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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

企業の損失補償を求める権利を否定する原発反対派の不条理 

原発の段階的廃止でドイツ政府に賠償命じる
2016/12/7 http://archive.is/yPyHj #nhk

一部抜粋

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、ドイツ政府が国内にある原発の段階的な廃止を決めたことで多大な損害を受けたとして電力会社が政府に賠償を求めた裁判で、ドイツの連邦憲法裁判所は6日、政府に対して賠償を命じました。
ドイツ政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、国内にあるすべての原子力発電所を2022年までに段階的に廃止することを決めています。



周知のとおり、ドイツは福島原発事故の影響を受け、脱原発のスケジュールを短縮する政策に転換しました。

しかし、ドイツ政府の政策変更に際し、ドイツ国内で原発を所有している国内企業(エーオン、RWE)及び外資系企業(スウェーデン・バッテンフォール社)が訴訟を起こしたという話が2、3年前にありました。

‖ 政策変更と機会損失

なぜ原発を所有する企業が訴訟を起こすのかと言えば、それは、平たく言えばドイツの政策変更による企業の機会損失の求償活動ということになります。

そもそもドイツのメルケル首相は、当初は諸事情により脱原発のスケジュールを相当期間遅らせる政策(原発推進ではなく、脱原発を遅らせる)をとっていたのですが、先ほどの説明のとおり、福島原発事故の影響によって、急きょ遅らせる政策をやめたわけです。

原発を運営する企業としては、当初の「遅らせる」方針のもと、原発の安全対策費や修繕費など、それなりの金額を投資してこのくらいの利益を得られるであろうと計算(収益計画)していたはずですが、それが突如として無しになった。これは企業経営者の心理としては、過去の政策決定を受けて投資した分と、それによって将来にわたって得られるはずの収益分(逸失利益)はどうしてくれるのだ?という話になるのはある意味当然と言えます。このような話は、原発の是非とは無関係の、言わば一般的な商慣習と言ったところかと思います。

‖ 一般的な商慣習を理解できない原発反対派?

しかし、今回の件については、なぜか日本の原発反対派は、「なんてひどい話なんだ!」と、訴えた企業を批判する意見をお持ちの方が多い印象なのです。特に外資系のバッテンフォール社への風当たりが強いですね。外資系企業の横暴だとか、ヤクザまがいの酷いやり方だとか、そういう意見が多く聞かれます。

しかし、国家の政策変更によって国内および外資系企業の利益の損失が放置されるとすれば、これは実質的には国家による略奪行為に等しいわけです。猫なで声で企業誘致した翌日に、突如として経営者を締め出して国営企業にしてしまうというような、そんなイメージです。私としてはそれこそが国家の横暴であり、ヤクザまがいの酷いやり方だと思うのですが。少なくともこのような行為は、およそ近代的な国家がやるようなことではないと思います。

独憲法裁判所、原発事業者の補償請求権を認める 原発廃止で
2016年12月06日 http://archive.is/cUhhk #afp

一部抜粋

2011年の東日本大震災に伴う福島第1原子力発電所での事故を受け、ドイツ政府が自国の原発の停止を命じたことについて、ドイツの連邦憲法裁判所は6日、原発を操業していたエネルギー企業各社が補償を求める権利を認める判断を下した。



ドイツの大手エネルギー会社 国の脱原発に対して損害賠償を求める
2016年03月16日 http://archive.is/ntnbT #sputnik

一部抜粋

なおドイツ憲法裁判所が賠償金の支払いについて直接決定を承認することはない。裁判官は、原子力エネルギーに関する法律がドイツ憲法の規定に合致しているかを調べる。
なお大手エネルギー会社は、法改正の撤回が目的ではないと強調している。
エネルギー会社が裁判所の承認を得た場合、彼らは損害賠償に関するプロセスを先に進めることができる。



最初のNHKの記事では、ドイツ連邦憲法裁判所が賠償を命じた(ただし、賠償額を示していない)と書かれていますが、ほかの記事を見た限りでは、そもそも憲法裁判所には賠償額を明示する権限がないようです。金額は別として、企業が政府の政策変更に際して補償を求める権利を再確認した(認めた)というのが正しいようです。

先ほどの記事のとおり、訴えを起こした企業は、別に政策変更が間違っているとか、政策を取り消せと主張しているわけでは全くないですし、おそらくそのような権利はないでしょう。ドイツの憲法裁判所も、国民の健康と環境を守るために脱原発のスケジュールを早めたのは妥当であるとお墨付きを与えています。つまり、政策変更の是非と損失補償は別問題ということです。

もちろん、企業の損失補償の権利が認められるからと言って、それが直ちに100%通るかと言えばそれはまた別の話になるでしょう。そして企業側に権利があるからといって必ず賠償を勝ち取れるかと言えば、それもまた違ってくると思います。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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