる支援)は比較的順調という話もあって、この辺がよく分かりません。EPRは従来の加圧水型原子炉より大型で部品が複雑という事情もあり、ただでさえ建設に手間がかかるらしいのですが、それが順調だと別の意味で心配になってきます。

‖ 中国の原発輸出戦略と英中関係

JAIF:一般社団法人 日本原子力産業協会 中国:台山1でコールド機能試験が完了、世界初のEPRとして2017年に起動
2016/2/3 http://archive.is/o4XFI

一部抜粋

中国広核集団有限公司(CGN)傘下の台山原子力発電合弁会社(TNPJVC)は2月1日、広東省の台山原子力発電所建設サイト(=写真)で1号機(PWR、175万kW)のコールド機能試験が完了したと発表した。仏アレバ社の第3世代プラス設計である「欧州加圧水型炉(EPR)」を採用した同炉の試験は昨年12月30日に始まり、今年の1月27日までに正式に終了したもの。これ受けて27日に開催した年次記者会見では2017年前半にも起動すると発表した模様で、実現すれば、同じ設計で先に着工したフィンランドのオルキルオト3号機(OL3)とフランスのフラマンビル3号機(FL3)を抜き、世界初のEPRとなる見通しだ。



ヒンクリーポイントCの原発案件については先のG20でも中英首脳会談の議題に挙がったようで、メイ首相としては一応今月末までに結論を発表するということになっています。

中英首脳、経済協力を推進 「原発」は進展なし
2016/9/6 http://archive.is/yqgIn #日本経済新聞

 最大の注目点とされていたのが、英南西部ヒンクリーポイントの原発計画だ。対中関係を重視した前政権のもと、中国の国有企業の出資で昨秋合意していたが、メイ氏が突如、7月に着工許可の先送りを発表。これに中国側が反発していた。
 会談では原発計画は、直接は話題にならなかったという。英メディアによると、習氏側は「メイ政権は発足したばかりで、様々な決定に時間が必要なことは理解できる」旨を発言。メイ氏は9月末までに原発計画の最終判断を下す方針で、中国側も猶予期間に理解を示した形だが、仮に許可が下りなければ中英関係への打撃は避けられない。



この問題は、既に電力需給やセキュリティー・安全保障、コスト問題等とは異なる、別の政治的要素が大きいような印象を受けますが、出来ればプロジェクトは中止にされた方が賢明かと思われます。

 吉岡斉 原発と日本の未来 原子力は温暖化対策の切り札か 2011/2
https://goo.gl/MJfwH6 より

2016/9/8 追記

記事中のEPRについて、「建設コストが当初の数倍に膨らんでいる」という記述がありますが、当初はこちらに張ったリンクが2011年の日本経済新聞の記事でしたが、より最新の事例にした方が良いと判断し、2015年の毎日新聞の記事に差し替えさせていただきました。

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カテゴリ: 冷やしたぬき名作劇場

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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