02// 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. //03
 

冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

反原発・ニセモノ狩りの記録10 - 小泉純一郎元総理 - その2 

前回の話は、原発推進を通してきた小泉氏が、福島原発事故を契機として反対派に「転向」していった経緯について要約したものになります。

タイトルと記事の内容が噛み合ってくるのは、いよいよこれからです。

‖ 永田町の非常識、「変人」の小泉は、原発反対のニセモノだ!?

前回の話のとおり、小泉氏の転向は実質的には2011年以降ということになるのですが、世間一般の認識としては、大手マスコミに注目されるようになった2013年の秋ということになるのでしょう。原発反対の議論の中で小泉氏が話題になったのもほぼ同時期ということもあり、どちらにしてもそれまで小泉氏の活動は殆ど知られていなかったものと思われます。

小泉氏の転向について、これを原発反対派がどのように評価したのかと言えば、やはり否定的なニュアンスで受け取られた方が多かったように思います。すなわち、「ホンモノ」から見れば小泉純一郎の原発ゼロなど「ニセモノ」だから騙されるなという主張が結果的には勝ったということです。

いわゆる「ホンモノ」な原発反対派が指摘する、小泉氏がニセモノである理由は当時数多く見られました(それがまた反対派同士で議論の対象になっていた)が、代表的な論説を上げてみると、だいたいこんな感じであったと思います。

・小泉は靖国神社に参拝したことのある右翼じゃないか!
・小泉はアメリカ言いなりの対米従属・アメポチじゃないか!
・小泉は新自由主義者じゃないか!


これらが小泉氏がニセモノである主な理由であり、概ね原発反対派の中では共有された認識だったと思います。今でも小泉氏が講演会などでニュースの話題に出てくるたびに、上記のような理由で「騙されるな~!」と警鐘を鳴らす人は多いですね。

もちろん、私にはこれらの理由が小泉氏が「ニセモノ」であるという、説得力のある主張であるとは到底思えなかったのですが、でも皆さん、「なるほど、たしかに小泉はニセモノだ、危うく騙されるところだった!」なんてw

‖ 靖国参拝と原発

靖国参拝=右翼、原発反対のニセモノ。・・果たして靖国神社に参拝することが右翼、あるいは右翼的な行動なのでしょうか?それに、たとえ右翼だからと言って原発に反対してはダメな理由もないでしょう。

たしかに、個人的には原発反対派は「左翼がかった人が多い」という印象もありますし、そのような人たちは、実際保守とか右とか、たとえわずかでもそのような「香り」のする方に対して敵意をむき出しにされる方も多いです。

ちなみに、これは原発事故以前の話になりますが、私は東京見物(本命はアキバ巡りでしたがw)の一環として靖国神社に行ったことがあります。ということは、どうやら私はその時点で原発に反対する資格を失っていたようです。

‖ 親米と原発

アメリカは超大国とも呼ばれているとおり、何事においてもスケールが大きな国です。したがって、自国の政策、あるいは変更変更(政治・経済・安全保障面など)によって、必然的に周辺諸国にもそれなりの影響を及ぼします。もちろん、日本とアメリカは同盟関係にありますから、そこから受ける影響の度合いは、たとえそれが良い意味でも悪い意味でも否定できるものではないでしょう。

そのため、私もアメリカに対する評価は人によって様々あることは承知していますが、その賛否はともかくとして、日本人としてアメリカに対して一定程度の評価と言いますか、ある程度の肯定的な対応・節度のある付き合い方をすることが親米の定義なのでしょう。

そういう意味では、たしかに小泉氏は「親米派」とも言えるのでしょうが、そもそもアメリカと好意的に付き合うことがなぜ原発問題と関連性があるのかがわかりません。「なぜ原発に反対なのに親米なのだ!!」という疑問の組み立て方には相当無理があります。

ところが、原発に反対される方はかなりの確率で極端な反米志向の傾向で、先ほどの右翼の話と同様に、たとえわずかでもアメリカを肯定的に語るような人には敵意をむき出しにします。なんと言いますか、そのような方々は、例えばツイッターなどでも四六時中アメリカの悪口(+かなり下品な)を言ってなければ気が済まないような感じです。

‖ 新自由主義と原発

小泉氏の原発ゼロがニセモノだという最大の理由はこれでしょうかね。新自由主義者だからニセモノという主張。たしかにこれが一番目立ったような印象ですが。

しかし、そもそも「新自由主義」とは一体何なのか?私は経済のことはあまり良くわかりませんが、例えば小泉氏が総理時代に主張していた「民間にできることは民間に!」というような話から想像すると、これはおそらく、効率性(経済合理性)や競争力、労働生産性の向上に目を向けるという考え方なのでしょう。端的に言えば「小さな政府」とも言えるでしょうか。

そうであるならば、新自由主義と脱原発・原発ゼロと言うのは、これはニセモノどころかむしろ相性が良いとも言えます。

原発は典型的な規制産業と言いますか、とにかく国家の手厚い庇護がなければ1日として成り立たない、極めて脆弱な業界です。ゆりかごから墓場(原発建設から核のゴミ処分)まで、たとえ墓に入っても国家が関与し続けなければならない事業ということで、これは新自由主義、小さな政府とは対極に位置する存在と言っても過言ではありません。よって、新自由主義者が原発に反対することは当然とも言えると思います。

そういえば、小泉氏が原発ゼロで注目された当時、小泉内閣のブレーンも努めたことがある竹中平蔵氏も原発に批判的な話をされていましたけど、この方も新自由主義者と呼ばれていましたから、たしかにそういう意味では矛盾はしないでしょう。

しかし、やはり原発反対の方は反・新自由主義、それどころか反企業とか反経済のような主張をされる方も多い。例えば今回のような、経済合理性の視点から原発を批判することに対しては、敵意をむき出しにされる方が多いのが実情ですね。そのため、先の竹中氏は特にそうですが、維新の会の橋下徹氏、経済評論家の古賀茂明氏、元衆議院議員の平智之氏なども反対派からはあまり評判がよろしくなかったです。

新自由主義ネタで付け加えると、小泉氏は原発ゼロの講演会で、ご自身が郵政民営化を成功させても原発の問題(小泉氏は原発はカネ食い虫の産業等と批判)には気が付かなかった、考えが及ばなかったとして、毎回その話を取り上げ、自らの不明を恥じているようです。

小泉氏と竹中氏は、たしかに世間では以前から新自由主義者として名が通っており、かつ、原発批判派としては後発組ということになります。となれば、これはやはり、お二方は新自由主義者としては2流3流であったということなのでしょう。

‖ どうも反対派にとっては、小泉氏の存在は都合が悪い?

今回の小泉氏の話に限らず、原発に反対ならば靖国参拝(=右翼・保守系)などもってのほかで、とにかく反米主義、反・新自由主義者でなければならない・・。YOUTUBEなどにアップされている原発反対のデモや集会などの様子を見ていると、だいたいこういう話がセットになっています。

私にはその「でなければならない」理由がさっぱりわからないまま今日に至るわけですが、原発事故後、徐々に原発反対派の間でそのような考え方が広まっていったような印象ですね。いつの間にかと言いますか、私が気がついたのは2012年くらいでしたが、実はもっと早く、原発が爆発した直後からそのような兆候はあったのかもしれませんが。

そういう意味では、そのような主張を広めている、あるいは共有している原発反対派からすると、小泉氏のような人に原発を反対してもらっては困る。都合が悪い人物であるというような見方も出来るのではないかとも考えています。

その3につづく

関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

comment(0) | trackback -- | edit

page top

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top