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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

「命」の価値を過大に評価してしまう原発反対派の悪癖 その2 

柏崎刈羽原発と言えば、1つのサイト(用地・敷地)では世界最大の発電規模(7基・計821万kW)を有する発電所になります。

例えばの話、これから柏崎刈羽原発を新増設する、例えば2倍3倍に(単純に考えて14、21基)するとかは無理でしょうし、それ以前に、現状の発電能力を維持することすら極めて困難であると思います。

‖ 現状維持すら困難な理由=原発事故とそれ以外の諸問題

その理由としては、やはり福島原発事故の影響が第一です。

世論動向を鑑みて、とても原発の増設ラッシュを歓迎できる環境ではありません。事故が起きた直後から、原発を推進する識者ですら、これから原発の新増設は難しくなる、当面は無理であるという話が出ていましたけど、そういうことですね。

それからこれは事故とは関係がなく、ある意味では事故前から必然とも言えると思いますが、人口減少社会による電力需要の問題です。

最近は人口減少の影響で、人と野生動物(熊やイノシシなど)との境界線が新たな社会問題になりつつありますが、私たちはそのようなニュースを通して、人口減少の影響を実感することができます。

統計の専門家によれば、2050年代には日本の総人口が8~9000万人とも予想されていますが、そのような見通しにもかかわらず、今後電力会社が将来の大幅な需要増を見越して原発を新増設するという経営判断もおそらく無いと思います。

柏崎のようにある程度の規模になると、定期的に次の原発の計画を立てないと現状維持すら困難になる。

しかし、当面の新増設、2000年代の原子力ルネサンスのような追い風は吹きそうにもないし、そもそも人がいなくなるので需要増が見込めない。

それでも設備の老朽化は不可避であり、2020年の東京オリンピック、あるいは2026年(冬季)が北海道の札幌になるという話もありますが、オリンピックの熱狂の後には廃炉を検討しなければならない時期に差し掛かることになります。この辺は原発の2030年問題などとも言われています。

‖ 現状維持も共存共栄も非現実的なプランである

そのようなわけで、たとえ目先の原発を再稼働するにしても、立地自治体としても「原発との共存共栄」から「原発に頼れなくなる時代」という環境の変化は避けがたいと言えるでしょう。もちろんこれは東電・柏崎刈羽原発に限らず、すべての原発立地地域に共通する話と言えます。

それでもあえて共存共栄を考えるとすれば、例えばエネルギーの浪費を推奨するとか、大胆な移民政策によって人口を2億人にするとか、あるいは中国や韓国、アジアの新興国向けに送電ケーブルを敷いて日本の原発の電気を販売する(海外の需要獲得のために増設する)とか、そういう方法を単一・複合的に進めることも一応考えられますが、これらはさすがにちょっと現実的な政策とは思えません。原発推進とされる候補者が各地でそのような公約を掲げているなんて話は聞いたことがありません。

‖ 立地自治体の長に求められるビジョン

私としては、特に原発との利害関係が近い地域であれば、とにかく辺り構わずに「原発即時ゼロ」みたいなことを絶叫するタイプではなくて、「今から原発に頼れなくなる時代を見据えて・・」と、的確な現状分析と前向きなエネルギー・産業振興策を考えられる人が立候補、出来れば当選するのが望ましいと考えています。

そういう意味では、このたび当選となった新潟県柏崎の桜井雅浩市長は、選挙期間に前後した発言を見聞きする限りにおいては、少なくとも現状を踏まえずに原発に執着するタイプではないという印象なのですが。

桜井氏のような候補者を、むしろ原発反対派が以前から積極的に応援(擁立・支援)しておくべきだったとも私は考えています。

しかし、

  • 原発反対、子供を守れ、とにかく命が大事!
  • 原発やめますか、それとも人間やめますか?

原発反対派はこういうノリが好きですからねw

- おわり -

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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コメント

Re: タイトルなし

>>amさま

当ブログにお越しいただいたうえに、コメントも添えていただきましてありがとうございます。

たしかに、原発は一種の公共事業であるという論説は否定できない面もあるでしょうし、
実際にそのような話はかなり以前からあったようです。

しかし、原発が本当に地域振興として寄与しているかというのは、これも以前より立地自治体の方から
不満の声が出ているのも事実です。例えば高木孝一(福井県敦賀市)氏は、反対派からは
いわくつきの悪役として目の敵にされていますが、晩年は原発が必ずしも思ったような振興策として機能していないとも
発言しています。今回の記事の主役である柏崎市長の桜井氏も、恩恵にあたる部分について同様の
発言をしています。

私も原発政策による立地自治体への恩恵を全否定するものではありませんが、例えばこれから原発を廃炉するにしても、
関連する事業で50年・100年単位で需要があるわけで、原発がなくなるからと言って直ちに職を失うということでも
ないのだろうと思います。

また、記事でも触れたとおりではありますが、今後原発政策が温存されるとしても、自治体がこれまでどおり
原発に頼れるような時代に戻るとは考えられず(反対派から原発推進とされている安倍総理も「減らす」と
明言していますので)、やはり「原発との共存」から「頼れない時代」を見据えたリーダーが、今から対策を講じて
いかないと間に合わないような気もします。

もちろん、将来的に原発をゼロにする政策を講じるとすれば、廃炉関連事業に加え、
国策に協力した自治体に対する+αの要素は必要になってくるでしょう。


原子力発電所はある種の迷惑施設とも言われていますが、こちらの場合は一般的な迷惑施設とは仕様が異なり、
過酷事故が起きた場合は被害地域が不確定になる恐れがあるという問題もあると思います。


> 原子力発電所が無くなると地域の雇用を失う自治体は多いのでは。
> 原子力村よりも飲食店や商店に働く人々の雇用である。
> 夢の原子炉が地方創世だったら福島の除染は公共事業ともいえないか。
> 当然、都会に原子力発電所は不要に思う。


冷やしたぬき #- | URL
2016/12/20 23:31 [edit]

原子力発電所が無くなると地域の雇用を失う自治体は多いのでは。
原子力村よりも飲食店や商店に働く人々の雇用である。
夢の原子炉が地方創世だったら福島の除染は公共事業ともいえないか。
当然、都会に原子力発電所は不要に思う。

am #- | URL
2016/12/12 23:29 [edit]

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