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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

新潟県知事選 「米山モデル」は今後の脱原発運動のスタンダードになり得るか? 

新潟県知事選は、当初立候補を予定していた泉田知事が急きょ撤回となり、状況的には自民・公明党が推す森民夫氏が当選するだろうという、事実上の無風選挙の様相でした。

それが先月に入って、急きょ原発推進から原発反対に鞍替えした(!?)米山隆一氏を共産・生活・社民党が擁立し、そこで急に選挙が盛り上がるというか、「風」が吹き始めました。米山氏が民進党を離党して自公の候補者と戦うという図式を、先の東京都知事選の小池百合子氏になぞらえて、「小池劇場の再来」と指摘する記事や意見も見られました。そしてそれらにつられるような形で、当初は自主投票を決めていた民進党も、途中からほとんど総がかりで応援するような状況になり、結果は皆さんもご存じのとおりということになります。

新潟県知事選 米山隆一氏が当選確実
2016/10/16 http://archive.is/ubGMG #nhk

一部抜粋

東京電力が目指す柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への対応などが争点になった新潟県知事選挙は16日に投票が行われ、原発の再稼働に慎重な姿勢を示してきた現職の知事の路線を継承すると訴えた医師の米山隆一氏が、自民党と公明党が推薦する候補らを破り、初めての当選を確実にしました。



‖ 米山氏の勝因がいまひとつわからない

私としては、今回の結果は以前とはいろんな意味で様相が異なるというか、何ともわからないというのが正直な感想です。

1つ例を挙げれば、これは以前の記事でも書いたことではありますが、たいていの場合は、国政・地方選に限らず、選挙戦で「原発一本槍」の候補は当選したためしがないという事でした。そういう意味で、鹿児島県の三反園知事のケースは、その辺のバランスを考えて幅広い層から支持を得たことに私は「上手さ」を感じたわけですが、米山氏の場合は応援団も含めて、演説の内容などを新聞記事や動画等で見る限りでは、ほとんど原発一本槍という印象でした。今までの事例から考えれば勝算は薄いと考えていましたが、結果はそうはならなかったのです。

米山氏の戦略は大雑把に見れば、原発一本槍、原発シングルイシューということになるのだろうと思います。しかし、今回の「米山モデル」を成功事例(体験)として、今後の選挙戦でも同様の手法で脱原発候補が一本槍で勝てるのかと言えば、私はそうではないと見ています。

‖ 柏崎は事故当事者である東電所有の原発という特異性

新潟県の柏崎刈羽原発といえば、あの東京電力が所有する原発です。東京電力と言えば、もちろん2011年3月11日の福島原発事故というわけですが、事故を起こした会社の原発再稼働というのは、これは県民の意識としてもそう簡単にはいかないという意識が強いのだろうと思います。

もともと新潟県としても、原発事故以降は柏崎の再稼働には概ね5~6割が反対の傾向で、その反面、原発の恩恵を受けていると考えている層もかなり多いことは事実なのですが、実はそのような層でも再稼働にはかなり慎重なのです。

柏崎刈羽原発再開反対51% 朝日新聞新潟県民世論調査
2012/10/15 http://archive.is/AzBTY #朝日新聞

一部抜粋

朝日新聞社が13、14の両日、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発について県民対象の電話世論調査を行ったところ、全7基が停止中の同原発の運転再開に51%が反対し、賛成は27%にとどまった。

・・

「柏崎刈羽原発が地元や新潟県の経済や雇用にどの程度役に立っているか」と4択で尋ねると、「大いに役に立っている」20%、「ある程度役に立っている」53%、「あまり役に立っていない」16%、「まったく役に立っていない」4%。「役に立っている」という人でも再開反対が46%で賛成32%より多い。



このようなわけで、新潟県内における原発再稼働の不人気さは数字以上と言いますか、この辺の事情を酌まず、それを避けようというような姿勢(本人にその気がなくとも有権者から見ればそのような印象)を取る候補者というのは、やはり警戒されたというのもあるのでしょう。

結論としましては、今回のような事例は、「東電と原発」という特異な関係・事情といいますか、あくまで新潟県だからこそ成立した「ローカル・モデル」なのだろうと考えます。平たく言えば「前科者は簡単に信用できない」という民意が改めて示されたというわけで、残念ながらそれに該当しない地域で「米山モデル」を持ち込んでも、やはり結果は従来と同じということになるのではないでしょうか。

‖ 柏崎の再稼働は当面の間は無い

なお、今後の柏崎の再稼働にかんしては、それは例えば法律論や権限等の問題で言えば、知事の判断で原発を止められるのかという意味では極めて微妙ではありますが、ひとまずそれは置いておくとして、当面再稼働は無いということになります。もちろんそれは、米山氏が当選したからという意味ではありません。

柏崎刈羽原発の緊急拠点 東電が方針変更(新潟県)
2016/10/13 http://archive.is/WofUL #nhk

一部抜粋

東京電力が再稼働を目指す新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所6号機と7号機について、東京電力は緊急時の対応拠点を津波などから守る防潮堤の地盤の一部が大きな地震で液状化するおそれがあるとして、対応拠点を別の場所に設置する方針を示し、一部の審査をやり直すことになりました。

・・

柏崎刈羽原発6号機と7号機の審査が終わるのは早くて来年以降になる見通しですが、今回の方針の変更に伴って、東京電力の説明に時間がかかるなどした場合は審査が遅れる可能性もあります。



柏崎の審査は、今まで様々な理由が生じるたびに遅れている(規制委も事故当事者の東電、柏崎を含めた沸騰水型原発には特に慎重にと発言しています)わけですが、たとえばこちらの記事であれば、ニュアンスとしては審査の終了は2017年度中も微妙とも読み取れると思います。そして、今回新たな問題として浮上してきた液状化対策。あるいは今後、それ以外の問題が生じることでさらにスケジュールが遅れる可能性も出てくると考えると、実際に再稼働が議論されるのは2020年頃になってもおかしくは無いと思います。

規制委の審査の都合によって、米山県政1期目では原発再稼働の議論は起こらない。そういうシナリオも十分考えられるでしょう。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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