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冷やし狸庵

原発・エネルギー問題を静かに考えるブログ。

アメリカ・トランプ大統領のパリ協定脱退表明は石油メジャーの陰謀ではない 

‖ かねてよりの公約どおりに

トランプ大統領 パリ協定脱退の方針を発表
2017/6/2 http://archive.is/DjsiJ #nhk

一部抜粋

アメリカのトランプ大統領は地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から脱退する方針を決定したと発表しました。脱退の手続きには時間がかかるものの、世界第2位の温室効果ガスの排出国であるアメリカの温暖化対策が後退し、世界全体の機運にも大きな影響が出ることが予想されます。



地球温暖化対策のためのパリ協定。協定の脱退はトランプ大統領の選挙公約の一つではありましたが、やはりそうなったかというのが率直なところです。トランプ大統領のパリ協定の可否については、2日ほど前から脱退の見通しみたいな報道もあったので、そういう流れになるんだろうなと。

‖ トランプ大統領と石油メジャーの思惑は一致しない

トランプ大統領と言えば、彼が候補者の時から大手メディアから、「石油企業(メジャー)と関係が強いトランプ氏」というような紹介をされていた印象です。実際の組閣では、国務長官にエクソンモービルの前会長のティラーソン氏を据えたこともあって、トランプ政権と石油メジャーの強いつながりを指摘するような論調も少なくないです。

石油メジャーと関係が強いトランプ政権、そして、エクソンモービルのティラーソン。このような材料から今回のパリ協定離脱を考えると、「脱退は石油業界の圧力によるもの」というような想像もできなくもないですが、それは全く違うでしょうね。実際問題として、石油メジャーはパリ協定には残留するべきだというのが総意でした。

エクソンモービル、トランプ政権にパリ協定残留求める書簡
2017.03.30 http://archive.is/7b14r #cnn

一部抜粋

ニューヨーク(CNNMoney) 米石油大手エクソンモービルがトランプ米大統領に対し、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ合意」から離脱しないよう求める書簡を送っていたことが30日までに明らかになった



エクソンやコノコ、パリ協定支持-トランプ大統領は離脱検討
2017/6/1 http://archive.is/sutai #bloomberg

一部抜粋

地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を唱えるトランプ米大統領の考えに対し、世界有数の石油会社、エクソン・モービルとコノコフィリップスは意外にもこれに反対している。



記事のタイトルのとおり、エクソンモービルはパリ協定の残留を求めていたわけです。そして、そもそも先ほどのティラーソン氏にしても、パリ協定は残留支持派のようですね。

一般論としてありがちな、温暖化対策で石油業界が困るという単純な図式でトランプ政権を見ると、今回のパリ協定離脱は業界筋の仕掛けた陰謀と捉えることも出来るのでしょうが、事実関係は全く違うということですね。

‖ 石油メジャーの収益源とその思惑

この辺りの話は藤和彦氏の「石油を読む(第2版、リンク先は最新の第3版、こちらも同様の話題が触れられています)」などが詳しいですが、近年のメジャーの主力商品(稼ぎ頭)は、その伸び率や将来性という観点から考えると、実は天然ガスなのです。

石油は生活必需品とはいえ、温暖化対策という観点から今後は従来のような旺盛な伸びは期待できないとしても、代替エネルギーとしての天然ガスシフト。これが大きいですね。これからのエネルギーの主役は再生可能エネルギーでも原発でもなくて、天然ガスであるという流れから考えると、温暖化対策はメジャーにとっても悪い話ではないのでしょう。

もちろん、メジャーは再生可能エネルギーへの投資も熱心で、特に風力発電事業に力を入れている印象です。

「天然ガスは勝ち組」、35年に石炭を抜くと予想/BP統計
2016/7/18 http://archive.is/8cjJN #ガスエネルギー新聞

一部抜粋

BPは11日、先月公表した「世界エネルギー統計2016」について東京で発表会を開いた。2015年のエネルギー市場を振り返り、天然ガスや再生可能エネルギーを需要が増加した「勝ち組」、石炭を需要が減少した「負け組」に分類した。天然ガスと石炭の需要増減のトレンドは今後も変わらない見通しで、35年頃には1次エネルギーに占める天然ガスのシェアが石炭を上回ると予測する。



このように、メジャーとしては冷徹な市場分析・将来予測を踏まえ、企業価値・利益の増大に日々努力している。そういうことなのでしょう。つまり、石油メジャーがパリ協定を支持することは何ら不思議な事ではないといえるでしょう。

‖ ありがちな石油メジャーとOPECの過大評価

ついでに述べておきますと、特に日本では、「メジャー」が石油の価格決定力に絶大な影響力を保持しているというイメージが未だに根強い印象がありますが、それは全く違います。メジャーが強かったのは50年も前の話で、例えば、「原油価格高騰にメジャーやロックフェラー財閥の影・・」みたいな話は基本的にデマですのでご注意を。

そして、その後に台頭したOPECにしても、現在は力を失っているのが現状です。

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カテゴリ: 冷やしたぬき放談

テーマ: 政治・経済・社会問題なんでも  ジャンル: 政治・経済

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