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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

「原発反対に右も左もない」とはどういうことなのかについて考えてみる その4 

‖ 現状では原発推進の自民党が最も原発ゼロ社会の実現に近い

これまでの話を踏まえると、これは皮肉な話ではあるのですが、原発をこれからも続けると言っている自民党こそが、実は最も原発ゼロ社会の実現に近い位置にいる、と言っても良いのだろうと思います。

現実に政権を担っている自民党が原発を推進している以上、その気になればもちろんゼロも可能でしょう。小泉純一郎氏が常々、「自民党が変わるのが(原発をやめる)一番早い」と仰っていますが、それは確かにそのとおりだと思います。

もちろん、現状安倍総理が「今日(明日)から原発をやめます!」と宣言する見込みはほとんどない(というより、ゼロw)でしょうし、いくら政治的な意味で「近い」とはいえ、それは現実的な話ではないのでしょう。

断っておきますが、前々回の辺りから、私は、自民党は「政治の基礎体力がある」とか「バランスが取れている」とか、あるいは今回のように「原発ゼロに近い」等と述べてきたわけですが、これらは別に、私が自民党を応援しているとか、そういう意図ではまったくありません。

これまでの連載にお付き合いいただけた方であれば、「お前は安倍信者だろう!」みたいに変な誤解はされていないとは思いますが、一応念のため。

‖ 第二の道は「政権交代」だが・・

安倍総理・自民党は原発をやめる気はサラサラないし、他に手段があるとすれば、例えば「政権交代」ということになるでしょうね。

河合弘之 原発訴訟が社会を変える 集英社新書
2015/9 http://goo.gl/Nud7QB

一部抜粋

 「脱原発」のためにできることは、他にもあります。国政選挙で自民党以外の脱原発候補に投票して、民意を無視して原発の再稼働に突き進もうとしている自民党を痛撃することです。



しかし、世の中「原発ゼロ」だけ、いわゆるシングルイシューで政権交代が起きるのかと言えば、それはそんなに甘い話ではないですね。現実は原発即時ゼロでは即時落選。だいたいそんな結果にしかなっていません。

やはりここで大事になってくるのが、以前から再三述べてきた「政治の基礎体力・バランス感覚」なのだと思います。

エネルギー安全保障を考える上でも、特に外交・国家安全保障の論点は避けては通れない話なのですが、いわゆる「反原発活動家」は、この辺に致命的な欠陥を抱えているというのは、これも以前から指摘してきたとおりです。

これは私の記憶違いかもわかりませんが、2011年の原発事故直後、連合の古賀伸明会長(当時)が、「世論がそんなに原発に反対していたのなら、社民党や共産党が政権を取っていたはず」というような話をしていました。

社民党共産党が原発に反対してきたという話は一般論としては正しいが、歴史的には全くの誤り(反原発活動家の多くが左翼がかっているのでそう見えるだけ)であるという話はさておき、体力の無い政党の主張は、現実の政策に反映される可能性は低いです。仮に両党が「反原発の元祖」であったとしても、有権者の支持は得られなかったと思います。

ならば民進党はどうか、ということになりますが、この政党も最近の「市民連合」の影響か、野党共闘のスローガンのもと、自らの政治の基礎体力を急速に低下させていっている印象です。

私は政局ウォッチャーではないので詳細はよくわからないのですが、1年くらい前でしょうか。気がついたら「野党は共闘」という理念を掲げる市民連合という組織が出てきて、知らないうちに民進党がその影響下に置かれてしまっているのです。

しかしこの市民連合は、私には共闘というよりも「民進党の解体(社会党化)」が目的のようにも映ります。

原発反対派では市民連合の支持者も大勢いるわけですが、例えば彼らのツイートを見てみますと、「民進党から右翼・極右の議員を叩き出せ!」みたいな話で盛り上がっているわけです。

つい先日の長島昭久氏の離党についても、市民連合の指南役を務める山口二郎(法政大学教授)氏は、「歓迎すべきだ」とご満悦。執行部との考え方の違いから代表代行を辞任した細野豪志氏にも攻撃的なツイートをしています。

実は長島氏も「叩き出せ!」としてリストに上がっていた議員の1人で、他にも先ほどの細野氏もそうですし、前原誠司、岡田克也、松原仁、渡辺周、馬淵澄夫・・。このような方々も市民の皆さんの標的になってます。

それから、こちらもつい先日の話になりますが、「ネットがつらい」として市民連合に相談を持ちかけた野田佳彦氏。なんだか相談する相手を間違えているような。実は野田氏も・・w

そして、彼らの言動や行動がかなり過激といいますか、これは長島昭久氏が仰るところの「不寛容なリベラル」そのものだと思います。先ほどの右翼の基準にしても、自分たちが気に入らないからというような感じで、「左から見たらみんな右翼」というようなノリに近いですね。

民進党の社会党化。この件は私の個人的な印象・・で収まる話というよりも、実際問題として、既にいろいろな方面からそのような指摘があるわけです。55年体制に逆戻りとか、与野党のプロレスとか(プロレス団体に失礼ですが)。

もしそうなれば、自民党が政治を進め、野党はガス抜き役としてとにかく騒ぐだけ。当然そこには建設的な議論や政策提案は無い。長島氏の言葉を借りれば、行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。そんな時代が今後常態化するということでしょうか。

‖ 世論動向に適した原発反対政党は今のところ存在しない

先にも述べたとおり、私の見立てでは、世論は右でも左でもない中道政党を支持し、当然そこには政治の基礎体力・バランス感覚が前提となっている。要は何をするにも最低限、一定程度の常識が必要だという話です。

そしてこの枠内であれば、世論も「原発ゼロ」にも乗って来ると思います。場合によっては「即時」もあり得るかもしれません。

ところが現実の野党はどうなのかと言えば、全体的には自民党を「極右政党」と規定して、とにかく左に舵を切っている印象ですね。「右翼対左翼の最終決戦」みたいなw

もしも、自民党と同様な「右でも左でもない」野党が力をつければ、そこでは原発ゼロ政策も生かされる(差別化)でしょうし、仮に政権交代が現実味を帯びてきた場合は、自民党は自らの生き残り策として原発を放棄するというシナリオも起こり得るかもしれません。この場合、自民党が生き延びて原発ゼロになる「第三の道」ということになるでしょうか。

たしかに、世論の7割8割は原発に反対とはいえ、かと言って政治や思想信条は右でも左でもない。

そのため、世論は反原発の活動家に見られがちな「底抜けな平和主義」には与しない。もちろんそれは極右とか軍国主義といった話ではまったくなくて、その真意は「平和主義ではない平和主義」である。

そして、現状ではそのような意見の受け皿となり得る政党が存在せず、それは当面成立する見込みもなさそうである。

すなわち、野党の政治の基礎体力が整わない間は、とりあえず原発は安泰。そういうことなのだろうと思います。

- おわり -

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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